「時を越えた遭遇」の時間の流れについて順序立てて解説しています。


 1
 まずユキナリ少年が森をブラブラしています。
 ユキナリはスケッチブックを持っています。
 2
 お姉さんのトワが現れました。
 3
 トワはユキナリにパンを渡します。
 これが過去から来た証しになります。
 4
 二人が分かれた後、
 セレビィがでてきます。
 ユキナリはセレビィの時わたり
 巻き込まれるんですね。
 5
 はい、巻き込まれました。
 森の声(時わたりの効果音)が鳴ります。
 6
 森の声が聞こえた後、
 トワは森へ引き返すのですが
 ユキナリ少年は
 どこかへ消えてしまった後でした。
 トワはスケッチブックを拾います。
 7
 40年経ちました。
 トワもスケッチブックもボロボロです。
 毎日呪文のように同じ事を喋ります。
 8
 そんな時、
 時わたりをしたユキナリが現れます。

 トワはユキナリが
 生きていた事を喜びます。
 パンも焼きたてのままです。
 9
 トワは40年経ったスケッチブックを
 ユキナリに返します。
 10
 ユキナリはスケッチブックに
 ピカチュウを描きます。
 これが未来に来た証しになるんですね。
 11
 パンはもう用なしなので、
 食べちゃいます。
 12
 証拠も出来たことで
 ユキナリはもとの時代へ帰ります。
 13
 はい、帰りました。
 戻った時間は5番と6番の間です。
 14
 ここでユキナリ君はフシギな事を言います。
 「時わたりで未来に行きました!」
 と言うと、大騒ぎになるからなのでしょうか。
 トワも事件にならず一安心です。
 15
 これで映画は終わりです。

 これだけなら、
 さわやかに終われるような気もします。
 が、当然この後も
 時代は流れていくのです!
 16
 40年の歳月は少年をオッサンにさせます。
 オーキド博士になったユキナリの
 研究所にはあの時の
 スケッチブックがあります。
 この時、スケッチブックは
 40+40で80年以上の
 年代物になっています。
 17
 ある日、サトシが森に立ち寄ると
 トワに注意されます。
 このとき、なぜかトワは
 40年経ったスケッチブック
 持っています。
 そしてオーキドはこの日、
 何が起こるかを知っているようです
 18
 ここで40年前から
 焼きたてパンを持った
 ユキナリが現れました!


 なぜかトワはユキナリが
 生きていた事を喜びます
 19
 そして40年経った
 ボロボロスケッチブックを
 ユキナリに返します。

 20
 その後、
 ピカチュウを描いて…
 21
 焼きたてパンを食べます。
 22
 そしてユキナリは
 もとの時代へ帰っていきます。
 23
 はい、帰りました。
 24
 そしてワケわかんない事を言って
 サヨナラします。
 25
 ああ、ワケわかんないの。
 この後は16へ戻ってループします。


ワケわからなかったですね。





でも、あえて…






無理やりワケわからせてみるのです


つまり、
この作品ではユキナリが過去に戻る事で歴史が上書きされ、
一時的に二つの歴史が存在する事になります。



歴史A・ユキナリは時渡り中であり、劇中で40年ぶりに姿をあらわす歴史。
歴史B・ユキナリは時わたりで40年後へ渡った後、
無事過去へ戻りオーキド博士になった、上書き済みの歴史。


そして劇中では2つの歴史を繋ぎ合わせて一本の作品に編集していると思われます。

物語序盤、サトシとオーキドが話すシーンは歴史B。
過去に戻ったオーキド・ユキナリは40年たち、
今日が時わたりをしたあの日だと思い出します。
そして物語ラスト、ケンジがスケッチブックを見つけるのも歴史Bです。

それ以外、サトシ達がハテノ村に入ってからユキナリが現れ、
過去へ帰っていくまでが歴史A。
この歴史Aではオーキド・ユキナリは40年前に未来に飛ばされるので、
ハテノ村の森でスケッチブックを残し、消失したということになっています。

最後に過去に戻ったユキナリがトワと話すシーンは
歴史AがBに変わった瞬間といえるでしょう。
歴史がAからBに変わったことで40年後、少年の自分が現代に時わたりしてくることも無くなったため、
ユキナリはトワに時わたりをした事を告げる必要が無くなったとも考えられます。

では、もし歴史Bのサトシたちが、ハテノ村に付いたらどうなるのでしょうか?
きっとユキナリにもセレビィにも会わずビシャスもセレビィを見つけられなかったのではないでしょうか。
地味な映画ですね。

(歴史Aの場合、オーキド不在のためシゲルも存在せず、
サトシがジョウト地方に行く理由も無いという事はひとまず忘れてください(汗))