障害のある学生への大学などの具体的な対応事例を日本学生支援機構(JASSO)が初めてまとめ、ホームページで公開した。大学などに在籍する障害のある学生は年々増加。来春施行される障害者差別解消法では、大学に「合理的配慮」が求められ、JASSOの担当者は「誰もが不自由なく学べる環境のため、事例集を活用してほしい」としている。
2013年度に障害のある学生が在籍していた全国の大学、短大、高等専門学校計811校に対し、14年7月に調査を実施。416校から回答があり、学生と大学とのやりとりや、申し出に対応できなかった理由が分かりやすいケースなどを計188例集めた。
事例は障害種別に視覚障害(27例)、聴覚・言語障害(42例)、肢体不自由(38例)、病弱・虚弱(22例)、発達障害(35例)、精神障害(24例)の6つに分類。具体的な学校名は記載されないが、障害種別や学生数1万人以上といった規模別に事例検索が可能だ。
ADHD(注意欠如・多動性障害)と診断された発達障害の学生が入学した5千人以下の国立大学のケースでは、「授業の時間割を忘れる」との学生の申し出に対し、事務職員と在学生が協力。定期試験やリポート課題、休講などの情報を毎朝本人に伝え、必要な単位の取り方などもきめ細かく支援して卒業につながったという。
1万人以下の私立大での視覚障害の学生の場合、点字受験や文字を点字に訳した授業資料の提供などを希望。大学側は推薦入試を点字で実施し、先進的な取り組みをしている他校の事例を学ぶなどして準備を進めた。一方で、予算面から点字プリンターの購入が遅れたことや、非常勤教員への周知の難しさなどを報告した。
JASSOが全国の国公私立の全1185校に実施した調査によると、14年5月時点で大学などに在籍した障害のある学生は1万4127人で、05年の調査開始以来、過去最多となった。担当者は「同規模の学校がどう対応したかや課題を参考にしてほしい」と話す。
事例集が掲載されたホームページはhttp://www.jasso.go.jp/tokubetsu_shien/2014jirei_top.html
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