処刑された北朝鮮人民武力部長 記録映画に異例の連日登場

【ソウル聯合ニュース】北朝鮮の朝鮮中央テレビが14日、先月30日ごろ反逆罪で銃殺された玄永哲(ヒョン・ヨンチョル)人民武力部長(韓国の国防部長官に相当)が登場する記録映画を編集することなく、再放送した。

 同映画は金正恩(キム・ジョンウン)第1書記が2013年に乗馬クラブを視察した様子を記録したもの。北朝鮮はこれまで、粛清した人物については、各種の映像などから削除し、痕跡を消すのが通例だったが、玄氏の場合、今月5日から連日のように北朝鮮のメディアに登場している。

 同映画には金第書記のすぐ後に随行する軍服を来た玄氏の姿が何度も登場し、同じく、粛清されたとされる馬元春(マ・ウォンチュン)国防委員会設計局長と辺仁善(ビョン・インソン)軍総参謀部作戦局長も削除されることなく映っている。

 玄氏は今月5~11日に放送された別の記録映画にも登場し、12日には同局が放送した「死んでも革命信念を捨てるのをやめよう」という歌の背景にも登場した。 

 粛清されて10日以上過ぎてからも編集されることなくテレビ放送に映っているのは異例のことで、映像の編集により海外の報道機関が処刑の事実を確認し、報道することを警戒しているとの見方もある。

 また一部からは、玄氏が北朝鮮のメディアに登場し続けていることから、韓国の情報機関、国家情報院が報告した処刑の情報について疑問の声が出ている。

 国家情報院は玄氏の粛清について、北朝鮮が公式発表しておらず、記録映画から削除されていないことから、「断定していない」との立場を取っている。

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