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 ケリー米国務長官が18日午前、ソウルで韓国の朴槿恵(パククネ)大統領を表敬訪問し、尹炳世(ユンビョンセ)外相と会談した。北朝鮮の核・ミサイル問題など朝鮮半島の安全保障問題について話し合い、韓国との同盟強化を確認した。ケリー氏は会談後の会見で、旧日本軍の慰安婦問題も話し合ったことを明らかにし、過去の歴史について両国が和解を進めるよう求めた。

 外相会談の冒頭、ケリー氏は「我々は、北朝鮮のどんな脅威にも立ち向かうとの決意で固く結束している」と発言。尹氏も「優先事項は北だ」と応じた。会談後の共同記者会見で尹氏は、ケリー氏が「域内国家間の関係改善と協力が米国の政策と符合するとの立場を表明した」とし、日韓関係の改善問題に言及したことを明らかにした。

 北朝鮮は最近、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の発射実験をし、韓国の情報機関が北朝鮮の軍最高幹部が粛清されたと報告するなど、その動向が改めて国際社会の注目を集めている。ケリー氏は米韓の情報共有をさらに強化し、米国の韓国に対する防衛義務についても触れる見通しだ。

 また、日本を含めた協力体制をどう強化していくかも懸案となっており、どんな議論が交わされるかが注目される。

 朴大統領は6月中旬に訪米し、オバマ大統領と会談する予定で、ケリー氏の今回の訪韓はその事前調整を兼ねている。ケリー氏は同日午後、ソウル市内の大学でサイバー攻撃について講演。昨年11月に米国のソニー子会社にサイバー攻撃があったうえ、中国の関与が疑われるサイバースパイ問題も重視しており、ネット空間の安全保障についても提起するとみられる。(ソウル=奥寺淳)