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 日本銀行の黒田東彦(はるひこ)総裁は15日、都内で講演し、政府が夏までにまとめる2020年度までの財政健全化計画で前提となる実質2%以上の成長率について、実現に慎重な見方を示した。

 政府は政策に必要な予算を借金に頼らずにまかなえる基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)の黒字を実現しようとしている。今の試算の前提は実質2%以上という高成長だ。「実質2%」は政権が掲げてきた目標値でもある。

 この前提について黒田総裁は、日銀が長期的な成長率を0%台半ばと見ていることを紹介。投資の回復や女性の労働参加を考えれば、「1、2年で1%まで上げることはできる」と楽観的な見通しを示した。

 ところが2%まで引き上げるには技術革新や規制緩和が必要と発言。「成長戦略の様々なメニューをスピード感をもって実施すれば可能になると思うが、さらなる努力が必要」と述べた。

 また、試算では実質2%以上の成長が実現しても20年のPBは9・4兆円の赤字で、これについても黒田総裁は「歳出・歳入両面での努力が必要」とした。公的債務残高の国内総生産(GDP)比を安定的に減らすのも「まだまだ相当な努力が必要」と、政府に対して繰り返し努力を求めた。(福田直之)