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【社会】

福島第一汚染水また外洋流出 ポンプ用発電機が停止

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 東京電力は二十一日、福島第一原発の外洋につながる排水溝から汚染水をくみ出し、専用港に排水するためのポンプ八台が全て停止し、溝をふさいでいた堰(せき)から汚染水が外洋に流出していたことを明らかにした。

 ポンプは、外部電源ではなく、可搬型のディーゼル発電機の電力で動いていたが、発電機内で漏電を検知して止まった。バックアップの発電機はなかった。

 東電によると、作業員が二十日午後二時すぎ、ポンプをチェックした際は動いていたが、二十一日午前八時四十五分に調べたところ停止していた。

 問題の溝は、1〜4号機周辺の雨水を海に排水するために当初から設けられていた。しかし今年二月、東電は溝を流れる水には放射性セシウムなどが含まれ、継続的に海に流出していることを知りながら放置していたことが発覚。

 批判を受け、東電は溝に堰を取り付け、今月十七日から、たまった汚染水をポンプでくみ出し、比較的水の動きが少ない専用港内につながる別の溝に流し込む対策を始めた。

 本年度中に溝を付け替えるまでの応急措置だが、ポンプは一台当たり二秒ほどで家庭用浴槽の水をくみ上げるほどの能力がある。東電の担当者は「大雨を除けば、ほぼ汚染水はくみ上げられる」と対策の有効性を強調していた。

 しかし、ポンプを動かす肝心の電力がなくなり、予備電源もなく、対策は一時的に機能しなかった。

 

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