(銃撃音)
(銃撃音)ヒット!ヒット!ヒット!ヒット!あれ?絵美は?
(中野絵美)誰?本物?
(銃声)いやっ!え…?いやーっ!ああ…。
(汽笛)
(鑑識係)全身の色蒼白。
やや右方向に向かう3センチの刺創。
右肩甲骨下方13センチ…。
一応顔も押さえておいて。
ないんだね?
(鑑識係)ありませんね。
(河島裕也)時間だ。
行くぞ。
(糸村)ご苦労さまです。
糸村君遅い。
どうぞお構いなく。
死因は背部刺創による出血死ですね。
被害者の身元は…。
(森田)財布や携帯電話身元を証明するものは全て抜き取られてる。
恐らく犯人が持ち去ったんだろう。
(仙堂卓巳)あっ課長。
深夜1時頃コンビニの店員が女性のあとをつける不審な男を目撃してました。
女性の身なりが被害者の特徴と一致します。
すぐに被害者の顔写真見せて確認取って。
(遠山・仙堂)はい!
(ため息)糸村君。
糸村君も行って!課長。
ちょっといいですか?何?「N.SHIMADA」これ被害者の名前なんじゃないでしょうか?それとこれ。
「ワクタロウ先生の出張体験教室」…。
出張マジックショー?鳥?ブローチ?これがいくらです。
(村木繁)いやいや…。
うんだからね…並べられてもさ…。
それからこれが…。
ちょっと…ちょっと待って!はい。
あのねいくらやっても無理は無理です。
ねっ。
それに私はこんなものには釣られない!そうですよね。
村木さんプライドありますもんね。
じゃあこの時鮭はいらないと…。
今なんて…なんて言った?時鮭。
時鮭?時鮭…。
はい。
でもやらないんでしょ?やらないなら食べられません。
当たり前じゃないですか。
時鮭はやる!
(店主)あ〜これは売り物じゃないなぁ。
多分一般の人が体験教室で作ったものでしょ。
体験教室…。
ええ。
ほら栃木の益子焼や茨城の笠間焼といった陶芸の名所でよくやってるんですよ。
あそうそう都内のカルチャースクールなんかでも最近出張教室とかはやってるみたいですよ。
ああそうなんですか。
(携帯電話)ちょっとすいません。
(携帯電話)はいもしもし糸村です。
あの遺留品のボールペンなんですけどね微量ですがウエルテスが付着していましたよ。
ウエルテス…ってなんですか?あの病院でよく使用されている消毒液で入り口とか…。
(携帯電話の不通音)ああ…。
財務事務次官への贈賄工作を行った疑惑が取りざたされる東西銀行の町村貴史頭取。
「その町村頭取が突然体調不良を訴え愛聖総合病院に入院して早1週間が経ちました」「町村頭取は今回の贈賄を主導したと言われており…」
(町村貴史)おい山崎。
(山崎始)はっ。
あ〜…身代わりは決まったのか?今井取締役が承諾してくれました。
だったら早く出頭させろよ!これ以上私の名に傷をつけたら君の将来はないと思いなさい。
すぐに対処します。
(森川あずさ)出来ればあなたに執刀してほしかったわ。
(森川雅彦)まだそんな事を…。
(あずさ)あの子の事を本当に愛してたら絶対に自分の手で救いたいと思うはず。
僕だって出来る事ならそうしたいさ。
でも今は病院の経営に追われてメスを握る余裕もない。
万が一何かあった時冷静に対処出来ると思うか?
(森川凛)手術やっぱりお父さんにしてほしかったな…。
大丈夫だよ。
長澤先生はお父さんなんかよりずっと腕のいいお医者さんなんだ。
世界中で難しい心臓のオペを何度も成功させてるんだから。
そうよ。
見た目だってずっとかっこいいでしょ?ウフフ…。
(ノック)
(長澤圭介)凛ちゃん気分はどう?うん悪くない。
森川院長明日は予定どおり12時からオペを始めます。
長澤君…娘の事をよろしく頼む。
大丈夫です。
必ず成功させますよ。
ねっ。
(森川)それじゃあ私は大阪で学会があるからこれで。
明日手術が始まるまでには戻ってくるからね。
うん。
今夜はお母さんが泊まるから家に戻って準備してくるわね。
(あずさ)学会夏美さんも一緒に行くの?
(森川)彼女はオペ看だぞ。
凛の手術にも立ち会ってもらうんだ。
彼女とはそういう関係じゃない。
つまらん誤解をするな。
本当にただの狭心症?がんとかじゃないよね?
(植村洋子)東さんの場合糖尿病が悪化してるだけです。
ただのお酒の飲みすぎ。
まあ警察署の署長ともなると色々ストレスたまってさ。
特にうちには糸村っていうやたら遺留品にこだわる変わり者がいてね…。
はい点滴終わりましたよ。
いやちょっとねえ…聞いてよ最後まで。
…っていうかなんで誰も見舞いに来ないんだよ?来るわけないか。
入院してる事誰も知らないしな。
糖尿病が悪化したなんて知られたら二度とお酒飲ませてもらえないもんな。
はあ〜冗談じゃねえな〜。
あっ…!あっダメだ。
トイレ!トイレトイレトイレ…。
(中野保)悪い。
なんすか?ちょっと水買ってきてくれないか?ああいいっすよ。
(ドアの開閉音)すいません。
(受付係)はい。
わたくし月島中央署の糸村といいますがこちらに嶋田さんという30代前後の女性の方はお勤めではないでしょうか?嶋田…?もしかしてオペ看の嶋田夏美でしょうか?オペ看?外科手術専門の看護師です。
ちょっといいですか?はい。
こちらです。
(横峯聡子)植村さん手空いてるんだったらお昼にしちゃいましょう。
はい。
(銃声)
(蛍光灯の割れる音)
(悲鳴)
(岡本秀典)下がれ!
(松井)どけどけどけどけ!どけ!
(長澤)おい!なんなんだ君たちは!あんたが長澤か…。
(長澤)えっ?
(銃声)
(岡本)おい!早く町村を捜せ!2〜3人人質を押さえとけ。
うわっ!
(伊藤陽介)お前たちはここにいろ。
携帯出せ。
お前たちの携帯は?あそこです!くそっ!
(河島)「この病院はたった今我々が占拠した」「死にたくない奴は今すぐこの病院から退去しろ」「10分後に病院の出入り口は封鎖する」それまでに退去しなかった者は発見次第射殺する。
「もう一度言う。
10分後に病院の出入り口は封鎖する」えらいこった…。
イテッ!あっ…!課長被害者の身元がわかりました。
愛聖総合病院に勤めているオペ看外科の看護師の嶋田夏美さんです。
自宅の住所と連絡先…。
「今からメールで送りますね」「
(人々の悲鳴)」なんだかそこすごい騒がしいんだけどさ糸村君今どこにいるの?愛聖総合病院です。
どうやら拳銃を持った強盗が病院に押し入ったみたいですね。
いい…今なんて言った?ですから強盗による立てこもりです。
立てこもり!?
