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直木賞作家 車谷長吉さんが死去
5月18日 21時52分

庶民の暮らしや生き様を過激な表現で描き、「赤目四十八瀧心中未遂」で直木賞を受賞した作家の車谷長吉さんが17日、自宅で物をのどに詰まらせて窒息し、亡くなりました。69歳でした。
車谷長吉さんは兵庫県出身で大学を卒業後、広告代理店に勤務しながら小説を書き、文芸誌の新人賞の候補になりました。
その後、職を転々としながら各地を放浪したあと、30代後半で再び作家として活動し、平成5年に「鹽壺の匙」(しおつぼのさじ)で、芸術選奨文部大臣新人賞や三島由紀夫賞を受賞したほか、平成10年には「赤目四十八瀧心中未遂」で直木賞を受賞しました。
庶民の暮らしや生き様を方言を使って過激な表現で描き、高い評価を受けましたが、文学観の違いから文学賞の受賞を拒否するなど、その行動も話題となりました。
平成16年には文芸誌に掲載された小説の中で名誉を傷つけられたとして、書かれた随筆家が車谷さんを訴え、その後、小説の内容はフィクションで迷惑をかけたと謝罪するなどの条件で和解しましたが、車谷さんは、これをきっかけに「私小説作家」を廃業すると宣言し、句集や、歴史小説などの執筆に活動の軸足を移しました。
平成24年までの3年間には新聞の人生相談に載るコーナーを担当し、車谷さんは相談に対して救いのないひと言を浴びせるなど、読者の予想を裏切る回答を連発し話題になりました。
関係者によりますと、車谷さんは自宅で病気の療養中でしたが、17日午前、物をのどに詰まらせて窒息しているところを家族が見つけ、病院で死亡が確認されたということです。

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