噴進式日誌
2座の古めのクルマ、ロケット機、航空機などのスケールモデルが主な話題です。(噴進式=ロケットのコト)※TBは要承認です
 



目の前に1/72のフラゴンがあるというだけで、もう感動なわけで。
VES/GlanのSu-15TMがようやく完成しました。



あえて「素組」といいきってしまいましょう。
ちょっこっと機首をのばしたり、後部胴体の取付角を変えたりはしていますが、それはあくまで個人的なイメージを込めたにすぎません。そのままでも十分にフラゴンなキットです。
ほぼキットのパーツだけを使って、特別なディテールアップはしていません。自作のパーツはコクピットに入れ込んだ小物と、湯が回ってなくて溶けた風の脚カバー
の一部、下面の細かなアンテナ、それくらい。
確かに難物キットです。長い胴体は主要な部分だけでも8分割されちゃってますし、表面はびっしりとリベットが打たれているのはいいんですが、原型でメクレが処理されていない上に質の悪い型のおかげておろし金状態だし、主車輪なんかヒケまくって赤血球状態。
世間的には─いやな言い方ですが─「糞キット」などと揶揄されてしまうに十分な内容なんでしょうが、私は決してそうは思いません。作っていてとにかく楽しめましたし、形状や「らしさ」の再現性が非常に優れた内容で、これが糞であるはずがない。
いわせてもらえれば、デカール替えキットを恥ずかしげもなく「新製品」としてリリースしたり、新しい金型は相も変らぬチャレンジなしの、「超」がつく有名機ばっかりという、どっかのメーカーの方がよっぽどつまんねえ「糞」キットですよ。
あーいっちゃった いっちゃった
すみません

パーツをひとつひとつ処理していったとき明らかになる丁寧な造形にはちょっと驚かされます。特に外翼前縁のコニカルキャンバや、後部胴体(特に下面)のラインなどは惚れ惚れする出来で、当機の雰囲気を十分すぎるほど再現してくれてます。キャノピーの「スホーイっぽさ」は、全スケール通じて、かつSu-7〜15含めて、ピカイチじゃないかな。



製作中にあれこれ検索をかけると、トランペッターの1/48の完成品などもあり、確かに綺麗そうなキットですけれど、このキットに比べたらいまひとつぱっとしない、おざなりな仕事に見えちゃうくらいです。

こういうのって、企画した人が実機はもちろん、ひいてはソ連機・飛行機全般に深い造詣がないとできないことだと思います。理解や知識の無い人たちが、写真と図面だけみて作っていたら、こうはいかない。
もしトランペッターのキットがホントにさえないんだとしたら、多分その辺のことなんじゃないかと思います。

組み上げでは隙間や段差が出まくりました。私はパテが嫌いで、代わりに瞬間接着剤(どこでも手に入る「アロンアルファ」のアンプルです)を愛用してるんですが、きっちり一本使い果たしました。でも細かなパーツは、意外なほどぴたっと合うんですよね。

デカールはソ連空軍(迷彩1種、ベアメタル2種)と、ウクライナ空軍が一種はいってます。発色は決してよいとはいえませんが、ちゃんと使えます。
とはいえ例の大韓機を吹っ飛ばした赤の17は、東洋人としてはちょっと使う気になれませんでしたから、もう一方の赤の08を使用。これってパイオニア2のキットにも入ってましたね。ソ連機には珍しく機首に部隊エンブレムをくっつけてます。
ソフターは、海外ものの場合よくあることですが、クレオスはあんまりちゃんと効いてくれませんでした。マイクロスケールのがおすすめです。
それから、説明図中、パーツB-9(前脚の方向制御アクチュエータ)の取り付け位置は、前後が逆だと思われます。参考まで。



実機のSu-15TM=NATOコード「フラゴンF」はD型の発展型で、TMは搭載されたレーダー「タイフン-m」の略。中間種としてE型が存在しましたが、搭載された初期モデル「タイフン」レーダーの不調で20機ほどの生産にとどまり、すぐにFにスイッチしています。
改修モデルであるタイフン-mは、Dに搭載された「オリョール」レーダーに比べ、索敵半径が2倍という強力なアクティブレーダーで、その大出力ゆえ円錐型のレドームの内部反射波をひろってしまい、うまくない。理想的には半円型のレドームにしたかったらしいですが、超音速機としてはそういうわけにもいかず、折衷案としてこういう紡錘型のレドームになったということです。
この機体に課されたタスクがなんだったのか、如実にわかるエピソードです。