(町村)通してくれ!どいてくれ!通してくれ!
(警備員)焦らないでください!皆さん落ち着いてください。
(岡本)おいそこをどけ!どけ!この野郎!おい町村!
(人々の悲鳴)あんたに逃げられたら困るんだよ。
町村頭取。
(松井)ほら急げ!時間がないぞ!さっさと出て行け!ほら!急げほら!さっさと出ろ!ほら急げ!
(ドアを叩く音)
(羽住晴彦)中野さん!開けてください!中野さん!中野さん!大変なんです!いるんでしょ!中野さん!
(羽住)いるんでしょ!中野さん!ここで何してる?早く出て行け!
(携帯電話)もしもし?時間だ。
出入り口の鍵をロックしろ。
ここでおとなしくしてろ!さっきはなぜ撃った?やりすぎだろ!
(河島)つい勢い余ったんだよ。
(河島)携帯出せ。
(町村)え?お前の部下に電話をかけるんだよ。
もしもし?山崎か?私だ。
頭取の身柄を拘束した。
無事に返してほしければ10億用意しろ。
10億!?要求を拒否した場合は頭取を射殺する。
(河島)頭取の身柄を拘束した。
無事に返してほしければ10億用意しろ。
10億!?要求を拒否した場合は頭取を射殺する。
ちょ…ちょっと待ってくれ!
(河島)1時間後にもう一度電話するよ。
頭取を死なせたくなければすぐに仕事にかかれ。
それから病院の出入り口は全て監視カメラで見張っている。
警察が1人でも病院内に入ったら頭取以外の人質も全員射殺する。
(パトカーのサイレン)
(捜査員)「犯行グループは拳銃を所持」「東西銀行の町村頭取を人質に取って10億円の身代金を要求」「病院が占拠された際医師1名が腕を撃たれ重傷」
(金子丈弥)「他に怪我人は?」
(捜査員)「現在調査中」
(金子)「出入り口の状況は?」
(捜査員)「病院内の警備システムで全て封鎖されている」「脱出した警備員の話によると警備主任が警備室に残っている模様」
(金子)「その男も共犯か?」
(捜査員)「可能性あり現在確認中」
(捜査員)「病院内の監視カメラで全てチェックされています」「不用意に動けません」
(金子)「命令があるまでは動くな」
(捜査員)「了解」犯行グループと頭取以外の人質の数は?
(村田)まだわかりません。
何やってるんだ早く調べろ!はい!それと東西銀行とトラブルがあった人間や会社全てリストアップさせろ!はい!
(近藤)管理官!入院中の院長の娘さんと看護師2名の姿が見当たらないそうです。
何?早く…娘を助け出してください!あの子明日心臓の手術控えてるんです!大動脈弁閉鎖不全症という重い病気で適切な処置をしなければ命を落とす危険があるんです。
わかりました。
こちらも全力で救出に当たります。
お願いします…お願いします…。
管理官。
(金子)所轄がなんの用だ?病院内に糸村刑事が残っているようです。
糸村が?うちの管内で起きた殺人事件の被害者がこの病院の看護師なんですけどその捜査に出向いて事件に巻き込まれたんだと思います。
よりによってなんであいつが?もしかしたらこの2つの事件何か関係があるんじゃないでしょうか?たまたまだろ。
とにかくこっちの邪魔だけはするな。
(携帯電話)もしもし?糸村君?
(金子)ちょっと貸せ。
糸村か?金子だ。
今どこにいるんだ?5階にある第二外科病棟です。
犯人たちが立てこもっている心臓血管外科の真下ですね。
おい見取り図出せ!
(捜査員)はい!
(金子)現場の状況わかるか?「6階に立てこもっている犯人は4名」全員が覆面を被り拳銃を所持しています。
ですが他のフロアに犯人の仲間がいる可能性はありますね。
糸村心臓の手術を控えた子供と看護師2人が見当たらないらしい。
もしかしたら人質にされてる可能性がある。
(前原)管理官!なんだ?犯行グループが動画サイトで生中継を始めました!何?おい糸村あとでまた連絡する。
(携帯電話の不通音)動画サイト…。
えーっと…。
これかな?
(携帯電話)
(刑事)犯人より入電!お願いします。
(携帯電話)もしもし?「1時間経ったぞ。
金のめどはついたか?」10億なんて金そう簡単には…。
今社内で協議中です。
「こっちがどれだけ本気かわかってないようだな」
(カメラのシャッター音)
(カメラのシャッター音)おいそこで何やってんだ!!こっち来い。
「おい何者だ?」
(高野照之)「フリーカメラマンの高野といいます」
(河島)「俺たちを隠し撮りして週刊誌にでも売るつもりか?」「しゃ…写真を消します!許してください!」
(河島)「やれ」おいよせ…冗談だろ?
(銃声)キャッ!
(高野)「うっうっ…!」「ああ…ああー!ああ…」「ああ…」どっかに放り込んどけ。
はいはい。
タイムリミットは明日の12時だ。
「それまでに金を用意しろ。
それが出来なかった時はさっきの男と同じように残りの人質を順番に血祭りに上げる」ええっ?いや…そんなむちゃな!絶対無理無理!じゃあ早急にお願いしま〜す。
いや糸村さんちょっとちょっと…!
(携帯電話の不通音)糸村さんが病院内に?そうなのよ。
無事なんですか?糸村さん。
まあなんとかね。
そっちはどうなってる?現場近くの防犯カメラをしらみ潰しに見ましたが嶋田夏美さんをつけていた不審な男の姿は映ってませんでした。
そう…。
森田さんは?もう少し範囲を広げてみるそうです。
我々は病院関係者に昨夜の嶋田さんの行動を当たってみます。
お願い。
(仙堂)はい。
余計な事すんじゃねえぞ!
(ため息)仮病なんか使うんじゃなかった。
止まれ!両手を挙げろ。
あの…これは一体何事でしょう…。
(河島)お前誰だ?第二外科の星野といいます。
(河島)なんでここにいる?医局で仮眠取ってました。
でその…目が覚めたら誰もいなくてこういう事になってまして…。
あのこれは…?おい。
えっちょっとちょっと…。
ちょっとちょっとちょっと…!そそれあの…。
(岡本)どうする?
