記事詳細
ピースおおさか、まだ“自虐”? 「南京事件」ナレーション案に橋下氏「ノー」
橋下氏も知事だった23(2011)年に展示内容を問題視。橋下氏の強い意向で24年に全面リニューアルが決まった。展示の方向性を決める定款の項目を従来の「戦争と平和に関する資料の展示」から「大阪空襲を中心に大阪の人々の戦争体験に関する資料の展示」に変え、今年9月から改装工事のため休館した。
ただ、来館者の約7割が課外授業で訪れる小中学生であるため、財団は「空襲にいたるまでの戦争の背景説明は必要」と判断。その一環で南京事件の映像展示を行うことを決めた。
ナレーション原案は当初、「日本軍による南京事件、重慶爆撃では多数の市民が犠牲となった」という抑制的な内容だった。橋下氏も了承したが、その後に原案が報道の内容に変更されたと知って認識を改め、「財団の定款から逸脱している」と表情をこわばらせたのだ。
府市・財団は「特定教科書の表記に従った」
「これでダメと言われると非常に難しい」。財団や府、市の担当者は橋下氏の反応に口をそろえる。デリケートな分野を扱うため、府市と財団では展示内容について「府内の中学校で広く使われている教科書に準拠する」と決めていたからだ。報道された原案変更版も、東京書籍と日本文教出版の教科書に沿った表現内容だという。