軍幹部数百人集め銃殺、金正恩氏の恐怖政治

■残酷化する処刑方法

 金正恩氏の政権掌握以降、処刑方法は次第に残酷化している。2012年3月に北朝鮮当局は金正日(キム・ジョンイル)総書記の服喪期間に飲酒したキム・チョル人民武力部副部長を迫撃砲で処刑したとされる。13年末には、張成沢氏とその側近が高射砲などで処刑された後、火炎放射器で焼かれたとの見方もある。

 北朝鮮に詳しい消息筋は「反逆者を埋める場所はない。髪の毛1本も痕跡を残すな」という金正恩氏の指針に従ったものだと指摘する。情報当局が入手した昨年の北朝鮮の内部文書にも「派閥勢力一味を火の手で焼き払い、戦車で踏みつぶし、痕跡をなくすことが軍隊と人民の要求だ」と書かれている。一部の収容所ではおので収容者を連続して処刑したといううわさもある。

 消息筋によれば、処刑場面を見た北朝鮮の幹部と住民の間では「友よ、せめて靴だけでも残りたい」「高射砲の前に立たないためには賢くしろ」といった言葉が流行しているという。また、「次の処刑にはミサイルが登場するのではないか」「金正恩に自信をもって意見を進言するには命を差し出さなければならない」といったジョーク混じりの会話も聞かれるという。軍、政府、党の幹部の間に恐怖感が広がり、顔色をうかがったり、おじけづいて鳴りを潜めたりする様子が目立っているとされる。

■玄氏、記録映像から削除はされず

 国家情報院は玄氏の処刑情報の入手ルートは明かせないが、複数のルートで入手したもので、事実である可能性は高いと説明した。ただ、「まだ記録映像に玄氏の姿が残っている上、北朝鮮当局が発表しないため、確実ではない」と付け加えた。情報当局幹部は「北朝鮮当局が金正恩体制に問題が生じていることを隠すため、玄氏の処刑を秘密にしている可能性がある。記録から痕跡を消すにはやや時間がかかるのではないか」と指摘した。

ペ・ソンギュ記者
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