(河島)看護師のいる部屋にぶち込んどけ。
イテテテ…。
行け!はい。
はい…。
ちょっと待て!この病院確かスタッフの顔写真がホームページで見られたはずだ。
(松井)第二外科…。
星野…。
行け。
(村木)病院のデータベースにハッキングして顔写真すり替えろって本当にむちゃ言うんだからもう!でも大丈夫かな?糸村さん…。
(ドアの開く音)あっ…イテテテ…。
お邪魔します。
あなた誰ですか?星野先生じゃないですよね?あ…驚かしてすいません。
あの私月島中央署の糸村と申します。
(ため息)警察の方だったんですか。
シーッ。
あの…小さいお子さんが人質になってますよね。
病状は?正直あまりよくありません。
いつ発作が起きてもおかしくない状態で…。
警察はいつ私たちを助けに…。
あの正直言ってまだよくわかりません。
ですが皆さんを無事に保護するために今全力を尽くしてます。
あそうだ。
あの…つかぬ事をお伺いしますが嶋田夏美さんってご存じですか?ああオペ看の?実は今朝嶋田さんが月島でご遺体になって発見されました。
(2人)えっ?事故か何かですか?いえ…。
殺人です。
(ドアの開く音)妙なまねしたら命はねえぞ!待ってください!待ってください!待ってください!銀行が私のために10億なんて金払うとは思えない。
ああ?1千万…1千万だったら私がなんとかします。
だから私だけ逃がしてください。
人質だったら病気の子供だっているじゃないですか。
これは亡くなった嶋田さんのかばんの中に入っていたものなんですが見覚えありませんか?ちょっと見た事ないですね。
どうでしょう?これ子供が作ったもののように見えるんですよ。
嶋田さんはお子さんは?彼女は独身です。
子供もいません。
そもそも子供と関わるような人じゃありません。
陰の女帝って言われてるぐらいですから。
陰の女帝?
(洋子)外科が取り扱う医薬品の選定全て嶋田さんが取り仕切ってるんです。
植村さん。
でもそれっておかしくないですか?嶋田さんって看護師ですよね?普通そういう事って主治医の先生ですとか院長が決めるんじゃないんですか?嶋田さんが院長と不倫してるからだと思います。
不倫?
(洋子)院長はもともと優秀な外科医でした。
今は婿養子となって病院の後を継いでいますが嶋田さんは院長のオペ看をずっと担当していて恋人同士だった事もあるそうです。
つまり弱みを握られているかもしれない…。
みんなそう噂しています。
実際あの人製薬会社から毎月お金をもらっていたみたいだし。
おたくのとこ今月いくら払った?うちは5万。
うちは10万。
嶋田さんもきついよなぁ。
(聡子)実は人質になっている凛ちゃんは院長の娘さんなんです。
えっ?明日の手術のオペ看も嶋田さんが担当する事になっていて2人の関係を薄々気づいている奥様は最後まで抵抗していました。
そうなんですか…。
(松井)ふざけた事言うんじゃねえ!
(松井)ふざけた事言うんじゃねえ!
(河島)どうした?銀行が10億なんて金払うわけがねえってよ。
そんな事がうまく進むはずありません。
それにこんな事をしてとても逃げきれるとは…。
余計なお世話だ!
(町村)ああっ!ああー…!
(河島)お前何勝手に部屋から出てんだ!この人は当病院の患者です。
目の前でこんな乱暴されて放っておけません。
(伊藤)何が患者だよ。
ただの仮病だろうが!
(松井)銀行屋ってのはな危ねえと思ったらすぐに切り捨てて…。
こいつら性根が腐ってんだ!どうしてそんなにムキになるんですか?銀行に何か恨みでもあるんですか?関係ねえだろお前には!つまらない詮索しない方がいいですよ。
(銃撃音)うわっ!ヒット!昨日の朝一緒にサバイバルゲームをやっていた中野さんが突然消えてしまったんです。
絵美ちゃん携帯も通じないしメール打っても返信ないし私たちも心配で…。
(メール受信音)
(中野)ああ…ああ…!
(荒い息遣い)
(長尾)管理官。
中の警備員室にいる中野保ですが娘の絵美が昨日仲間とサバイバルゲームをやってる最中に失踪したそうです。
(金子)犯行一味に娘を誘拐され脅されてるという事か。
(荒い息遣い)
(携帯電話)
(携帯電話)もしもし?警視庁の金子といいます。
教えてもらえませんか?あなたたちはなぜこんなまねを?質問に答える義務はない。
用件はそれだけか?あなたたちと交渉させてほしい。
「人質の病気の子供や看護師を解放してほしい」
(河島)「ダメだ」
(金子)「そこにいる子供は心臓に難病を抱えてます」このままじゃ命を落とす危険があります。
俺たちの知った事じゃない。
子供が苦しむ姿を見て胸が痛みませんか?これ以上話しても無駄だ。
(通話を切る音)くそっ…。
(携帯電話)糸村君?あ実はですね犯人に捕まっちゃってまして…。
はあー!?何やってるのよ!!人質大丈夫なの?はいそれは。
であの…嶋田夏美さんについてちょっと気になる事があるんですけど…。
製薬会社からお金を強請り取ってた?わかった。
すぐに調べてみる。
課長それともう一つですね…。
管理官。
糸村君の話によると犯人は銀行に強い恨みを抱いているようです。
やはりな…。
それからリーダーの衣服から印刷所で使われるインクのにおいがするそうです。
爪もインクで黒く汚れていてそれから安全靴を履いているそうです。
おい!はい。
東西銀行が貸し剥がしを実行した中小企業の中に印刷会社がないか大至急調べてくれ。
それと倒産会社も全部洗い出せ。
はい!はい!それから…糸村君が犯人に捕まったようです。
何!?すいません。
あっ課長。
嶋田夏美さんの昨夜の足取りがわかりました。
もう一度さっきの話をお願いします。
(本田佳子)嶋田さん夜の7時には仕事終わってたはずなんですけど12時過ぎまで病院にいたんです。
そんな時間まで何してたんですか?それが院長室にこもってたようで…。
(嶋田夏美)お疲れさま。
課長ちょっと…。
嶋田さんと院長出来てたってもっぱらの噂です。
糸村君の言ったとおりね。
殺された嶋田さん病院に出入りしてた製薬会社から賄賂を受け取ってたそうよ。
…って事は金銭関係のトラブルの可能性がありますね。
該当する関係者当たってみて。
(2人)はい。
(荒い息遣い)おい子供の様子がおかしいぞ!お前外科医だったな。
あの子なんとかしろ。
あいえでもあの…私の担当はですね…。
お前心臓外科も担当してんだろ。
ホームページに書いてたぞ。
村木さん余計な事を…。
(荒い息遣い)お前外科医だったな。
あの子なんとかしろ。
あいえでもあの…私の担当はですね…。
お前心臓外科も担当してんだろ。
ホームページに書いてたぞ。
村木さん余計な事を…。
(岡本)何やってんだ早くしろ!先生!私たちも手伝います。
お願いします…。
はい!
