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ミュウツーの逆襲ルギア爆誕



こんにちは。 今回取り上げるのは記念すべき最初のポケモン映画、「ミュウツーの逆襲」です。
 当時劇場でミュウツーの逆襲を見た大半のキッズは、結局何がやりたかったのか良くわからないけど何となく感動したという
 複雑な思いで劇場を出たと思います。
キャモー! 当時はポケモンブームの最高潮!! リアルで小学生だったボクも当然見に行ったキャモよ!!
ヘイヘーイ! オレ的には最後サトシのリザードンがミュウツーと戦って地球投げで勝つと想像していたんだけど、予想大外れだったぜヘーイ!

ミュウツーが何に怒っているのか、何がやりたかったのか、最後何に気付いて去っていったのか、
 それがこの作品の大事なところなのですが、
 当然観客はサトシを中心に見ているので、一度観ただけでは良くわからないんですよね。
 この話のサトシは戦いを止めようとした無力な子供でしかないのです。
ミュウツーを追って見ていかないと、この映画は楽しめないキャモね。

初映画なのに見せ場の少ないサトシ。

この映画は日本で公開されたオリジナル版と、幼年期のミュウツーのエピソードを追加した完全版
 サトシについて説明を加えた完全版(サトシの旅立ち編込み)の三つが存在します。
ボク達が劇場で見たのは何の手も加えてないオリジナル版だキャモ!
そして更に、オリジナル版公開時には、ミュウツーが生まれてから逆襲を決意するまでをえがいた
 ラジオドラマ「ミュウツーの誕生」があります。 これが問題でして、このミュウツーの誕生を聞かないと
 ミュウツーの気持ちは半分しか理解できないのです。
ヘーイ! ミュウツーの誕生を映像化したのが完全版じゃないのかよー!!
ミュウツーの誕生は長さと設定上の問題から、全てを映像化しきれていません。
 おそらく映画として観れる時間と表現にした結果、ミュウツーの誕生は約10分の映像としてまとめられました。
 このようにミュウツーの誕生はラジオ版と映像化された映画版では多少設定に違いがあるため、
 完全版だけを見るとちょっと矛盾を感じることもあります。 でのすで、ポケモンアニメ夜話では
 ミュウツーの誕生とミュウツーの逆襲(オリジナル版)を再編集して解説して行こうと思います。
ヘイヘーイ! 文字でラジオドラマの解説とはチャレンジャーだぜー!!

ミュウツーの誕生は
サントラに収録されてます。

物語はロケット団のボス、サカキの語りからはじまります。
 「宇宙…果てしなく続く宇宙。この宇宙、いつから始まったのか、詳しいことはわかっていない。
 しかし、いつの事か宇宙のかたすみ…銀河系、太陽系惑星の一つに生き物が生まれ、進化し、人間が生まれ、
 そしてまたまたいつの事か、この星…新たなる生物が生まれた。 その種類100以上、
 謎に包まれたこの生物を人々はポケットモンスター、略してポケモンと呼んだ。
 ポケモンは100種類に留まらなかった。 時代ともに新しいポケモンが次々と発見された。 (長いので中略)
 より珍しいポケモンを、より新しいポケモンを、世界中の人間達が熱にうなされたようにポケモンを捜し求めた。
 そして、いつの世もポケモンのブームの最前線に立ち、暗躍していたのは我々密猟密売組織ロケット団であった。
 私の名はサカキ…、しかして実態はロケット団の現役のボスである。
 今ここに、そのロケット団の歴史の中で最も重大で最重要機密とされている記録がある。
 この話は20年前のあの日の午後、ロケット団員ミヤモトの報告から始まった」

なんだかこう言われるとロケット団ってポケットモンスターの世界に欠かせない 負の部分を背負った存在という気がするキャモ!

