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ゆとりずむ

津田沼在住、茅場町勤務のなんちゃってSE。金融、時事、節約、会計等々のネタを呟きます。

28歳会社員の選ぶ、歴史好きのための海外(主に西洋)を舞台とした漫画



こんにちは。

おっさんなので(?)少年漫画よりも青年漫画、特に歴史漫画が大好きです。中でも、教科書には中々乗らない、乗ったとしても1行2行の西洋の歴史を取り上げたものが大好きです。

ここ暫く、漫画を読む時間すら忙しかったのですが、一段落してきましたので、今まで読んできたものの整理も兼ねてご紹介していきたいと思います。

ヒストリエ

ヒストリエ(1) (アフタヌーンKC)

ヒストリエ(1) (アフタヌーンKC)

 

蛮族スキタイの出身でありながらそれを知らず、都市国家カルディアでギリシア人養父母に育てられたエウメネスは、そのおかげでギリシア的教養を身につけることとなる。ある日養父がスキタイ人に殺され、自分の出自を知ったエウメネスは奴隷の身分に落とされてしまう。それが彼の波乱の旅の始まりだった!

最近は、映画『寄生獣』で人気となった岩明均御大の名作ですね。ネットでは、『ばっかじゃねーの』などの画像が有名なアレです。

内容としては、出自が怪しいことをみんなに隠されて育った秀才エウメネスが、自らの才覚と数奇な運命に翻弄されながら、アレクサンドロス大王の書記官(文官を統制する官房長官みたいな感じでしょうか)にまで出世していくストーリーです。

個人的にお気に入りのシーンは、故郷を奴隷として追放されたエウメネスが、助けてもらった蛮族の人々に、ギリシャの知識を伝える一コマです。『知識や技術は他人に教えたりすることによって本当の知識として”自分のもの”となっていく』。運命に翻弄されながらも、生きていくためのヒントの多い一冊です。

 ヴィンランド・サガ

ヴィンランド・サガ(1) (アフタヌーンKC)

ヴィンランド・サガ(1) (アフタヌーンKC)

 

 千年期の終わり頃、あらゆる地に現れ暴虐の限りを尽くした最強の民族、ヴァイキング。そのなかにあってなお、最強と謳われた伝説の戦士が息子をひとり授かった。トルフィンと名づけられた彼は、幼くして戦場を生き場所とし、血煙の彼方に幻の大陸“ヴィンランド”を目指す!! 『プラネテス』の幸村誠が描く最強民族(ヴァイキング)叙事詩、堂々登場!

こちらも、名作なのでご存じの方も多いかと思います。 幸村さんは、プラネテスのころから読ませて頂いていたのですが、『生きること』『働く・戦うこと』、そういったことにしっかりとした思想をお持ちの方だと思います。

『卑怯な戦い』で、尊敬した父親を亡くしたトルフィンは、仇敵アシュラッドを討つために何故か同じ船で戦いの世界に身を投じる事になります。

この作品、ひとつのテーマとなっているのが『父』と『子』だと思います。トールズとトルフィン、スヴェンとクヌート、そして『神』と『人類』。父のやり方を嫌い、それを乗り越えようとし、そこで父の苦悩を知り、それでもなおその先を目指す。そんな構成となっているのでは?と思い、読み返すと中々良かったです。

軍靴のバルツァー

軍靴のバルツァー 1 (BUNCH COMICS)

軍靴のバルツァー 1 (BUNCH COMICS)

 

舞台:19世紀後半のヨーロッパをイメージした架空世界(北ドイツあたりがモデル)

19世紀のヨーロッパ。戦乱の世で、若いがメキメキと頭角を現すバルツァーは、戦後の論功により通常より3年は早い左官への昇進。まさに順風満帆の出世街道を歩いているはずだった。
ところが、次の転属先は「戦場の華」である最前線ではなく、なんと軍事後進国士官学校の教官だった!
戦術は一昔前のものばかり、射撃授業は自粛中という、平和ボケした二流軍事国の生徒たちを、一流の兵に変えるため、バルツァーによる文字通り「命がけ」の策が始まった!

架空の国家を舞台に、敵だけでなく、同盟間での複雑な対立の積み重ね、そして戦争における「平和時の各国のつばぜりあい」を丹念に描いた、怒涛の新感覚ミリタリーオペラ!!

