遺書には「オレが死んだら、火葬せずに埋めてくれ。生きていて一番苦痛だったのは、やけどをした時と化学・生物・放射能兵器(訓練を)した時だった」「とてつもない痛みを伴い死ぬのが怖い」「死ねば火葬することになるが、それは毀損(きそん)・冒涜(ぼうとく)だと思う」など、意味不明の言葉が並び、最後は「すべての状況が嫌だ。先に逝ってすまない」と締めくくられていた。
軍当局はこの男について、現役兵だった時にB級関心兵士とされ、部隊内で重点管理の対象になっていたことを明らかにした。軍関係者は「男はB級関心兵士に分類されており、第5師団GOPで約20日間服務したが、途中で服務から外れた」「うつ病治療歴などがあったと聞いている」と語った。軍は部隊生活に適応できない兵士をA級(特別管理)、B級(重点管理)、C級(基本管理)などに区分している。
男は2013年9月除隊したが、その後は特に職に就いていなかった。父親は既に死んでおり、母親と2人でソウル市松坡区で暮らしていた。近所の人は「男は普段から叫び声を上げるなど、特異な行動を頻繁にしていたので『変な人』と言われていた」と話す。15年以上、隣に住んでいた男性(66)は「身長が180センチメートル近くあった。路上で上衣を脱いで裸になり歩き回るなど、奇妙な行動を頻繁にしていた」と証言した。11日午前に男を見た別の地元住民は「いつも焼酎の瓶を持って自転車に乗るほど酒好きで、11日も汚い言葉を言いながら家に入った」と言った。別の近所の人は「男の大声に悩んだ人が通報して警察が出動したこともある」と語った。
男は10代だった2006年からインターネットのゲーム・コミュニティーに参加して活動するなど、ゲームにはまっていたことも分かった。ソウル大学のクァク・グムジュ教授(心理学)は「遺書の内容や周囲の証言などから見ると、男は典型的な社会不適応者のようだ。自尊心がない状況で仮想と現実を混同し、不特定多数に対し銃撃するに至ったと見られる」と分析した。