D型以降、主翼は複合三角翼になっています。これってコニカルキャンバとセットで低速時の翼端失速を防止する策だと思うんですけど、そう考えると中央の境界層板はいらないんじゃないかと。こっちは風圧差に起因する境界層の移動を制限することで翼端失速を防止する装置ですから、結局、機能が重複しているんですね。じゃあなんで境界層板が付いているのかというとそれは「ソ連機だから」(笑)なんだろな。やっぱり。

機首周辺の防眩塗装や注意書きのレギュレーションは写真によってまちまちで、かなりの数のサブタイプがあるようです。その辺は総合的に考えて「なんとなくこんな感じ」というあたりで手を打ってます。

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帰宅後、割と浅い時間にとろとろうたたね寝をしてしまいまして。
結局眠れなくなっちゃって、こんな時間に起き出してブログ更新です。
明日寝過ごさないように気をつけないといかんなあ。

イジェクションシートなど、コクピットの詰め物を整理。

前にある小さな箱状のものは、ちょうどダッシュボード部分に当たる部分の電子機器の筐体です。この手のものがむき出しで配置されているので、正確ではないですが、なんとなくそれらしく作ってみました。中央がレーダースコープの本体になります。

で、コクピットに入れてみました。

コクピット内の深い部分にあるサイドコンソールなどは特に手もいれてなく、お粗末な限りなので、今回作った浅い部分におさまるブツの方に視線を誘導しようという魂胆です。ちょっと明るめのグレーをベースに、ハイライトを加えてます。


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いつまでも腹ばいにさせとくのもアレなので、とりあえず立たせちゃえ、と脚を組み立てました。
ついでにおなかの増槽やアンテナ類、尾翼とフラップもつけました。



あとはコクピットと兵装を残すのみですね。



インテイク肩の部分の防眩塗装を塗り忘れていたので、急遽追加で塗装しました。というか、どういうわけかこの部分の防眩塗装は、「ノーズコーンが円錐のD型以前のもの」という思い込みがずーっとありまして。でもやっぱりF型(TM)にもちゃんとあるわけです。

普通の黒では生っぽい感じがしたので、ダークシーグレー+ガイアのフラットブラックで黒っぽいグレーを作り、塗っています。

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中間を吹っ飛ばして、いきなりここまで来てます。
機体の塗装をほぼ終え、デカールを進行中。
ベアメタルの場合、外板のトーンの差を作ってやると実感が増すわけですが、前回同等、外板の塗りわけよりも、点検パネルにトーンの差をつけて、変化をつけています。外板の塗り分けは主翼と動翼、インテイク周りにちょこっと入れてます。
ベースの銀を塗り終えた後に、ガイアのスターブライトシルバーを主剤にして作ったやや暗いシルバーを該当する部分にブワーッと吹き、染まったパネルをマスキングをして、さらにベースの銀を吹いています。印刷などでいう「フセ」ってやつですね。
そのままではベースシルバーとのトーン差がよそよそしいので、マスキングをはがした後、さらに薄く溶いたベースシルバーを吹いてトーンを調整しています。それを見越して、パネルのシルバーはやや暗めに調合しています。
ソ連機の特徴でもある無数に設けられた点検パネルを強調すると、いかにもソ連機らしいですし、遠めには、メタリックなまだら模様がちょっとアヤシイ雰囲気で、この方法、気に入っています。


先日、残り少なくなったクレオスのシルバーを仕入れに出かけましたら、同じくクレオスのカラーで「#135 ロシアングリーン(1)」というのがあるのを発見しました。ハンブロールの#80あたりに近い、彩度の高いモスグリーンです。大戦前期のソ連戦車用ということですが、個人的にはKV-IIなんかはこの色のイメージが強いですね。(2)もあるんでしょうか。
ソ連機体の内外に必ず使われているグリーンもまた、このロシアングリーンに近い色調なので、これは使えそうと思い、一本購入してきました。
そのままではちょっと明るすぎる印象なので、米軍迷彩グリーン(#302)を3〜4割くらい混ぜてみましたら、かなり自分のイメージに近い色調になりました。
グリーンは数ある色の中でもコントロールが難しい色のひとつで、このソ連機グリーンもイメージどおりに出すのが結構難しかったんですが、これがあればあまり悩まずにすみそうです。

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すっかり忘れていた脚柱の取り付け対策。
キットの脚柱付根は、実機の構造を正確に再現していて、主脚などは三方転びになった回転軸がちゃんと再現されているのはいいんですが、模型としての取り付け方法がまったく考慮されていません。いずれにしろ機体の全加重がかかるところなので、しっかり強度を出したいところ。
主脚は主翼を貫通する形でパイルを立て、同径の穴を開けた脚柱を差し込むようにし、前脚は脚柱側に横にパイルを出し、収容口の壁に差し込むようにしました。