ミヤモトは南米の大密林で聞いたことも無いポケモンの鳴き声をテープに録音します。
 現地の伝説でそのポケモンはミュウと呼ばれ、
 世界で一番珍しくこの世の全てを守ってくれるポケモンだと伝えられています。
 当時のロケット団ボスはミヤモトを幻のポケモンの捕獲に南米へ向かわせます。
 ですがミュウは一向に捕まらず、何年たってもミヤモトからの報告はありませんでした。
ヘイヘーイ! ミュウならオルドラン城に良く遊びに来るって女王様が言ってたじゃないかー!!
そのミュウは忘れてください。

ときどきミュウが来てイタズラをするんです♪

それから18年後、南米へ化石探索に向かっていたロケット団員が偶然ミュウのまつげの化石を発見します。
 化石はニューアイランドでコピーポケモンの研究をしているフジ博士の元に送られました。
 ポケモンのコピーに成功しているフジ博士にサカキはミュウの再生を命令します。
 サカキは幻のポケモンのコピーが出来れば莫大な金になると考えたのです。
ヘイヘーイ! ポケモンのコピーってできないんじゃなかったのかよー!!
完全版では人間のコピーは全くできず、ポケモンのコピーも覚醒しないまま細胞が消滅してしまうのですが、
 ラジオ版ではポケモンのコピーは本物と同じように生きることができ、人間のコピーは未完成という設定です。
 ですので、研究所を改造して本物より強いコピーを作ったミュウツーの技術力が二つのバージョンで微妙に違います。
ミュウツーがはじめての成功品かそうじゃないかでずいぶんと印象が変わるキャモ。

南米の山脈。

で、そんなフジ博士がコピーポケモンの研究をしているのは理由があります。
 それは数年前に交通事故で亡くなった娘、アイの完全なコピーを作ることです。
 ポケモンのコピーは本物と同じく生きていけるのですが、
 人間のコピーはガラス管の中で4年間しか細胞が持たなかったのです。
 ポケモンの生命力を解析し、完璧なアイのコピーを誕生させることが目的です。
人間のコピーが4年間しか生きられないって、かなりキツいキャモ!
おそらくフジ博士は何度も人間のコピーを作っては失敗したと考えられます。

幼女だ! 幼女!

フジ博士はアイが交通事故にあった日、アイとの最後の会話を思い出します。
ヘーイ! なんで死んだ人間と話せるんだよー!!
幽霊みたいなものです。 この作品は一対一の対話でそれぞれの心境を説明する事が多いのですが、
 その中でもこの二人の対比が面白いので聞いてください。
 
博士「アイ、大丈夫か? アイ、元に戻ってくれ」 アイ「ごめん。パパ、もう戻れない」
 「いやだ、私はオマエを取り戻したい、ひとりぼっちになるのはいやじゃ」 「しょうがないよ。 きっと私、お星様になったんだわ」
 「あぁ、戻ってこないなら、せめてオマエの遺伝子で、コピーでもいいニセモノでもいい、私をひとりにしないでくれ」 「こまったなぁ」

この後、フジ博士はガラス管の中のアイのコピー(アイツー)と会話します。
 「人間のコピーは試験管の中、それも4年間しか生きられないんじゃ」 アイツー「だったら、ムリしないで」
 「アイ、私はね、とうとう幻のポケモンのまつげを手に入れた。ミュウという名前だ」 「ミュウ?」
 「ミュウは世界一珍しいと言われるポケモンだ。 伝説によれば、永遠の生命力があるとすらいわれている。
 そんなミュウのコピーを作って、その命の謎が解ければアイもミュウのように強い命を持てるかもしれん。
 アイ、オマエには大人になっておばあさんになるまで私と生きていっしょにいて欲しい。
 生まれること、生きることは素晴らしい。 だからアイ、私はアイに戻ってきてほしいんじゃ」 「そう…、こまったなぁ」