(聡子)凛ちゃん!凛ちゃんしっかりね。
大丈夫だから。
失礼します。
あ…これはあれですね。
その…。
不整脈ですね。
そうですので…注射の用意をしましょう。
(聡子)リドカインですね。
それですお願いします。
(聡子)はい!植村さんニトロお願い。
はい!おい…。
あの…せめて凛ちゃんだけでも解放してもらえませ…。
無駄口叩くなと言ったろ。
はい。
なあ…この子1人ぐらいいいんじゃないのか?ダメだ。
このガキは保険だ。
小さい子供がいれば警察もうかつには踏み込めない。
(聡子)失礼します。
凛ちゃんもう大丈夫よ。
(聡子)ちょっとチクッとするからね。
(森川)あずさ…。
あなた!凛はどこだ?まだ病院の中なのか?中の状況は?警察はなんて言ってる?失礼します。
院長の森川さんですか?そうですがあなたは?わたくし月島中央署の水沢と申します。
あの凛はどうなってるんですか?いつ解放されるんですか?あの私…立てこもり事件の担当ではなくて…。
はあ?実はゆうべこちらの病院に勤めている嶋田夏美さんが殺害されて遺体が発見されました。
えっ?少しあちらでお話伺えますか?わかった。
お気遣いは結構です。
ここで話してください。
構いません。
どうぞ。
森川さんあなたゆうべ嶋田さんと院長室にいらっしゃいましたよね?ええ。
まあ…。
彼女と別れたのは何時頃ですか?
(森川)確か12時ぐらいだったと思う。
そのあとあなたは?そのまま病院に泊まりました。
嶋田さん最近何かトラブルのようなもの抱えてませんでしたか?例えば製薬会社と揉めているとか…。
さあ…。
そういう話は聞いた事ないな。
ちなみに彼女とはどんなお話をされたんですか?なんで悪い事もしてないのにそんな事まで話さなきゃいけないんだ!正直にお話ししたら?彼女と愛し合ってたって。
お前何を言い出すんだ!病院のスタッフだって知ってるわ。
あなたたちが出来てる事を。
彼女とはそんな関係じゃない!!大事な…大事な娘の手術目前に控えて何考えてるのよ!だから誤解だと言ってるだろ!あの2人とも落ち着いてください。
ちなみに奥様はゆうべどちらに?私を疑ってるんですか?一応参考までに。
ずっと家にいました。
アリバイを証明してくれる人は残念ながらいませんけど。
あの…今はそれどころじゃない。
娘の命がかかってるんだ。
管理官。
東西銀行の貸し剥がしで倒産した会社の中に印刷会社が3軒ありました。
そのうち連絡の取れない会社の代表が1人いました。
(村田)河島裕也45歳。
河島裕也…。
よしこの男の周辺を徹底的に洗うんだ。
(村田・長尾)はい!
(松井)おい!下の売店から持ってきた。
(伊藤)待ってました!おい食わない?いやいい。
(竹下)確かに外科で取り扱う薬品の選定は1年前から嶋田さんがとり行っているようです。
でも裏金を渡した事なんて一度もありませんよ?でもあなた方が彼女に金銭を要求されていたと多くの病院関係者が証言してるんですよ。
だからそれは…。
なんです?はっきり答えてください。
嶋田さんに要求されたのは病院への寄付金です。
(仙堂)寄付金?じゃあ彼女が個人的に金を受け取ってたわけじゃ…。
ただ…。
なんです?ああいう人ですからね…。
嶋田さんを恨んでる人はいると思いますよ。
ほう…。
例えば?
(仙堂)すいません!大野友之さんですね?
(大野友之)どちら様ですか?月島中央署の者です。
実は今朝愛聖総合病院の嶋田夏美さんが遺体で発見されまして…。
えっ?あなた1年ほど前嶋田さんに病院との取引を打ち切られたそうですね。
理由はなんです?何って…。
嶋田さんの寄付金の要求を断ったからですか?はあ?違いますよ。
えっじゃあなぜ?以前は愛聖病院にがっつり食い込んでたんでしょ?それが突然出入り禁止だなんて何かトラブルがあったとしか思えないんですけどね。
別にうちの取引先は愛聖だけじゃありませんから。
(遠山)ああ…ちょっと。
ちなみに昨夜はどちらに?夜の11時に自宅に戻りました。
それから一歩も外出てません。
もういいでしょう?
(山崎)おい君!金はまだ集まらんのかね?もう少しお待ちを。
今各支店から搬送しています。
これ顧客リストの一部なんですけど…。
該当3軒当たってくれ!はい!あの…。
すいません。
植村さんと嶋田さんってあんまり仲がよくなかったんですか?さっき植村さんちょっと感情的になってるように見えたものですから。
彼女本当はオペ看志望だったんです。
一生懸命勉強して練習して…。
医局の先生たちにも推薦してもらっていたんです。
でも結局嶋田さんに認めてもらえず門前払いされたんです。
相当悔しかったんでしょうね。
嶋田さんとはひと言も口を利かなくなってしまって…。
(町村)失敗した…。
(ドアの開く音)出ろ。
おい。
はっ!トイレだってよ。
(松井)あれ?岡本?岡本?岡本!おーい!どうした?岡本がいねえんだよ。
あっ…!
(河島)あのバカ何考えてんだ!捜すぞ!おう…。
待て!動くな!
(銃声)
(銃声)なんだ?今の銃声は!銃声です!たった今病院内で銃声が聞こえました!
(河島)岡本!お前が撃ったのか?いや違う…。
おい何やってんだお前!凛ちゃんは無事です。
(伊藤)拳銃がねえ!まさかお前ら…!いやそこは…。
なんだこれ?えっとここに来る途中で拾いました。
なめたまねしてんじゃねえよ!!くそっ…ねえよ!誰だ…誰が殺した!銃はどこだ!!くそっ!一体どうなってるんだよ?誰が岡本を殺したんだよ!河島まさかお前じゃねえだろうな?なんで俺が仲間を殺すんだ。
だから俺じゃねえよ!まさか警察?じゃあ俺たちも殺されるのかよ?こんな事になるなんて聞いてねえぞ!いいから落ち着け!とりあえず1人減った分分け前は増えるんだ。
それでいいだろ!ああ…。
植村さん。
ありがとう。
すいません。
失礼します。
あそうだ。
あの小児科にですね教室みたいな部屋があったんですけど…。
ああもしかして院内学級の事ですか?院内学級?入院中の子供たちが勉強出来るように作った教室です。
なるほど。
あのお二人に見て頂きたいものがあるんですけどその院内学級でですねこんな写真見つけたんです。
(洋子)あっ…。
うちで入院していた内藤健司君です。
内藤健司君?この鳥のブローチ健司君のだったんだ。
その健司君はもう退院したんですか?いえ健司君は1年前に亡くなりました。
亡くなった…。
うちで心臓のバイパス手術を受けていたんですけどその最中に容態が急変してしまって…。
不慮の死という事ですか…。
はい。
本当の理由はわかりません。
医療ミスの疑いだって…。
植村さん何言ってるの?だって手術中に死ぬような病状じゃなかったはずです。
ああの…ご家族は病院側の説明納得されてたんでしょうか?自分の子供が死んで納得出来る親なんていません。
すいません。
でもカルテを見る限り手術中になんの不手際もなかったと思います。
(リポーター)昨日の昼に発生した人質立てこもり事件。
犯行グループはいまだ東西銀行頭取町村貴史氏と…。
(リポーター)「病院関係者数名を人質に取り東西銀行に10億円の身代金を要求しています」「事件発生から既に18時間経過しており3時間ほど前には病院内で銃声も聞こえましたが中の様子は全く…」どうですか?
