北のSLBM、韓国軍はどう対応すべきか

北のSLBMを防ぐ「水中キルチェーン」を推進

 韓国軍当局は、北朝鮮の潜水艦が潜航してしまったら探知が困難なため、基地に停泊している時や出港直後に撃破するのが最も効果的な方法とみている。潜水艦が基地に停泊している時は、地上や韓国軍の艦艇・潜水艦から玄武3・天竜2・天竜3などの巡航ミサイルで撃破したり、F15Kなどの戦闘機から長距離空対地ミサイルで攻撃したりすることができる。

 潜水艦が出港した直後は、韓国軍の214型潜水艦や米第7艦隊の原子力潜水艦が北朝鮮の潜水艦狩りを受け持つことになる。また北朝鮮の潜水艦が東海(日本海)や南海に移動した場合は、韓国海軍のP3C海上哨戒機(16機)やリンクス・ヘリ、韓米のイージス艦などが追跡・探知を行い、紅サメ・青サメ魚雷などで攻撃する。

 北朝鮮の潜水艦がSLBMを発射した場合は、イージス艦のレーダー(最大探知距離1000キロ)や地上の「グリーンパイン」レーダー(最大探知距離750キロ)で探知する。韓国軍当局では、グリーンパイン・レーダー1基を追加配備し、後方地域を監視できるようにする案を検討している。探知後の迎撃は、米海軍イージス艦のSM3ミサイルが受け持つことになる。

 しかし、「水中キルチェーン」計画だけで北朝鮮のSLBMの脅威に完全に対応するのは、現実的には不可能という指摘もある。潜水艦は隠密裏に出港するため先制攻撃が難しく、北朝鮮の基地の沖合で味方の潜水艦が長期間待ち伏せをするのも容易ではない。韓国軍の関係者は「東海は水深があるため、水中で北朝鮮の潜水艦を探知・攻撃するのは困難。SLBMを迎撃する米軍のイージス艦も、東海に常時配置できるだろうか」と語った。

 韓国軍当局は「水中キルチェーン」計画と共に、北朝鮮の核・ミサイルの脅威に対応する「4D作戦概念」に基づいて探知能力や防御能力、対潜作戦能力を補完する案も検討している。4D作戦概念とは、2013年にスカパロッティ在韓米軍司令官が講演で明らかにした概念で、「防御(Defence)・探知(Detect)・かく乱(Disrupt)・破壊(Destroy)」のプロセスを包括する。

ユ・ヨンウォン記者 , 梁昇植(ヤン・スンシク)記者
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