北朝鮮軍部で序列第2位の玄永哲(ヒョン・ヨンチョル)人民武力相(66)が処刑された理由の一つは、会議時に居眠りしていたことだ。朝鮮労働党機関紙「労働新聞」は、先月25日に平壌で開かれた第5回訓練労働者大会で金正恩(キム・ジョンウン)第1書記が演説中、玄永哲氏が目を閉じてウトウトしている写真を翌26日付で掲載した。その後、30日の金第1書記と同大会出席者の記念撮影を伝える5月1日付の労働新聞には玄永哲氏の姿がなかった。
韓国国家情報院関係者は「金第1書記は会議中に居眠りすることに対し非常に敏感に反応し、処罰する」「金第1書記が演説しているのに(玄永哲氏が)目を伏せたために誤解されたのかもしれないが、居眠りは容赦できなかったのだろう」と言った。金第1書記は高官らに会議中に居眠りしないよう何度か指示していたという。金第1書記に警告されたのにもかかわらず、チェ・ギョンソン特殊軍団長(第11軍団長)は居眠りしたとして上将から小将(星3つから1つ)に降格され、金英哲(キム・ヨンチョル)偵察総局長も同じ理由で大将から上将に降格されたことが分かった。
これは、高官だとしても最高権力者である自分をバカにし、不遜(ふそん)な態度を見せれば容赦なく処刑される可能性があるという恐怖心を植え付けるためと見られる。金第1書記の叔父・張成沢(チャン・ソンテク)朝鮮労働党行政部長も金第1書記が原稿を読み上げている最中にきちんと正面を向かずに座り、別の所を見たり上の空で拍手をしたりしていたなどの理由で処刑された。韓国の国策研究所関係者は「金第1書記は王子として生まれ、権力欲や自尊心が誰よりも強い」「誰かが意見したり良くない態度を取ったりしたら、年下の自分をバカにしたものと受け止めて粛清する」と語った。