このマンガがすごい!(2013)』に 選ばれていましたが、一言で言って『濃い』です。近代が舞台なので資料は豊富にありますが、それを文化・社会・政治も含めて、端から端まで目を通したのか??と思う濃さです。下手な小説よりよっぽど時代考証が深く、原作なしで初っ端からこれは、次元がひとつ違う感じですね・・・。

軍事大学を卒業し、エリート将校であったはずのパルツァーは、何故か同盟小国のバーゼルラントに『お子様たち』の教育係として赴任させられます。色々な事態に巻き込まれ、ひよっ子だった子どもたちが成長していく中で、国際政治の中の権謀術数の世界の中に巻き込まれていきます。

個人的に一番のおきにいりは、主要キャラではないのですが、ヴァイセン王国の国王陛下でしょうか。『全く自分の使いどころがよく分かっている』と言われ、『王族としての責務を背負う覚悟はあるか?』というだけのことはある。あんな王様だったら、みんな付いて行きたくなるんでしょうね。

リープクネヒトの野望の真実など、謎解き的な要素も多く、今後も展開が気になります。

 アド・アストラ

アド・アストラ 1 ─スキピオとハンニバル─ (ヤングジャンプコミックス・ウルトラ)

アド・アストラ 1 ─スキピオとハンニバル─ (ヤングジャンプコミックス・ウルトラ)

 

舞台:紀元前3世紀 地中海世界

紀元前3世紀、台頭著しい共和政ローマを恐怖の底に突き落とした男がいた。ハンニバル・バルカ── ローマ史上最大の敵となった怪物と、彼からローマを守った英雄プブリウス・コルネリウススキピオ。同時代を生きた二人の戦いが、今幕を開ける!! 

塩野七生大先生のお陰で、『ポエニ戦争』については、ご存知のかたも多いんじゃないでしょうか。ローマ人の物語では、ある程度写実的に、事の成り行きを描写していましたが、本作品では、『スキピオ』と『ハンニバル』という、それぞれ両極端な性格を持つ武将の心理描写にフォーカスをあてて描かれております。

ハンニバルは、誰からの理解も得られず、祖国からの支援もほとんど無い中で、ひとり孤独の中で考えた戦略を駆使し、大国ローマを追い詰めていきます。一方、スキピオは、持って生まれた天性の人当たりの良さで、自分の考えを、周囲の人達を上手く動かしながら、孤高の天才に立ち向かう、という設定です。

これは、『二人』の考え方でもあるのですが、つきつめれば、みんなで考えて進んだローマと、個人の才覚で国を動かしていったカルタゴ、その『二国』の考え方の違いなのかなあとも思いました。

至って真面目で硬派な漫画なのですが、貴族であるスキピオと平民のガイウス、その二人のお馬鹿なやりとりと熱い友情も見どころの一つですね。

ジゼル・アラン

ジゼル・アラン (1) (ビームコミックス)

ジゼル・アラン (1) (ビームコミックス)

 

「その仕事、私が頼まれようか?」20世紀初頭、ヨーロッパ。主人公の少女の名は、ジゼル・アラン。アパートの大家をしているジゼルが、ある日“何でも屋”を開業。店子のエリックを助手に、さまざまな依頼をこなしていくものの、お嬢様育ちで好奇心旺盛なジゼルは、何かと暴走しがちで――。無理矢理仕事を手伝わされるエリックをはじめ、個性豊かなアパートの住人たちを巻き込んで、ジゼルお嬢様の可憐で、危なっかしい活躍が始まる。新星・笠井スイ、待望の初単行本!

