東芝不適切会計:社の「高水準のコスト削減要求」が背景に
毎日新聞 2015年05月16日 21時10分(最終更新 05月16日 23時07分)
一方、同社の情報公開の姿勢にも「不適切」との批判が出ている。今回の問題発覚のきっかけは、証券取引等監視委員会への内部通報だった模様で、これを受けた東芝は4月3日、会長をトップとする調査委員会を設置し、5月8日には決算発表の延期や期末配当の見送りなどを発表した。しかし、いずれも資料配布だけで「詳細は調査中」などと具体的な説明をしなかった。500億円強の利益かさ上げを発表したのは13日午後11時45分ごろという異例の時間帯で、株主や関係者が納得できる説明になっているとは言い難い。
社内の調査委設置から1カ月以上経過してようやく田中社長が記者会見したものの、第三者委が今後調査していくことを理由に、「答えを控えたい」「この場での回答は避けたい」などを連発。東芝の業績に対する不信感は株式市場でも広がり、3月末に500円超だった株価は、最近までに100円近く下落した。【片平知宏、岡大介】