自分をひとりにしないで欲しいと願う博士に対し、本物のアイはあきらめて欲しいと繰り返すのですが、
 博士はならばコピーを作ってしまおうと考え、アイを困らせます。
 ですが、それもうまくいかず、ガラス管の中のコピーのアイからもあきらめて欲しいと言われています。
幽霊のアイちゃんはともかく、コピーのアイツーまで生きる気が無いように感じるキャモ。
アイツーは自分が博士の娘のコピーであり、ガラス管の中で数年間しか生きられないことを知り生きる望みを失っていたと思います。
 それから一ヵ月後、ミュウのまつげを元に、ミュウのコピー、ミュウツーが生まれます。 ミュウツーを見たアイツーは言います。
 アイツー「なんて可愛い!これがミュウツー? ねぇ、私この子のママになってもいい? お姉さんになってもいい?
 私、こんな子がいるなら生きていていいなぁ。 こんにちは、ミュウツー」

ヘーイ! アイツーが喜んでるぜー!
アイツーと同じくガラス管の中で生き続けるミュウツーの誕生は、アイツーにとって希望になれる他者だったのかもしれません。
 だからアイツーはミュウツーの誕生を祝福し、家族になろうとしました。

他のコピーポケモンとは違い、胎児のように目も口も開かず眠っているミュウツーはミュウの幻影を見ながら疑問を持ちます。
 
「ここはどこ?ボクは誰?どうしてボクはここにいるの?」
 ですがこの疑問に答えてくれる相手はいません。
そんな時、アイツーはガラス管の中で眠っているミュウツーにコンタクトを取り始めました。

精神で話しているキャモね。

眠ってるミュウツーさん。

 ミュウツー「誰?キミ?」
 アイツー「私は、アナタのね、そばにいるの。 すぐそば。 私はアナタと同じみたいに生まれた人間なの」
 「人間? じゃあ、ボクも人間かな?」 「私たち、お話できるんだから人間かもね、それとも、私がポケモンだったりして」
 「人間? ポケモン? なにそれ? ボク、どっちなの?」
 「どっちでもいい。 私たちは同じみたいな生まれ方なの。 ここには同じ生まれ方のみんながいっぱい」
 「みんな?」 「ほら? 聞こえない? みんなの声」 (他のコピーポケモンの鳴き声) 
 「これがみんな? でもツーって、どうしてみんなツーなの?」
 「私たちはみんなコピー。 本物がいるの。 だからワンじゃなくてツー」
 「じゃあボクもツー?」 「私もツー。 ほんとの名前はアイ。 でも、ほんとの私はアイツー」 「なんかステキでしょ?」 「ステキ?」
 「だって、本物じゃなくったって、アイツーだってアイスリーだって、アイフォーだって構わない。
 私もみんなもミュウツーもちゃんとここにいるんだもん。 コレって絶対ステキでしょ?」

ヘーイ! アイツーさっきまでと言ってることが違うような気がするぜー!


アイツーは生まれてきた命は肯定しています。
 そしてミュウツーの問いに答えます。 自分達は本物ではなくてコピー、でもこれはどっちだっていい。 存在することが素晴らしい。
 自分がいることを喜んでくれるアイツーとの出会いで、自分が存在に悩むミュウツーの苦しみは一度は解消されました。
 ですがその後、アイツーはミュウツーにガラス管から見えるものを教えますが
 食べ物を食べれ無い、ガラス管の外に出ることのできないアイツーを見てミュウツーは再び疑問を抱きます。
 
「ボク達、どうして生まれてきたの?」 「パパとママがいたから」
 「ボク達を作ってたのはパパとママ?」 「私たちの場合は…神様かな?」
 「神様って? アイ、ボク達っていったいなんなの?」 「とってもフシギでステキな生き物、ポケットモンスター」
 「じゃあ、アイもポケットモンスター?」 「ううん、私は人間。 でも、コピーだから…だから…」

