【記者手帳】男性向けより一回り小さい女性向け勲章

 「科学の日」だった先月21日、京畿道の国立果川科学館。未来創造科学部(省に相当)が金明子(キム・ミョンジャ)韓国女性科学技術支援センター理事長=元環境部(省に相当、以下同じ)長官=、ヤン・ドンヨル韓国科学技術院教授、キム・ウォンベ東亜ST代表取締役(副会長)の3人に科学技術勲章1等級「創造章」を授与する式典が行われた。創造章は同分野で最高栄誉の勲章で、女性受賞者は金理事長だけだった。金理事長は洛東江水管理総合対策をはじめとする栄山江・錦江の3大河川保存に関する特別法制定を推進、首都圏の大気改善特別対策を整備するなど、国の環境技術保存分野政策を支援した功労が認められた。

 ところが、この授賞式で金理事長の勲章を見た出席者たちはどよめいた。

 「主催者側の手違いで1等級ではなく2等級の勲章を授与したのではないのか?」「なぜ金理事長の勲章だけ小さいんだ?」

 創造章を受け取った3人のうち、金理事長の勲章だけが目に見えて小さかったのだ。また、青い大綬(たすき状の布)の幅も明らかに狭かった。

 だが、これは主催者側のミスではなかった。勲章の制式と規格は賞勲法施行令第13条で規定されているが、勲章の大きさや重さで男女を区別しているのだ。女性の勲章は男性よりも小さくて軽く、大綬も短くて幅が狭い。

 これについて、行政自治部の賞勲担当関係者は「賞勲法は1967年に制定されたが、当時は女性の方が男性よりも体格がはるかに小さかったため、規格に違いがあったと思われる。今年初めから叙勲法令全般の改正を検討しているところだ」と述べた。

 しかし、この授賞式に出席したした女性科学者は「最初は勲章を取り違えたとばかり思っていたが、法律でそうなっているなんて本当にあきれた。いったい今を何時代だと思っているのか。いまだに男女の体格差で勲章を差別する法律が適用されるなんて理解に苦しむ。それに半世紀前の法律がそのままなのに何の問題意識も感じていない韓国社会にも驚いた」と語った。

 女性大統領まで生み出した韓国だが、「女性は男性よりも体格が小さく勲章も小さい」という半世紀前の論理がまだ通用している。この矛盾をどう説明すればいいのだろうか。朴槿恵(パク・クンヘ)大統領はこれについてどう思っているのか気になる。

政治部=アン・ジュンホ記者
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