2015年5月16日17時45分
安倍内閣が閣議決定し、議論の場が国会に移る新たな安全保障法制の関連11法案。日本の安保政策が大きく転換することに、自衛隊の活動拠点がある街や隊員と向き合ってきた人々はどう受け止めているのか。
■「一線越えた」「やむを得ない空気」
陸上自衛隊の福知山駐屯地がある京都府福知山市。隊員たちはPKO(国連平和維持活動)や災害現場に派遣されるかたわら、防災訓練や祭りといったイベントを通じて地域ともつながってきた。
「危険な場所に行かさないでほしい」と言うのは、市内で商店を営む60代の男性。駐屯地の活動を支援する協力会(約250個人・団体)の会員でもある。安保法制の関連法案が国会を通ると「戦死の心配も出るし、活動にも大きな危険が伴う」と思う。
一方で「そうとばかりは言っておれない国際情勢がある」とも。「憲法解釈が広がり、一線を越えた。今後は日本、そして国民の負担が増えていくと思う」とみている。
陸自第14旅団の司令部などがある香川県善通寺市では、迷彩服を着た自衛隊員の姿が街にとけこむ。かつて「軍神」と呼ばれた乃木希典が初代師団長を務めた旧陸軍第11師団の所在地でもあった。市内で暮らす男性(63)は「先の大戦で大勢の兵士を死なせた責任を追及できないまま、再び自衛隊を海外に出すなんて危うい」と懸念する。
海自呉基地がある広島県呉市で飲食店を経営する女性(64)は「命令があればどこでも行くのだろうが、家族を残して戦地に行くのはつらいはず」。陸自の伊丹、千僧の両駐屯地がある兵庫県伊丹市の市議・高塚伴子さん(55)は、国民の間で安保法制をめぐる議論が高まらないことを心配する。「中国の脅威などを受け、『やむを得ない』という空気が広がっていないでしょうか」
弾道ミサイルを探知する米軍のXバンドレーダーがある京都府京丹後市。市民団体事務局長の永井友昭さん(57)は「高浜原発も近くにある」と言い、自衛隊が戦争に関われば相手国から狙われる危険があると指摘する。空自小松基地の戦闘機の騒音をめぐる訴訟を起こした元石川県小松市議の長田孝志さん(71)も「小松の戦闘機は空中給油でどこへでも飛んでいける。市民が知らないうちに世界の紛争地の前線基地になってしまう恐れがある」と話す。
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