米海兵隊の新型輸送機オスプレイが米ハワイ州で訓練中に着陸に失敗し、乗組員1人が死亡する事故があった。

 東京の横田基地に米空軍のオスプレイ10機の配備が決まったばかりだ。中谷防衛相はこの時の会見で「日本政府としては、安全性が十分に確認されたと判断した」と述べていた。

 それから1週間足らずで、この事故である。オスプレイの安全性に改めて、重大な疑問符がついたことになる。

 日本政府は事故を重く受けとめ、機体の安全性を再検証するよう米側に強く要求すべきだ。原因究明はもとより、今回の事故に照らして何らかの構造上の欠陥がないかどうか、改めて検証する必要がある。

 オスプレイは開発段階で事故が相次いだ。安全性が高まったと言われてきたが、昨年秋にもペルシャ湾で事故を起こしている。機体の大きさに比べてプロペラが小さく、低空でトラブルが起きた場合に軟着陸する機能が不十分だといった指摘も出ている。

 再検証の結果、もし構造上の問題が浮き彫りになれば、米軍横田基地への配備はもちろん、自衛隊による佐賀空港への17機の配備計画も見直さなければならない。

 また、すでに沖縄の米軍普天間飛行場に配備されている米海兵隊のオスプレイ24機については、事故の原因が究明されるまで飛行を見合わせるよう早急に要請すべきである。

 機体の問題だけではない。オスプレイの運用にあたって日米で合意したはずの飛行ルールも守られていないのが現状だ。ルール厳守も米側に強く求めなければならない。

 菅官房長官はきのうの会見で「米側に関連情報を速やかに提供するよう申し入れをしている」「安全な運用に最大限配慮するよう求めてきているので、そうしたことをしっかりと主張していきたい」と述べた。いずれも当然の要求だが、いまのところ政府内に配備計画を見直す動きはない。

 おととい那覇市で3万5千人(主催者発表)が集まった県民大会では、オスプレイへの反発が出ていた。横田基地の地元でもオスプレイ反対の集会が開かれ、参加者が「沖縄と思いはひとつ」と訴えた。

 こうした基地周辺住民の不安を日本政府は真剣に受けとめ、その解消に努める責任がある。安全保障上の重要性を盾に等閑視しているとすれば、考え違いもはなはだしい。国民が二の次であってはならない。