「コピーだから、ポケモンかもね」 と言いたかったようです。
 ミュウツーの自分(達)は何なのか?という問いにアイツーは人間でもポケモンでもコピーでも本物でもどれでも構わなじゃないか、という答えを出します。
 それが人のコピーとして生を受け4年間生きてきたアイツーの出した答えだったのですが、その答えにミュウツーは納得できませんでした。
アイツーはちょっと無理して言っているようにも感じるキャモ。
そして、話の途中でアイツーの寿命が尽きてしまいます。

 「アイ? 答えてアイ? 何があったの?」
 「えへっ、なんだか、お別れが近づいたみたい。 ミュウツー、生きてね。 生きているってきっと楽しいことなんだから」
 「アイ、ボクね、ガラスの中、水の中にいるのにボクの目から何かが流れている。 これ、何?」 「多分、涙」
 「涙?」 「生き物は、体が痛いとき意外は涙を流さないってパパが言ってた。悲しみで涙を流すのは人間だけだって。
 ミュウツー、ありがとう。 ミュウツーの涙。 でもミュウツー、泣かないで。 
 アナタは生きるの。 生きているって、きっと楽しいことなんだから」
 「アイ、とまらないよ涙。 どうしたらいいんだ。 アイ、答えてよ…」

アイは跡形もなく消えてガラス缶の中は空になります。 そして博士が言います。
 博士「構わん。 アイの成分が残っている限りいくらでも娘のコピーは作り出せる」 ミュウツー「作り出せる? いくらでも? 違う、アイはひとりだけだよ」
 「コピーは元があればいくらでも作り出せる」 「ボクと話したアイはひとりしかいない…」

生きることが素晴らしいと言いつつも、結局ガラス缶の中から出ることなく消えていったアイツー。
 生きていることの楽しさを身をもって伝えられなかったアイツーにミュウツーは矛盾を感じていました。
 そしてアイツーは博士達にコピーという一点で、ミュウツーの目の前でその唯一性を否定されてしまいます。
 こうしてミュウツーは幼い時に深い傷と矛盾を負うことになります。

それから(多分)二年後。
 いぜん眠っているミュウツーは再び自分の存在に悩んでいました。
 「ここはどこだ? 私は誰なんだ? 誰が私をここに連れてきた?」
そして成体となり覚醒できる段階となったミュウツーは
 みずからのチカラでガラス管を破壊して外の世界に生まれます。

まだ眠ってるミュウツーさん。



 博士「素晴らしい。ミュウツー、信じられない能力だ。 世界で一番珍しいポケモンから我々はオマエを生み出した」
 ミュウツー「ミュウツー。 私はミュウのツー。 ミュウとはなんなんだ?」 (博士ミュウの壁画を指す) 「そう、あれが世界で一番珍しいポケモン、ミュウ」
 「ミュウ、あれが私の親なのか? 父なのか? 母なのか?」 「とも言える。 が、そうとも言えん。 オマエはミュウの化石の破片を元にしてつくられた」
 「誰が? 母でもなく父でもなく、ならば神が? 神が私を作ったとでもいうのか?」
 「この世で命を作り出せるのは神と人間だけだ。 だが、ガラス缶の中に命を作れるのはおそらく人間だけだ」
 「オマエ達が、人間がこの私を、ポケモンのこの私を。 私は誰だ? ここはどこなのだ? 私は何のために生まれたのだ!?」

自分が何なのか、アイツーと同様ミュウツーは博士に問います。
 ですが博士の答えにミュウツーは納得できませんでした。 ミュウツーはいらだち研究所を破壊してします。

一瞬で研究所を火の海にしたミュウツーは自分には強大なチカラがそなわっている事を知ります。
 そしてその時ミュウツーは再びミュウの幻影を見ました。

 「私は強い。 ミュウ、どこにいるんだ? ミュウ、私はこの世で一番強いポケモン。
 ミュウ、オマエよりも強いのかこの私は? ミュウ、どこへ行く?
 コピーの、ニセモノの私など相手にしないというのか? そうなのか?
 ミュウ姿を現せ。 どちらが強いのか私に答えを見せろ!」

