【ソウル聯合ニュース】北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)第1書記の叔母で死亡や粛清の可能性が取り沙汰されていた金慶喜(キム・ギョンヒ)氏は、現在も生存しているとみられることが13日、分かった。
韓国政府の高官は同日、慶喜氏の現状について、あらゆるポストから退いており、極度に健康が悪化する中で晩年を過ごしているようだと伝えた。アルコール依存症に伴う認知症に加え、2013年末に夫の張成沢(チャン・ソンテク)元国防副委員長が処刑されたことによる精神的ショックで、心身共に疲弊した状態だという。
同高官は「通常の生活さえ難しい慶喜氏を(金第1書記が)あえて毒殺する理由はない」と述べ、毒殺されたとの見方を否定した。
韓国情報機関の国家情報院もこの日、非公開の国会情報委員会で、慶喜氏が1月に平壌で治療を受けたという情報があるとし、米CNNテレビが報じた昨年5月の毒殺説は根拠がないと説明した。
CNNは11日、脱北者の話として、金第1書記が昨年5月初めに慶喜氏を毒殺するよう指示したと報じた。
故金正日(キム・ジョンイル)総書記の妹である慶喜氏は金正恩体制の発足後、朝鮮労働党政治局委員に選出されるとともに朝鮮人民軍大将の称号を与えられ、金第1書記の後見人として活躍していた。
だが、張成沢氏の処刑直後から公の場に姿を現さなくなり、さらに最高人民会議(国会に相当)の代議員や労働党書記など全ての役職から退いた。