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 来年1月の台湾総統選に向け、与党・国民党の公認候補選びが混迷している。国民党は16日、公認候補を決める予備選立候補の事前手続きを締め切ったが、朱立倫(チューリールン)主席ら有力者は手続きしなかった。予備選で候補者を決められず、党側が指名する可能性も出ている。

 党内で「勝てる候補」として立候補への期待が強かった朱氏は締め切り後、「昨年6月に新北市長選、12月に国民党主席選への立候補を表明した際、総統選には出ないと言ってきた」と党本部で語り、立候補見送りの考えが揺るがなかったことを強調した。朱氏は党の団結を優先させる考えを繰り返し訴え、党の公認候補が総統選で敗れれば主席を退くとも語った。

 馬英九(マーインチウ)政権への不満から学生らが立法院(国会)を占拠した昨年3月の「ひまわり学生運動」を機に、国民党はまれに見る大逆風に見舞われている。昨年11月の統一地方選では惨敗。早くから次世代指導者として期待された朱氏は直轄市で唯一市長ポストを守ったが、市長を辞めて総統選で敗れ、党主席まで辞任すれば政治的立場を全て失う可能性があった。