そんなミュウの幻影に悩まされるミュウツーの前にひとりの人間が現われます。 ロケット団ボスのサカキです。

 サカキ「オマエはたしかに世界一珍しく、もしかしたら世界一強いポケモンかもしれない。
 その証拠を見せ付ければ本物のミュウもオマエを放ってはおくまい。
 オマエを作り出したのは人間だ。人間には最強のポケモンを生み出す知恵とチカラがある。
 人間とオマエとチカラを合わせれば世界は我々のものだ」
 ミュウツー「オマエは私に何をさせようというのだ?」
 「簡単なことだ。この星で誰もがやってきたことをやればいい。戦いと破壊と略奪。強いものが勝つ」
 「そして私が本物のミュウを倒したら?」 「オマエはミュウを越える存在になる。 その時、オマエは世界一のポケモンだ」

サカキはミュウツーがオリジナルであるミュウに対し、劣等感を持っていることを見抜き、
 ミュウを呼び寄せて倒すために自分の配下につけと誘い、ミュウツーはあっさりと乗ってしまいます。
 サカキはコピーである自分の存在を肯定し、ミュウツ−の問いに納得のいく答えを出したからです。
 自分は世界一強く唯一のポケモンであり、世界を支配する資格がある。 いずれ現われるミュウを倒せば、それが証明される。
 答えを得たミュウツーはサカキの使う特別なポケモンとしてロケット団に尽くすことになります。
さすがはサカキ様。 言うことが他とは違うキャモ。
こうしてロケット団に尽くすミュウツーでしたが、命令され動くだけの日々にまた疑問を持ち始めます。
 そして周囲を観察しているうちに、ミュウツーは人間やポケモンがどうしても許せない存在になっていきます。
 そんなミュウツーさんのステキな独白を聞いてください。

 「私は生きている。しかしそれが楽しいかと聞かれたら…ふふっ、強いポケモンを倒すのは楽しかった。
 チカラは弱いくせに、ずる賢い人間という生き物を痛めつけるのもつまらなくは無い
 しかし今、私より強いチカラを持ったポケモンはどこにもいない。 私は無敵だ
 そんな私に付きまとう、金儲けをするロケット団のヤツら、けいべつどころか、つばを吐きかける値打ちも無いヤツらだ。
 いや、ロケット団だけではない。 人間はしょせん金と欲が全ての生き物だ。 人間はゴミ箱に入る資格も無いクズだ。
 いいか人間ども、世界を征服するのはチカラだ。 金ではない。 そしてポケモンども。 コピーでは無い本物のポケモンども
 哀れなことに、人間よりさらにクズなのがオマエ達、ポケモンだ。
 人間に一度ゲットされれば人間の言いなりになってシッポを振る。 私は同じポケモンとして許せない
 最も、こんなを事を考える私はすでに、生まれたときからただのポケモンでは無いかもしれない…

ヘーイ! そこまで言うかフツー。
この人間とポケモンへのダメ出しと自分への特別視はミュウツーがコピーポケモンであるミュウツーからこそ出たものです。
 そしてミュウツーはサカキに再び問いかけます。 ですが、今度はミュウツーが納得できる答えは返ってきませんでした。

 ミュウツー「一体私は何をしているんだ? 私は何のために生きている? 何のために戦っている? クサリを、よろいを外せ!」
 サカキ「それはできない相談だな。 野放しのオマエは人間に危険すぎる」 「まだオマエ達のため戦えというのか? 人間達のために戦えというのか?」
 「オマエはポケモンだ。 ポケモンは人間のために使われ、人間のために生きる生き物だ」 「私はただのポケモンではない」
 「そう、オマエは人間に作られたポケモン。 人間のために戦わずしてオマエに何の価値がある」
 「私の価値だと? 私は誰だ? 私は何のために生きている? 少なくとも人間のためではない!」
 「私に逆らう気か!?」
 「私は人間に作られた。 だが人間ではない。 作られたポケモンの私はポケモンですらない!」
作られたポケモンは作った人間のために生きる生き物である。
 自分の存在を認めてもらったサカキから出た非情な言葉は再びミュウツーを苦しめることになります。
 そしてミュウツーはロケット団本部を破壊して逃げ出します。
なんでこの方、逃げ出すのに本部まで破壊するキャモ…。

