大阪都構想 反対多数が確実に 橋下氏、政界引退も…「維新」に大打撃
産経新聞 5月17日(日)22時42分配信
大阪市を廃止し、5つの特別区に分割する「大阪都構想」の住民投票は17日投開票され、反対多数となることが確実となった。政令指定都市として初めて存廃が問われた大阪市の存続が決まった。大阪維新の会代表の橋下徹大阪市長は、12月までの市長任期を全うした上で政界を引退する意向だ。市選管によると、当日有権者数は210万4076人で、投票率は66・83%だった。
出口調査などによると、賛否は拮抗(きっこう)しており、結果は僅差になる見込み。変革を求める声が多かったことを踏まえ、維新以外の政党には大阪再生に向けた抜本的な改革案が求められる。
橋下氏はこれまでに「都構想の住民投票はこれが最後」と表明しており、橋下氏が提唱してから5年余り続いた都構想の議論に終止符が打たれた。都構想実現を掲げて結党した大阪維新の会や、国政政党の「維新の党」は解体的出直しを迫られる可能性がある。
一方、そろって反対した自民、公明、民主、共産の各党は今後、大阪府市両議会での連携を模索。大阪維新の会議員への切り崩し工作も行われるとみられ、両議会で主導権争いが激しくなりそうだ。半年後に実施される予定の知事、市長選の行方も注目される。
住民投票は平成24年に成立した大都市地域特別区設置法に基づいて実施。大阪府との二重行政を解消し、住民に身近な行政を実現するとして都構想を掲げた橋下氏は先月27日の告示前に、市長として市主催の住民説明会を計39回実施。告示後も街頭演説をこまめに繰り返し、市民に理解を求めてきた。
また維新の党との挙党態勢で、運動資金を大量投入したほか、賛成派の劣勢が伝えられた終盤には、全国から応援スタッフが大阪入りし、巻き返しを図った。
他党は連携して都構想の必要性を否定し、市民団体や業界団体も加わって反対運動を展開。維新は形勢を逆転できなかった。
投票率は、橋下氏が知事を辞職して出馬し、知事選とのダブル選となった23年11月の市長選(60・92%)を上回った。
最終更新:5月17日(日)23時55分
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