(聡子)動悸が激しくなっています。
(洋子)多分極度の精神的ストレスで病状が急激に悪化してるんだと思います。
(聡子)糸村さんとても危険な状態です。
すぐに安全な場所に移して処置しないと凛ちゃんの心臓が…。
鎮静剤じゃダメなんですか?リミットはもう超えてるんです。
このまま放っておいたらどうなるか…。
凛ちゃんの状態がどんどん悪化しています。
薬局部に薬を取りに行かせてください。
(松井)なぜ2人も行く必要がある?私の方が薬の保管場所に詳しいので。
(松井)一緒に行ってこい。
妙なまねしたらその場で撃て。
(伊藤)行け。
(ため息)
(伊藤)さっさとしろよ。
電話は?こっちです。
あ…繋がりません。
電話回線が切られてます。
ちょっと…。
(伊藤)おいまだか?急げ!糸村さん…。
(洋子の悲鳴)おいどうした?おい!
(伊藤)なんだよ…。
(伊藤)おいもう一人は?うわぁ…あっうぅ…!あっ…あっ…ああーっ!
(伊藤)うわぁ…くそっ!
(銃声)くっそー!糸村さん大丈夫ですか?大丈夫です。
ちょっとかすっただけですから。
でも出血の量が…早く止血しないと。
あっ…。
大丈夫ですか?ああ…はい痛いです。
ありがとうございます。
あの…植村さんはもうオペ看になるの諦めたんですか?嶋田さんにボロボロに叩かれましたから。
ストップ。
はぁ…。
これ以上やっても時間の無駄よ。
その程度の実力でよくオペ看になりたいなんて言えたわね。
顔洗って出直してらっしゃい。
あの人自分の聖域を汚されるのが嫌なんです。
それって本当に植村さんの事突き放したんでしょうか?え?そうに決まってます。
(足音)植村さん。
署長!?
(洋子)東さん!?ああっ…!痛い痛い痛い痛い。
腰腰…。
(東)事件が発生して慌てて逃げようと思ったらぎっくり腰になっちゃってさ…。
出入り口鍵かけられて出るに出れなかったんだよ。
それで病院内逃げ回っていたんですか?恥ずかしい。
でもおかげで携帯電話が手に入りました。
なあ糸村。
はい。
私がぎっくり腰で逃げ損なった事はみんなに内緒にしといてくれよ。
それはもちろん。
(携帯電話)署長?何こんな時にもう…。
はいもしもし。
糸村君!?凛ちゃんの容体が悪化してまして処置の仕方がわからないんです。
近くに詳しい人はいませんか?森川さん病院内にいるうちの刑事から電話です。
凛ちゃんの容体が悪化してるそうです。
もしもし森川です。
症状を伝えてくれ。
(洋子)「不整脈続いてます。
意識レベル低下」わかった。
だったらまずカテコラミンを3ガンマ投与。
10分経っても改善が見られなかったらさらに5ガンマ増量してくれ。
わかりました。
すぐに注射してみます。
よろしく頼む。
今は君たちだけが頼りだ。
凛を守ってくれ。
はい。
植村さんちょっといいですか。
薬取ってきます。
お願いします。
あっもしもしあの…そばにいるショートカットの女性に代わってもらえますか?もしもし糸村君。
あっ課長。
あの…一つお願いがあるんですが…。
内藤健司君?はい。
例の鳥のブローチを作った男の子です。
1年前に手術中に亡くなってるんですがその死因が医療ミスである可能性があるんです。
医療ミス!?はい。
「わかった」こっちでも調べてみるから。
「お願いします」
(仙堂)課長病院に出入りしている業者を当たってみたんですが彼らは嶋田夏美に病院への寄付金を要求されていたようです。
寄付金?ただ岡田製薬という会社だけは何かトラブルがあったようで愛聖病院との契約を一方的に1年前に打ち切られています。
1年前?何か気になる事でも?糸村君の話によるとちょうどその頃に内藤健司君っていう子が医療ミスで死んだ疑いがあるの。
えっ!?仙さん…。
もう一度岡田製薬を当たらせてください。
うん。
(携帯電話)どうした?何か動きがあったのか?森田さん一つ頼みたい事があります。
マエノール…。
凛ちゃんのお薬取ってきました。
急ぎましょう。
署長。
ん?ちょっとお願いがあるんですが…。
おう。
(河島)いたか?
(伊藤)いねえ!くそっ!
(松井)あいつらどこ行ったんだ!止まれー!お前ら!くっそー!一緒に逃げようって誘ったんですがどうしても凛ちゃんを放っておけないって言うんで一緒に戻ってきました。
注射の準備を。
はい。
待て。
そんな下手な言い訳が通用すると思ってるのか?お前本当は何者だ?正直に話すまでこいつは渡せない。
(高野)警察だ。
そいつは月島中央署の糸村って刑事だ。
そういう事だったんですか…。
おいよせ…冗談だろ?
(銃声)
(河島)タイムリミットは明日の12時だ。
それが出来なかった時はさっきの男と同じように残りの人質を順番に血祭りに上げる。
あれは警察を騙すためのトリックだったんですね?こいつ始末した方がいいんじゃないか?お願いします。
薬を返してください。
お前が下手なまねするからだよ。
恨むなら自分を恨め。
(内藤佳奈子)医療ミス?手術中になんらかのトラブルがあり死に至った可能性があります。
いや…そんな説明病院からは一言も…。
(赤ん坊の泣き声)
(佳奈子)はいはいはい…。
今何か月ですか?ちょうど7か月になります。
じゃあ健司君が亡くなった時は…。
ええまだこの子はおなかの中で…。
健司の死は確かにつらいものでしたけどこの子のためにも落ち込んでばかりいられないって自分に言い聞かせてきたんです。
よしよし…。
バァ〜。
(赤ん坊の笑い声)内藤さん嶋田夏美という女性をご存じですか?嶋田夏美?健司君の手術を担当した看護師です。
ああ…。
その女性が何か?一昨日の夜何者かに殺害され遺体で発見されました。
そうなんですか…。
あの…最近身の回りで変わった事はありませんか?ああ…そういえばあの人が突然家に来ました。
あの人?
