韓国の初等学校(日本の小学校に相当)で使われている教育用図書は、男女の性による役割の違いを非常に偏った形で描写していることが分かった。
成均館大学児童青少年学科のヒョン・ウンジャ教授の研究チームが先日発表した論文『初等教育1・2学年の国語教科書に収録された絵本に見る性的役割の分析』によると、絵本に登場する人物は男性が123人、女性が111人で、男女間でさほど差はなかった。ところが絵本に成人が登場する回数を見ると男性は45回で、そのうち統計庁の「韓国標準職業分類」に記載された職業に就いているとして描写されたケースは28回(62.2%)だった。一方の成人女性は54回登場したが、そのうち特定の職業があるケースはわずか15回(27.8%)だった。職業の種類も男性は医師、軍人、研究者、農夫、料理人、王など20種類あったが、女性は看護師、保育士、宮仕えなどわずか6種類だった。
研究チームのあるメンバーは「管理職や軍人は男性しかなく、単純作業を行う職業は女性の方が多かった」と指摘する。とりわけ成人女性は職業が分からない描写が39回登場し、うち22回は家で家事や育児を行う専業主婦となっていた。