機首につくピトーも整えました。
たいていこういうのは作り替え、てなことになることが多いですが、バリとパーティングラインを丁寧に取り除いていくと、丁寧な造形のピトーが現れて、作り替える必要はまったく感じません。むしろこれを使わずにどうするって感じの、いいパーツです。
パイロン類は、同じ種類でも左右で厚みがばらんばらんだったりするのがご愛嬌。ただしミサイルや増槽などのお荷物を吊るしてしまえば厚みは気にならなくなると思うので、スルー進行でゴザイマス。

いい気になって塗装も開始。

基本は前回同様、ガイアのクリアをたっぷり混ぜた銀です。
とはいえ同じことをリピートできない性分なもので、前回のクレオス8番ではなく、ガイアの「ブライトシルバー」を使ってみました。
最初だけ。

というのも、このガイアのシルバー、ちょっと粒子が大味な感じがしたんです。
グレーバリューとしては、クレオスと大差ない感じなんですが、粒子の違いか、もしくはアルミの番手が違うのか、白っぽいというか粉っぽい感じがします。
環境光のせいもあるかと思いますが、光を反射するハイライト部分はすぱっと白くなり、シャドウはドスンと青黒くなり、中間の映り込みが乏しい感じがしました。要は深みがないというか。マットな感じというか。面の折れ目にスーッと走るダークグレーの筋、あれが出てないというか。
マットなシルバーのよさというのもあるかと思いますが、少なくとも (あくまで模型的に、ですけど)ベアメタルと言い張るのはちょっと厳しい。〜60年代のドープとしてなら、それらしい感じはします。
というわけで、乾燥させて研磨スポンジでざっとならした後は、そそくさとクレオス8番にスイッチ。粒子の細かさ、反射の豊かさなどの点でいえば、ベーシックな銀としてはやはりこっちかもしれません。
写真はちょっとフラットになっちゃいましたが、クレオスを一回吹いた直後です。

ガイアのシルバーがダメというわけではありません。個人的な好みもありますし、これはこれで一定の質感があります。まあその辺は人それぞれ、好みのマテリアルをチョイスすればいいというだけの話。
マットなイメージのあるガイアのシルバーも実験かたがた、パネルの塗りわけ用に再度登場願おうと思っています。その辺はいずれまた。



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ちょっと前にヤフオクで落札した本が届きました。
ドイツ兵器好きの皆様ご用達"Waffen Arsenal"の、Special Band 6 "Giganten Der Luft"(1993)。ドイツ語は苦手なんですが、英訳すればたぶん"Giant in Air"、和訳すれば「空飛ぶ巨人」てところでしょうか。
大戦中に使用された6発巨人機、Me323は大好きな機体なのですが、なかなかまとまった資料が無いんですよね。80年代にタイトルもずばり"Giganten"という本があったらしいというのは聞いていて、一時期探し回ったんですが、結局現在にいたるまで未見です。
表紙込みの52ページとたいした本ではないのですが、本機のモノグラフというそれだけでもうありがたい。
どちらかといえばSquadron SignalのIn Action的なピクトリアルなのですが、巻末方向で地上援護型のE-2 WT(Waffentrager)の写真がいくつか見られたのは大収穫でした。現代のいわゆるガンシップ的な改造を施されたギガントが存在したことは、話には聞いていましたが、写真を見たのは多分初めてです。機首のカーゴドアを閉じてその上に回転銃座を設置し、左右の銃座も大型化、さらに主翼上の銃座を増加して計4基に改造された様子がはっきりわかります。しかも主翼銃座の基部にはフェアリングがつけられており、これは前身のE-2のときには無かった装備ですね。
主翼上面に記入されたウォークウェイの一部が視認できるカットもあり、そもそもウォークウェイがあったこと自体rocketeerは知りませんでしたよ。
とまあ、そんなこんなで、思わぬ発見の数々に図らずもコーフンしてしまった夜なのでした。

余談ですが奥付を見ると、上記"Giganten"は、この本の参考文献としてもリストアップされてました。
一度見てみたい。



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胴体の下地を開始。
タミヤの瓶入りサーフェイサーを溶いて吹き付けてます。

乾燥後、スポンジやペーパーでならしながら、消えかかった筋彫り彫りなおしたり、はみ出しを埋めたり。深すぎるものはさらに埋めたりと結構忙しい行程です。
水平尾翼についているレーダーソナーを付け忘れていたことに気づいて、プラ棒で自作しました。成型が悪かったので、切り飛ばしていたのでした。