(山崎)身代金の10億揃いました。
(服部)行きましょう。
大野さんにお聞きしたい事があります。
こっちはもう話す事なんかありませんよ。
内藤健司君。
(仙堂)失礼!1年前手術中に亡くなった子供です。
あなたその子がなんで亡くなったのかご存じですよね?いや別に私は…。
正直に話して頂けないならこの事を公表しますよ。
ちょ…ちょっと待ってください。
じゃあ話してください。
あなたに話してもらえないとなると上の人間に話を聞くしかありませんね。
内藤健司君が亡くなったのはマエノールが原因だと言われました。
マエノール?心筋の収縮を抑える薬です。
でも他のオペでも薬の異常性は報告されてません。
薬自体に問題はないはずなんです。
病院から締め出しを食らったのはその手術以降なんですよね?ええ。
薬のせいじゃなかった?ええ。
もっともその薬を採用したのは内藤健司君の主治医だった堀口浩一という外科部長だそうですが。
(遠山)恐らく内藤健司君が手術中に亡くなったのは執刀に当たった堀口の医療ミスだと思われます。
ただその事を隠すためにマエノールという薬に問題があったかのように岡田製薬との契約も打ち切ったんじゃないでしょうか?ご両親に説明をしたのはその人?いえ院長の森川と嶋田夏美が行ったそうです。
えっ?心よりお祈り申し上げます。
(遠山)森川院長は医療ミスを隠蔽しその後堀口一人に責任を押しつけ病院から追い出したそうです。
それ以降薬の選定は嶋田夏美が行うようになったと。
(仙堂)今回の殺人事件その堀口という医師の復讐かもしれません。
すぐに堀口を手配!
(2人)はい!
(河島)しばらくそこでおとなしくしてろ。
なぜですか?あなたたちには町村頭取という絶対的な切り札がある。
なのになぜそこまで凛ちゃんを追いつめる必要があるんですか?病気を抱えている凛ちゃんを人質にするメリットなんて何もないでしょう。
余計なお世話だ。
(チャイム)
(遠山)仙さん。
堀口勤め先の病院を1か月前に辞めたそうです。
理由は?酔っ払って家に帰る途中階段から転げ落ちて腕の腱を切ったそうです。
外科医としては致命傷だったみたいですね。
(仙堂)すいませんお願いします。
(仙堂)ふ〜ん…ふんふんふん…。
いやぁ生活も荒れてたようだな。
(遠山)愛聖をクビになったあと奥さんとも離婚したそうですよ。
まあ絵に描いたような転落人生ですね。
(遠山)仙さんこの写真見てください。
誰だ?この子。
(聡子)凛ちゃんしっかりして。
凛ちゃん。
大丈夫だからね。
(聡子)頑張って。
(伊藤)なああの子本当に大丈夫かよ?さっさと金持ってこいっていうんだよ!犯人に身代金を用意したと連絡してください。
お願いします。
(携帯電話)もしもし…。
東西銀行の山崎です。
10億準備出来ました。
(山崎)「今病院にいます」このあとどうすればいいですか?取引は12時だ。
もう2時間待て。
(携帯電話の不通音)もしもし…もしもし?どういうつもりだよ?金が届いたら俺たちの仕事終わりじゃねえのか!仕事はまだ終わっちゃいない。
どういう事だよ?これじゃ話が違う。
ガタガタ抜かすな!こっちだって人生かけてんだよ!
(物が倒れる音)管理官。
うちの事件の容疑者宅からこんな写真が見つかりました。
これは中野絵美じゃないか。
(仙堂)容疑者の名前は堀口浩一。
1年前までこの病院で外科部長を務めていました。
(遠山)恐らく立てこもり事件の共犯者です。
うちの事件の容疑者宅からこんな写真が見つかりました。
これは中野絵美じゃないか。
(仙堂)容疑者の名前は堀口浩一。
1年前までこの病院で外科部長を務めていました。
(遠山)恐らく立てこもり事件の共犯者です。
犯行の動機は?堀口は自らの医療ミスで手術中に患者を死なせてしまいました。
森川院長はその事故を隠蔽し全ての責任を堀口に押しつけて病院から追い出したんです。
堀口はそのあと階段から落ちて腕の腱を切り二度とメスが握れなくなったそうです。
つまりこの立てこもり事件は森川院長への復讐だというのか?もし堀口が中野絵美を人質に取り父親の警備主任を脅迫しているとしたらどこかに監禁して生かしてるはずだ。
(村田)管理官!河島が契約していた携帯の通話履歴を入手しました。
(長尾)この2週間の間頻繁に連絡を取り合っていた男が5人います。
そのうちの4人が東西銀行の貸し剥がしを受けて倒産した町工場の社長たちでした。
(村田)名前は松井雄一伊藤陽介岡本秀典高野照之。
高野って確か…。
見せしめに殺害されたジャーナリストです。
(金子)あれはやらせだったって事か?残りの1人は?堀口浩一という男です。
何!?
(村田)河島の銀行口座にはこの堀口という男から4千万の金が振り込まれていました。
そして河島の口座から今度は松井伊藤岡本高野のそれぞれの口座に800万ずつ振り込まれています。
管理官…。
この4人が所有する工場で人質が監禁出来そうな場所は?岡本のボルト工場だけが買い手がつかないまま東西銀行の管理下に入ってます。
よし大至急そこへ向かってくれ。
(刑事たち)はい!森川さん立てこもり事件の黒幕がわかりました。
(銃声)誰なんです?堀口浩一です。
えっ!?恐らく嶋田さんを殺害したのも堀口です。
なぜ…堀口先生がなぜそんな事を?森川さん全ては1年前の医療ミスが原因です。
あなたがそれを隠蔽したりしなければこんな事にはならなかったはずです。
お嬢さんの事は私たちが全力で救出させてもらいます。
その代わりこの事件が無事に解決したら森川さんもご自分の犯した罪をきちんと償ってください。
すいませーん…。
(せき払い)東西銀行の者ですがどなたかいらっしゃいますか?
(仙堂)ここうちが差し押さえている敷地なんですが勝手に入られちゃ困るんですけどね。
あっあなたたちそこで何してんですか?
(堀口浩一)そこを動くな。
じっとしてろ。
やだ撃たないで。
殺さない…で!
(堀口)おい待て!
(銃声)
(村田)堀口浩一!
(堀口)ああっ…!伏せろ!
(堀口)ああーっ離せ!離せ!警察です。
わかりますか?大丈夫ですか?
(絵美)いやあ…。
もう安心してくださいね。
(泣き声)
(仙堂)あの野郎また一人だけいい思いしやがって。
(携帯電話)もしもし…。
お父さん…。
絵美…無事なのか?うん…今刑事さんたちが助けてくれた。
ああ…。
ちょっと貸して。
もしもし中野さん…中野さん。
はい。
娘さんはもう大丈夫です。
病院の出入り口のロックを解除してください。
お願いします。
すいませーん!皆さーん!ちょっと集まってもらえませんか。
すいませーん!