よくキレる子。ミュウツー。

そんなこんなでロケット団を破壊して飛び出していったミュウツーは、自分を作り苦しめた原因である人間に
 嫌がらせ気味の逆襲プロジェクトを計画します。
 「私は誰だ? ここはどこだ? 誰が生めと頼んだ! 誰が作ってくれと願った!
 私は私を生んだ全てを恨む。 だからこれは攻撃でも宣戦布告でもなく、私を生み出したオマエ達への、逆襲だ!」

ヤダこの子、すごい逆恨みキャモ!
そんな彼がどんな逆襲計画をくわだてたというと、以前破壊したコピーポケモン製造マシンを直し、
 強いトレーナー達にお城でバトル大会があるよと招待状を送って
 やってきたトレーナーのポケモンを根こそぎ奪いそのコピーを作って世界を支配しちゃうぜという
 かなりロケット団チックな計画でした。 そしてその計画はある人物の参加によって阻止されます。 それがこの男です。


ポケモン! ゲットだぜー!!
なんだサトシかよ。 
戦ったらサトシ死ぬって。







O-HA-!レイモンドだよ〜!
セキエイ大会に向け自主トレをしているサトシにレイモンドがポケモンバトルを挑みますが、
 レイモンドがあまりにも弱すぎたため、うっかりミュウツーはサトシが腕のいいトレーナーだと勘違いして
 ポケモンバトルの招待状を送ってしまいます。 これがミュウツー最大の誤算でした。



ミュウツーボールに不可能は無い!!
ミュウツーは計画通りのこのこやってきたトレーナーのポケモンを
 奪ってはコピーを作るのですが、サトシのピカチュウラブパワー
 ミュウツーが改造したコピーポケモン製造機を破壊し、
 本物のポケモン達を救い出してしまいます。

こういう普通じゃないところがサトシの魅力キャモね。

オレのピカチュウを返せー!

そしてミュウツーの逆襲計画にひとり抵抗を続けるサトシはミュウツーに殴りかかります。
 「オレは、オレのポケモンを、オレの仲間を、守る!!」
ですが逆にミュウツーの超能力で弾き飛ばされてしまいます。
 サトシが絶体絶命になった時、とつじょ現われたミュウがサトシを助けました。

 ミュウは自分のコピーの存在に気付き、南米からこのポケモン城にやってきたのです。

オマエだけは許せねぇ!!


き…きんとうん?
 ミュウツー「オマエは…ミュウ! 世界で一番珍しいと言われたポケモン。
 確かに私はオマエから作られた。 しかし強いのはこの私だ! 本物はこの私だ!!」
ミュウに攻撃をするミュウツー。 それを避けるミュウ。
ヘーイ! もうこの戦いを止められるのはミュウたんしかいないぜー!
ミュウたん! ミュウツーの戦いを止めて! 戦わなくたってわかりあえるキャモ!

みんな、待たせたな!!








ポケモン界のアイドル、ミュウたん。
「本物は本物だ。 
 ワザなど使わず体と体でぶつかれば本物はコピーに負けない」

















戦争勃発   
ちょっとミュウ…、少しは考えろよ。
ミュウたんひどいキャモー…。





き…きんとうん?
どうやらミュウは戦いを止めに来たのではなく、
 自分のニセモノを消しに来たようです。
 この後ジョーイさんが言うように、生き物としては正しいのですが
 もしここでミュウが別なセリフを言っていたら戦いは終わったかもしれません。

みんな、待たせたな!!