ソナーがちょっと上を向いているのは曲がっちゃったわけではなくて、実機どおり。
ここはTMの迎撃戦術に関係するところと思われます。敵機より低い高度から進入、索敵・迎撃する戦術が基本にされたため、レーダーソナーもやや上方に向いているようです。
リクツはわかるのですが、ちょっとかっこ悪いです。

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だいぶ間が開いてしまいました。すみません。
ブログを書けないほど忙しかったわけでもないんですがそこそこ忙しく、ちょっと間が開いてしまったせいもあり、なかなかブログアタマになれなくて、つい放置を決め込んでしまいました。
さて、フラゴンにぶらさがる兵装や増槽などの小物類を整えております。今回はその中間報告。

Glanのキットのミサイルなんて使えないよ、と思われがちですがそんなことはありません。基本の形はちゃんとしてるので、本体のヒケや乱れを整えてやればちゃんとミサイルに見えます。ベーン類はものすごく薄くできていて、質のよろしくない簡易成型でカケがでていないのは奇跡に近いかもです。
でっかいベーンが付いたミサイルはR-98Tで、すっかり組み立てちゃった後に気がついたんですが、ベーンの後縁はまっすぐではなく、テーパーが付いてるのが正しいようなので、後ほど修正ですね。
増槽は表面の乱れが大きく、天地の直径が不足していたので0.5mmを噛ませて整形してます。尾部の安定板はいったん切り取り、心ゆくまで本体を削り倒した後にイモ付けしています。イモ付けで大丈夫か?と思われそうですが、接着面が本体のカーブに沿って弧を描いているせいなのか、思いのほかがっちり付きます。前にSu-7の増槽を作ったときもそうでした。
脚注はよく出来てます。オレオの小さなパーツがぴたりと付いたりして、感心します。ただし機体との接着が殆ど考慮されていないので、一定の強度が求められる部分でもあるし、ちょっと一工夫しなければなりません。その辺は後ほど機会があればまた。

しばらくブログをサボっている間に、MPMのX-1A/Dが発売になっていました。いやっほう。
この前に発売されたX-1E、さらにちょっと古いキットですがタミヤ/UのX-1とあわせれば、X-1、X-1A〜E(Cは機銃装備のモックアップのみなので実機はなし)がずらっとそろえられるという、ロケット機好きには夢のような環境が実現してしまいました。クオリティもよさそうです。同じ時期に同じようなアイテムを出しちゃったMach2はご愁傷様。あとはD-558IIが出ればなあ。
とはいえ12月は何かと物要りなので、キットの購入はナシです。
来年のお楽しみにとっときましょうと思います。
気になるのは「X-1A/D」になっていること。なんで「X-1A/B/D」じゃないのかな。3機の違いは主に臓物関係で、外見の違いは微細ですから。
年明けにキットを手にしてから、じっくり検証してみたいと思います。

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AJPressの図面に拠れば短すぎだぞ、ということで延長したレドームですが、どうも確証が持てなくてですね。
確度の高い写真はほぼすべてショートレドームであると推測できる状況なんですね。中にはロングレドームだと解釈できる写真もあるのですが、ばっちり側面から写ってないので、いまひとつ決め手に欠けます。
というわけで、延長した分を切り詰め直しました。
あーもうなにやってんだか。

とはいえまったく元に戻すのも悔しいので…というわけでもないのですが、キットはキットで、やや短い印象だったので、キットより1mm強長い寸法で手を打ちました。なかなかいい感じです。
短いなら短いで別にいいのですけど、そうするとあの資料は一体なぜ間違っているのか、決していい加減なリサーチに基づく資料にはとても思えませんし、どうも腑に落ちません。ちなみにトランペッターの1/48キットもどうやらロングノーズ説を採用しているみたいです。
ひとつ考えられるのは、古い図版ほどロングノーズになっているようなので、ひょっとして初期の公表図面がそんな風だったのもしれません。まあ答えになってませんが。
とまあ、解けない疑問が頭の中でぐるぐるまわりながら、制作は続くのでした。

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またまた地味な写真ですみません。
尾部のエアスクープ類と、航法装置ポッドを追加。

スクープ類はキットのパーツを整形しつつ使用。
やじり形のポッドは尾翼と一体だったのですが、あんまりな形状でしたので作り直し。
基本は航法装置ですが、左右のウイング上の張り出しにはトランスポンダーが収められているそうです。これ、スホーイ製戦闘機には必ずついてますね。
プラ板とロッドから削り出して作りました。

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