(河島)なんだ?僕に3分だけ時間をもらえませんか?僕に3分だけ時間をもらえませんか?はぁ?皆さんの目的は本当に身代金を手に入れる事なんですか?何を言い出すかと思えば…。
そもそもあなた方のような素人が10億円なんて大金を要求する事自体妙なんですよ。
その上ネットを使って世間を騒がしてこうして人質に素顔までさらして…。
それで無事に逃げおおせるなんて誰がどう考えたって不可能なんですよ。
それにリーダーは皆さんに何か隠しごとがあるようですし…ね。
おいくだらねえ事言ってんじゃねえぞ!だったらなぜ用意された身代金をすぐに受け取らないんですか?それは…。
仲間の1人が凛ちゃんを連れて逃げた時もその慌てぶりは普通じゃありませんでしたね。
おい行くぞ!
(松井)おい!ここで納得のいく説明を聞かせてくれ。
あんた俺たちに何隠してんだ?
(高野)俺たちはただ病院に立てこもり金が届くまで籠城しろと言われただけだ。
それが終われば人質を解放し警察に投降するって話だったよな。
(河島)お前らこんな野郎に惑わされてどうすんだよ!逃げるんですか?もう言い逃れ出来ないんじゃないんですか?てめえ…!うっ!ああ…。
よかった…。
これで誰にも怪我をさせずに人質を救出出来ます。
何!?あっご苦労さまです。
(刑事)「犯人全員確保。
人質は全員無事です」よし!
(刑事たち)よっしゃー!
(ため息)僕はもうここで大丈夫です。
ご苦労さまでした。
糸村さん早く手当てしないと。
まだやらなきゃいけない事があるんです。
えっ?
(堀口)悪いのは全部院長だ。
あいつのせいで俺は何もかも失った。
(村田)それで借金まみれの河島たちに金を渡して病院に立てこもらしたのか?町村頭取の拉致と身代金の要求なんてなただのカムフラージュだよ。
もう少しで森川の大事な一人娘を殺す事が出来たんだ。
(長尾)愚痴はあとでゆっくり聞いてやるから。
(仙堂)おい!すいません…。
嶋田夏美殺しの件も忘れんなよ。
嶋田夏美?なんの事だ?嶋田夏美を殺害したのもあんただな?何をバカな…。
俺は彼女を殺してなんかいない。
何!?ほらっ!はぁ…署長…。
こんなものがあったぞ。
これ嶋田さんの手帳ですね。
ん…?堀口が嶋田さんの殺害を否定した?わかった。
とりあえず厳しく追及してみて。
犯人たち捕まったのか?お疲れさまです。
おかげさまで無事に全員救出されました。
犯人の中に羽住って男いなかったか?羽住?内藤健司君の実の父親だ。
どういう事ですか?健司君の両親は3年前に離婚してるんだ。
その離婚した実の父親の羽住が数日前思い詰めた顔で焼香に訪れたそうだ。
ああそういえばあの人が突然家に来ました。
(羽住)どけ!下がれ!
(洋子の悲鳴)やめなさい。
こんな事してもなんにもならないでしょ。
(羽住)もう少しであんたを絶望のふちに追い込んでやる事が出来たんだけどな…。
森川さん。
あ…あんた一体…。
1年前に亡くなった内藤健司君の実の父親羽住晴彦さんです。
よく調べたじゃないか。
その調子でこいつらの悪行も全部世間にさらしてくれよ。
1年前健司が手術を受ける直前だった。
俺はいてもたってもいられなくてあいつを見舞いに行ったんだ。
(羽住)これは石垣島のカンムリワシだ。
でこれが釧路のタンチョウヅル。
どうだすごいだろ。
(内藤健司)お父さん。
ん?もう写真撮るのやめてよ。
えっ…。
そしたらお母さんお父さんの事許してくれるかも。
健司でもお母さんにはもう新しい人が…。
僕のお父さんは1人しかいない!僕お父さんの写真なんて大っ嫌いだ。
(羽住)健司…。
手術頑張れよ。
(羽住の声)ショックだった。
小さい頃から健司はいつも俺の撮った写真を見たがっていたのに…。
(羽住の声)健司が亡くなったと聞いたのはそのすぐあとだった。
健司…。
(羽住の声)病院からは難治性の不整脈による血圧低下だと説明されたと聞いた。
健司…!健司…。
(羽住)でも俺は信じられなかった。
健司がそんなに簡単に死ぬなんて…。
(羽住の声)俺は警備員として病院に潜入した。
俺は真相を突き止めたかった。
そして岡田製薬という会社が出入りを禁じられ健司の主治医がクビになった事を知った。
そこで本当はオペ中の医療ミスによって命を落とした事を知ったんだ。
あっ…。
ああーっ!
(羽住の声)俺は堀口浩一の医師生命を奪ってやった。
だが本当に許せないのは隠蔽工作に加担した2人だ。
まずあの看護師を…。
次は森川…お前だ。
ああーっ!
(羽住)お前の娘を病院から拉致し俺と同じ地獄を味わわせてやろうと思った。
でも…思わぬ誤算が生じた。
(羽住の声)病院が占拠されこの子が人質として残った。
連中の1人がこの子を逃がそうとした時は始末するしかなかった。
あっ…!
(銃声)
(銃声)はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…。
(河島)まさか岡本が死ぬなんて計画じゃこんなはずじゃ…。
計画?お前たちは子供の命を危険にさらしたんだぞ。
金が届いたら子供を殺すように言われていました。
でもそんな事してただで済むわけがない。
だからあいつらには言えませんでした。
俺たちは東西銀行に全てを奪われたんです。
殺されたも同然だった。
待ってください。
今引き上げられたらうちはもう…。
お願いします!