心にも無いことを言うミュウたん。
「おかしいですよミュウツーさん!
 こんな戦いに何の意味があるんですか?
 コピーも本物もこうして別々に存在しているじゃないですか!?
 ボク達が戦う必要なんでどこにもないんですよ!!」


        「我々は別々に存在している…。
 ならば争うこと自体が無意味だというのか。
 みなさん、このミュウツーが多大なご迷惑を
 おかけしたことを心よりおわび申し上げます」

じゃ、失敬!


攻撃をするコピーピカチュウと
ひらすら攻撃を受けようとするピカチュウ。
こうなればいいんですが、実際のミュウツーは話し合いでは納得できない生き物です。
 ミュウツーがコピーも本物も同じように生きる生き物だと納得するには言葉ではない何かが必要でした。
 そして本物とコピーの戦いが始まりました。
 
ジョーイ「生き物は同じ種類の生き物には同じナワバリを渡そうとはしません。
 相手を追い出すまで戦い抜く、それが生き物です」
 タケシ「それが生き物。だけど、ミュウツーは人間が作った」 カスミ「でも今は生き物」
 サトシ「生き物、ミュウもミュウツーもピカチュウもあのピカチュウも」

他のトレーナーが戦いを見ているだけの中、同じ生き物が潰しあうこの戦いを止めなくてはならない、
 そう思ったサトシは自分の身を投げ出して戦いを止めようとします。



攻撃をくらい、なぜか石になるサトちゃん。
サトシは自分から本物、コピー両方の攻撃を受けとめようとした結果、命を落とします。
 ポケモンのために身を投げ出すサトシの行動にミュウツーは衝撃をおぼえます。
 
「バカな!? 人間が我々の戦いを止めようとした!?」
失ってしまった命を見て本物、コピー両方のポケモン達は涙を流します。
 そしてポケモンが流す涙が光となりサトシは生き返りました。
 再び甦ったサトシを見て喜ぶポケモンとトレーナー。
 本物もコピーも人もポケモンも関係ない、同じ平等な生き物である。
 ミュウツーにはその理屈が絶対に納得できなかった。
 だがサトシとポケモンを見てミュウツーの考えはゆらぎ、ミュウに語りかけます。


「たしかに、オマエも私もすでに存在しているポケモン同士だ。
この出来事は誰も知らないほうがいいのかもしれない。 忘れたほうが、いいのかもしれん」



じゃ、失敬!
オマエあやまれよ!!
かもかも言うミュウツーですが、これはサトシやオリジナルのポケモンにとってだけでなく、
 ミュウツー自身にとってもみんなが自分(コピー)の存在を忘れてくれたほうが良かいのかもしれないという意味でもあります。
むしろ忘れないでくれってほうが、あっているような気もするのですが。
たしかに、完全にコピーの存在を肯定できたのならそうしたでしょうが、この段階ではかも付けてるだけに肯定半分といったところです。
 それに結局自分が本物ではないという事実は変わりません。 だからミュウツーはひとまずこの一件を消して、姿をくらますことにします。

そしてサトシ達はミュウツーのチカラで記憶を消され、港に強制移動させられます。
 記憶を消されどうして自分が港にいるのかわからないサトシが言います。
 サトシ「どうしてオレ達、こんなところにいるんだ?」 カスミ「さぁ?いるんだから、いるんでしょうね」
 サトシ「ま、いっか!

ま、いっか! 行き着くところはこれなんだな。

最後はカスミ様が華麗にまとめました。

その後、ミュウツーが発生させていた嵐が晴れていき、ミュウツーの逆襲はエンディングになります。
 ですがこれでミュウツー抱かえた本物とコピーの問題が全て終わったわけではありません。
 この後、再びミュウツーに試練がやってくるのですが、それはまた別の物語になります。今回の解説はこれで終わりにします。
お読みいただいてありがとうございました。




ミュウツーの逆襲ルギア爆誕