戦記モノが続いたので、ここいらで趣向を変えて、街が舞台の作品を。

召使いが何人も住んでいるようなお屋敷から飛び出し、アパートの大家さんをすることになったジゼル。元々がお嬢様育ちの為、街のひとびとの生き様との違いに右往左往しながらも、ひとつずつ問題を解決していくお話。

ヴィクトリア朝のイギリスの『ジェントルマン』の世界観なんでしょうね。登場する人物ひとりひとりの、その当時の生き様が魅力的。ジゼルだけでなく、その周囲の人達の関係の変化も見どころですね。

アルテ 

アルテ 1 (ゼノンコミックス)

アルテ 1 (ゼノンコミックス)

 

16世紀初頭・フィレンツェ
芸術など文化活動が花開いたルネサンス発祥の地。
そんな活気あふれる華やかなる時代に、貴族家生まれのアルテが画家工房への弟子入りを志願する。
女性がひとりで生きて行くことに理解のなかった時代、様々な困難がアルテを待ち受ける。

頑張っている女性に読んでもらいたい一冊。

家庭に入るか、働くか。今も色んな女性が悩みを持つ普遍的なテーマですね。与えられたレールから外れる生き方をするのは勇気のいることです。特に、周囲の人達からは『恵まれている』と思われている立場から、別の路線を取ることは、周囲の理解も得られず大変な話です。

この作品の中で、一番好きなシーンは、レオがアルテを弟子に取ることを決めるシーンですね。自分を『貴族の娘』ではなく、ひとりの人間として見てくれたことに喜ぶアルテ。彼女を、『貴族の娘』ではなく、若いころの自分と同じ挑戦者として見たレオ。そこに、性別とか身分とか、越えて、同じ場所にいる二人が響きあうシーンがお気に入りです。

また、立場を捨てることは、潔いことですが、それが最善なのでしょうか?貴族として、女性として身につけた術を活かしながら、どんどん成長していくオルテの姿にも、何かのヒントがある気がします。

乙嫁語り

乙嫁語り 1巻 (BEAM COMIX)

乙嫁語り 1巻 (BEAM COMIX)

 

中央ユーラシアに暮らす、遊牧民と定住民の昼と夜。
美貌の娘・アミル(20歳)が嫁いだ相手は、若干12歳の少年・カルルク。遊牧民と定住民、8歳の年の差を越えて、ふたりは結ばれるのか……? 『エマ』で19世紀末の英国を活写した森薫の最新作はシルクロードの生活文化。馬の背に乗り弓を構え、悠久の大地に生きるキャラクターたちの物語!

 『エマ』で有名になった、森薫さんの作品です。

舞台となった19世紀の中央アジアって、日本人の歴史の知識の中では最も薄いところじゃないでしょうか?ざっくり言うと、帝国主義が台頭する欧州各国とロシア帝国に挟まれ、オスマン帝国の体力がどんどん薄れて行き、伝統的な生活を送ることが少しづつ難しくなっていった時代といった感じでしょうか。

ストーリーは、断続的に当時の風俗をテーマにした形で進んで行きますが、もう全てが全て聞いたことのない話で、中々面白いです。人物の描写もさることながら、町並みや衣装の描写は『よくもまあ、ここまでやれるなあ』と関心しっぱなしです。

シュトヘル 

シュトヘル1 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)

シュトヘル1 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)

 

 13世紀初頭。史上最強のモンゴル軍に「悪霊」と恐れられた女戦士がいた。 戦士の名はシュトヘル。彼女と、一族を敵に回したモンゴルの皇子の壮大な物語。

また少し方向性を変えて、血なまぐさい、クセのある作品を。

モンゴル軍に祖国西夏を滅ぼされ『悪霊』となったシュトヘルと、一族を敵に回しても西夏の文字を守ることになったモンゴルの皇子ユルール、そして執拗に西夏の文字を地上から消し去ることに固執する皇帝チンギス・ハーン。その周囲の人達との、『文字』を巡る物語です。

西夏文字は、長らく解読が出来ていなかった文字です。『きっと、文字を解読するために、字典が残っていればなあ』という思いから書かれた作品だったりするのでしょうか?

