自転車の取り締まりが強化! 6月1日の道路交通法改正の注意点

皆さん6月1日から道路交通法が改正になることをご存じでしょうか? この間何度か改正が行われてきましたが、危険運転の罰則強化が主な変更点でした。真面目な優良ドライバーにはあまり関係がなかったため、ピンと来なかった方が多かったと思います。しかし、今回はまったく違います。子供たちも含めて、ほとんどの方に非常に大きな影響がある変更なのです。

 

今回の改正の最大のポイントは、自転車の取り締まり強化です。ほとんどの方(特に子供たち)は知らないと思いますが、道交法上自転車は軽車両なので、違反をすると免許がなくても取り締まりの対象となります。 

 

今までは、自転車に乗っていて切符を切られたという話はほとんど聞いたことがないと思います。それはなぜかというと、今まで自転車の違反には青切符(反則金)という制度がなく、赤切符(罰金)しか適用ができなかったからです。

 

車を運転する方はご存じだと思いますが、赤切符というのは、酒気帯び・危険運転等、かなり悪質な違反に適用になるもので、略式起訴ではありますが裁判所に呼び出されますし、いわゆる「前科」がついてしまいます。

 

例えばついうっかりの信号無視レベルでは、自動車を運転していた場合なら青切符で数千円程度の反則金で済みましたが、自転車の場合は5万円以下の罰金となっていました。逆に言えば、今まで自転車の場合は、余程目に余る違反でないと警察としても摘発しにくかったのです。裁判の資料となるので、書類の作成等にも時間がかかり、手間がかなりかかるからという側面もあったようです。

 

察しの良い方はもうお分かりだと思います。6月1日以降、自転車にも、いわゆる“青切符”的な制度が導入されるのです。反則金レベルで済みますから、警察としてもどんどん摘発することになるはずです。教え子で警察に勤めている者に聞いてみましたが、「少なくとも上はそう考えています。現場レベルでどのくらいきちんと対応できるかですね……」と言っていました。 

 

ただし、“青切符”的制度については車の違反と多少形が異なります。少し具体的に書いてみます。

 

違反が摘発されたとしても、1回目の違反で即反則金納付ということにはなりません。3年間のうち2回目の摘発をされた場合に、警察が実施する「安全講習」を受講しなくてはならなくなります(ここで手数料の5700円が徴収されます。これが反則金と同じ位置付けになります)。費用はもちろん、講習は1回3時間で最後にテストまであるというのですから、負担はかなり大きくなります。 

 

この安全講習を受講しないと、事件扱いとなり、裁判所への呼び出しの上5万円以下の罰金が科されます。今でも自動車の青切符を払わずに無視していると、手錠をかけられて逮捕・連行されることもあります。さすがに子供たちに手錠をかけるようなことはしないと思いますが……。

2015年05月15日

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