韓国の情報機関・国家情報院は13日、北朝鮮・朝鮮労働党の金正恩(キム・ジョンウン)第1書記の叔母に当たる金敬姫(キム・ギョンヒ)氏の毒殺説について「根拠がない」と指摘した。国情院はこの日午前、非公開で開催された国会情報委員会で「現在、金敬姫氏に関する特別な兆候は見つかっていない」という趣旨の報告を行った。委員会の複数の出席者が明らかにした。
「金敬姫氏毒殺説」は金正恩氏が昨年5月に指示を出し、自らの叔母を殺害したというもの。今月11日に米国のCNN放送が北朝鮮の元政府高官だった脱北者の言葉として報じた。金敬姫氏は2013年12月、夫の張成沢(チャン・ソンテク)元国防副委員長が処刑されて以降、その行方が分からなくなっているため「死亡説」や「自殺説」などが何度も広まっていた。しかし国情院は情報委員会で「今年1月に平壌市内の病院で金敬姫氏が治療を受けているとの情報があった。そのため昨年5月に毒殺されたという説は根拠が非常に弱く、一方的な話と考えられる」と報告したという。
また今月8日に北朝鮮が潜水艦から弾道ミサイルの発射に成功した写真を公表したことについて、写真の捏造(ねつぞう)説、あるいは周辺のバージ船から発射された説などさまざまな見方があるが、国情院は「捏造や演出などではない」と報告したという。委員会に出席したある議員は「国情院が把握した情報によると、潜水艦からミサイルが発射されたのは確かなようだ」「周辺にバージ船があったことも事実だが、国情院によると、これは潜水艦の修理を行うためのもので、ミサイルの発射とは直接関係がないらしい」とコメントした。
また別の議員は「ただしこのミサイルがどれくらいの高度に到達したかは測定されていない。今回の発射試験は潜水艦から本当にミサイルが発射された事実を示すことに重点が置かれていたようだ」「ミサイルが水面上に姿を見せるとすぐ斜めに飛んだことが分かるのも、高度よりも発射の事実を示すことに重点が置かれたからだ」と述べた。