ユルールが語っているように、文字があれば、その時代の人々が考えていたことを、場所や空間を越えて残すことが出来ます。一方では、チンギス・ハーンのように、大きな傷となってしまうこともあります。ある意味、現代の『忘れ去られる権利』問題に近い側面を持っているのかも?なんて、読んでしまいます。

 狼の口

狼の口 ヴォルフスムント 1巻 (BEAM COMIX)

狼の口 ヴォルフスムント 1巻 (BEAM COMIX)

 

14世紀初頭、アルプス地方。イタリアへと通じるザンクト=ゴットハルト峠には、非情な番人が守る関所があった。難攻不落をもって知られるその場所を、人々はこう呼んだ。ヴォルフスムント―――“狼の口”と。

頭の上にリンゴを乗っけて矢で射るシーンで有名な、ウィリアム・テルの息子たちのお話。

当時、彼らの住んだ、後のスイス連邦となるシュバイツ、ウンターヴァルデン、ウリの3つの自治邦では、ハプスブルク家の圧政の元にありました。その象徴が、大事な権益奪い、団結し戦うことを封鎖する巨大な関所。その悪魔の様な砦を如何に攻め落とすのか、多くの犠牲を払いながらも、自由のために戦っていくお話。

しかし、どこまでが史実でどこからがフィクションかは分かりませんが、良くここまで残虐な描写が出来ますね((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル

実際の史実では、盟約者団は、ハプスブルク家から自治を勝ち取り、後のスイス連邦を形成して行きます。今でもスイスでは徴兵制が取られています。かつては、有事の際に、すぐ戦えるよう一家に一丁軍事用ライフルを配備されていたとか。スイスの自治独立の精神は、この頃から育まれていたんでしょうね。

乙女戦争

1420年、ボヘミア王国。戦争により家族を虐殺された12歳の少女シャールカは、フス派義勇軍の英雄ヤン・ジシュカに導かれ、仲間たちと共に反カトリックの戦いに身を投じていく。
15世紀、中央ヨーロッパで起こり「宗教改革」の端緒となった「フス戦争」をモチーフに、少女の視点で、史実に基づいた凄惨な戦争を描く歴史巨編!!

すごく、レジに持って行きにくいタイトルと表紙ですが、中身はかなり血なまぐさい作品です。

私達が、『宗教改革』と聞くと、いわゆるルターの免罪符の話などを思い浮かべますが、さらにその前に、宗教改革に繋がる活動をした聖職者がいました。それが、フスです。フスは、民衆を区別なく扱い、チェコ語での典礼を行うなど、教会の改革に動いた宗教者です。その動きが危険視され、最終的には火刑に処され、非業の死を遂げます。

彼の死に抗議する信者と、それをうまく利用し神聖ローマ帝国ローマ教皇からの独立を狙う勢力とによって起こされた独立戦争がフス戦争です。

元は一介の傭兵隊長にすぎないヤン・ジシュカが、ピストルや戦車といった当時の最新兵器を元に、農民軍たちを巧みに組織し、重騎兵を中心とした正規軍を倒していきます。そういった、『今となっては当たり前』の何かが生まれた瞬間と、単純な農民を言葉巧みに誘導し、戦士たちへと変えていくシーンが見どころです。

 ホークウッド 

ホークウッド (MFコミックス フラッパーシリーズ)

ホークウッド (MFコミックス フラッパーシリーズ)

 

14世紀、イングランドとフランスの百年にわたる戦争が始まろうとしていた頃。金で雇われ、戦いを生業とする者達--傭兵が各地の戦場で活躍していた。“白鴉隊”という小さな傭兵隊を率いる若き傭兵隊長ジョン・ホークウッドは、一人の王子との出会いを機に、百年戦争という大きな戦いに巻き込まれてゆく……。

百年戦争といえば、フランスのジャンヌ・ダルクが有名ですが、これはイギリス(イングランド)側から見たお話。

 今でも仲が悪いイギリスとフランス。今となっては、『ようやるわ』と思いますが、当時のイギリスは、ドーバー海峡を越えて、フランスの一部を占領していました。ポエニ戦争時のハンニバルも同じですが、侵攻軍は常に兵員の確保の問題にぶち当たります。

ただ、この当時のヨーロッパ世界では、お金さえ払えば誰とでも戦う傭兵団がいました。このお話では、主君の忠義でもなく、名声でもなく、ただお金のためだけに戦う人たちを、如何に束ねていくのか?について取り上げた作品です。

契約主(プライム)との交渉や、その主君(発注元)との関係や、競合他社との引き抜きにどう対応すべきか?など、ある意味、IT屋のPM業に近いところがあるかもしれません。

 

色々と沢山書いてみました。こんなのもあるよ!とか、おすすめがあれば教えてくれれば嬉しいです。