(河島の声)報酬はたったの800万。
でもどうしても必要な金だった。
罪を犯してでも自分はどうなっても…。
どうなっても…。
それでも守ってやりたい大切なものはあったんですよ!あいつにだって…。
悪かった!私が医療ミスの隠蔽などしなかったらこんな事にはならなかったんだ。
これから全て公にし謝罪する。
どんな罪も受ける覚悟だ。
だから頼む。
娘だけは助けてくれ。
羽住さんその子にはなんの罪もないのよ。
それを言うなら俺の息子はどうなる?病気が治ると信じて手術を受けて殺されて…。
しかも本当の死因を隠蔽されて…。
その無念があんたたちにわかるか!健司はまだ9歳だったんだぞ。
夢も希望もまだまだたくさんあったんだ。
それをお前たちが全部踏み潰したんだ!羽住さん。
糸村君!?あの…これ見てもらえますか?その写真は健司君が手術をする少し前のものです。
嶋田さんが持っているブローチは健司君が院内学級の陶芸教室で作って彼女にあげたものです。
嶋田さんは健司君の手術の担当看護師だったんです。
院内学級を訪れていたのは健司君から手術への不安を取り除いてあげるためだったんだそうです。
(健司)はいあげる。
私に?うん。
うわぁありがとう。
これさぁよく出来てるね。
フフフ…。
手術が終わったらもっと色んな事したいんだ。
へえ〜。
例えばどんな?えーっとね…絵を描いたりとか手品とか。
すごいねぇ。
ちょっと…なんでも出来るんじゃない。
これも手品で作ったの?ちょうどその頃嶋田さんは院内学級が閉鎖されようとしている事を知った。
そうですね?森川さん。
はい。
私は病院の経費削減のため院内学級を閉鎖しようとしていました。
彼女はそれに反対した。
はい…。
院内学級は病気に負けない子供たちになるために必要なんです。
子供たちの希望なんですよ。
(森川)そこで彼女は出入りの製薬会社に寄付を募り密かに院内学級の運営を行っていました。
私の部屋に頻繁に訪れていたのはその報告のためです。
これは嶋田さんの手帳です。
最初のページにはこう書かれています。
「鳥のブローチをくれた健司くん…」「一生懸命病気と闘っていたのに手術も頑張るって言っていたのに本当にごめんなさい」
(ため息)罪滅ぼしの気持ちもあったんでしょう。
健司君が手術で亡くなったあと嶋田さんは院内学級を守ろうとしていたんです。
病気で不安を抱える子供たちに笑顔を取り戻させてあげたい。
そう願いながらこの1年運営費を募り色んなイベントを企画して実行していたんです。
(一同)「ジングルベルジングルベル鈴が鳴る」「今日は楽しいクリスマス」事件当日も手品の先生のところで熱心に話を聞いていたそうですよ。
だからなんだって言うんだ?あの女が隠蔽工作に加担した事実が消えるわけじゃない。
羽住さんこの写真…。
健司君が持っている方のブローチどうなったのか気になりませんか?何?健司君はなぜ鳥の形のブローチを作ったんでしょう?森川さん…。
どうしてそれを私に?まさか凛に…!?はい。
恐らくは凛ちゃんへのプレゼントだったんです。
嘘だ!
(あずさ)凛は空を飛ぶ鳥が大好きなんです。
凛ちゃんも健司君と一緒に院内学級に通っていました。
でも休みがちだったんです。
健司君はそんな凛ちゃんのために早く元気になってほしいという祈りを込めて凛ちゃんの大好きな鳥のブローチを作ったんでしょう。
(健司)お父さんの写真なんて大っ嫌いだ。
羽住さん健司君は誰よりも凛ちゃんに元気になってほしいと願っていたんです。
健司…健司…。
健司…。
凛…!その手紙写真の裏に書かれてるみたいですよ。
俺の写真だ…。
羽住さんはカメラマンだったんですよね。
健司君凛ちゃんを勇気づけるためにお父さんからもらった大事な写真も一緒にプレゼントしていたんですね。
(健司)凛ちゃん。
早く元気になってね。
うん。
ありがとう。
うん。
健司…健司…。
(嗚咽)お父さん僕にも写真の撮り方教えて。
え〜?お前出来るか?出来るよ〜。
よしじゃあ持って。
見えたか?見えた。
よし押せ。
(シャッター音)撮れたか?撮れた!また一緒に来ような。
うん!
(健司の声)僕のお父さんは1人しかいない!これでやっと一件落着ね。
はい。
長い2日間だった…。
(ため息)あ…あれ?どうしたの?糸村君。
いやなんか力入らないっていうか…。
何何…どうした…。
あっ…な…何これ!?ちょっとやだ…。
な…なんなんでしょうね?これ。
な…なんなんって…嘘!?暗くなって…。
マジで?やだ!ちょっと…ちょっちょっちょっ…。
誰か…誰か…誰か来てください!糸村君?糸村君!?やだもうちょっと…。
ちょっとしっかりしてよもう!糸村さん。
はい。
嶋田さんの言葉…。
あれって励ましの言葉だったんですかね?顔洗って出直してらっしゃい。
僕は最初からそうじゃないかなと思ってましたよ。
厳しさは愛情の裏返しである。
…って誰かが言ってました。
もうすぐ退院といってもまだまだ安静ですからね。
はい。
ああ…。
無理ですよ。
そうですね。
相当痛かったです。
でしょうね。
(遠山)仙さん仙さん…。
はい署長。
はいはい…。
森田さんお皿。
これちょっとやっとくかじゃあ。
いやいや…もうちょっと待ちましょうよ。
こんばんは。
遅い!糸村君。
すいません。
では僭越ですが私が乾杯の合図を…。
もう?じゃあみんなグラス持って。
糸村退院おめでとう。
ありがとうございます。
おめでとう!おめでとうございまーす!ちょっ…ちょい待ち。
署長は病み上がりなんですからこっちですよ。
これじゃあ気分でないだろうおい。
それにしてもあれだけの怪我しておきながらよく頑張りましたね。
遺留品の事がどうしても気になっちゃってね。
まあ糸村らしいと言えば糸村らしいよな。
やっぱりお前変わってるな。
森田さんほどじゃないですよ。
(一同の笑い声)2人とも!どっちもどっちよ!
(仙堂)あっそういえば署長も密かにご活躍なさったとか。
そうなんだよ。
この話してなかったよな。
聞きたいよな?俺さトイレにいたんだよ。
そうしたらいきなり館内放送っていうの?
(横山恵一)いやぁ2週間ぶりのご無沙汰です横山です。
研修どうだった?いやぁもう大変でしたよ。
大変なのこっちよ。
ねえ。
お前それなんだよ?糸村さんが入院したって聞いたんでこれフルーツ盛り!ちょっちょっちょっ…。
危ない。
退院してるんだよもう。
ああそうなんですか?わかったわかった。
じゃあ俺がな特製フルーツもんじゃ作るから。
署長それだけは勘弁してください。
(東)何言ってんだよ。
まだ食べてないんだからわからないだろそんな事は。
いやわかります。
2015/05/16(土) 12:00〜14:15
ABCテレビ1
ドラマスペシャル 遺留捜査[再][字]
遺留品が語る、三分の真実−−風変わりな刑事・糸村聡(上川隆也)が特別編で帰ってくる!“遺留品”からメッセージを読み取り、その想いを伝える!!
詳細情報
◇番組内容
糸村聡(上川隆也)は、ある殺人事件の遺留品“鳥のブローチ”の追跡中に病院立てこもり事件に遭遇!
糸村聡、史上最悪の2日間が始まる!
タイムリミットは24時間−糸村の運命は!?そして、遺留品に込められた真実とは!?
◇出演者
上川隆也、斉藤由貴、正名僕蔵、眞島秀和、波岡一喜、甲本雅裕、西村雅彦、三宅裕司
【ゲスト】
升毅、山下容莉枝、飯田基祐、山中聡、森カンナ、佐藤康恵、大高洋夫、清水章吾、小木茂光 ほか
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)
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