ドローンがアメリカ農業にもたらす未来、10万人の雇用創出も

国際無人機協会(Association of Unmanned Vehicle Systems International)は2025年までに、ドローン(無人航空機)の普及によって10万の新しい雇用が生まれるという予測を発表した。その雇用のほとんどは、農業市場にあるという。

ドローンがアメリカ農業にもたらす未来、10万人の雇用創出も

農業分野はアメリカにおいてビッグビジネスである。政府が2012年に発表した統計によると、現在の農業従事者は210万人であり、彼らが370万平方キロメートルの土地を耕していることが分かった。アメリカの国土のうち40%が農地であることから、アメリカでは農業の機械化が進んでおり、その生産力の高さがはよく知られている。

しかしながら、スカウティングと呼ばれる昔ながらの作業が果たす役割も未だ大きい。これは農地を自分自身で巡回しながら作物や土地の状態を観察し、記録するというものである。今後は、カメラのついたドローンを導入することによって、上空から農地や作物を撮影し、その様子を写真や動画として記録することができるようになる。結果として観察作業の効率が飛躍的に高まることは明らかである。

 障害物の回避能力、持続性の高い電池、多角カメラなど、ドローンに搭載されている技術は現在も進歩し続けている。なおドローンはすでに販売が開始されており、政府の許可が下りればすぐにでも農作業に使うことができる。ドローンの購入や維持にかかるコストもさほど大きなものではない。2007年の統計によると、農家が1年間のうちに使う生産経費の平均は一戸あたり年間11万ドルであるが、現在カメラ付きのドローンは1%以下の1000ドルで売られている。

また、観察をドローンに任せることができても、得られた情報を元に記録や分析を行われなければ生産力の上昇にはつながらない。記録システムの開発は始まったばかりであるが、すでにいくつかのアプリケーションが発表されている。

  • ScoutDoc
    農地や農産物の様子や、雑草、害虫、病気の蔓延状況を記録する。
  • Connected Farm
    田畑の境界線や灌漑施設の場所、スカウティングによって得られた情報などを画面上の地図に書き込むことができる。
  • eCropScout
    作業者が得られた情報を簡単に記録できる。
  • ID Weeds
    雑草の種類を判別することができる。ミズーリ大学開発。
  • ScoutPro
    雑草、昆虫、病気の種類を判別できる。大豆、とうもろこし、小麦用に開発されている。
  • AGRIplot™
    地図を作成したり、指定した範囲の土地の広さをはかることができる。
  • FarmLogs
    降水量など農地の状況を記録することができる。

※ 詳細レポート: The Economic Impact of Unmanned Aircraft Systems Integration in the United States

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