そうこうしている間にも、
ハーリーの計画は着々と進んでいた。
ハーリー「フフフ…、サトコ達の中に
あの方が潜んでいるとも知らずに…
イブキとアザミには悪いけど
サトコの魔力が覚醒するために
犠牲になってもらうわ。
カスミ!ムサシを大広間へ!
ニャース!儀式の準備をしておきなさい!
「イエッサー!!ボス!」
シュッッ!!
「ムサシ、サトコ、カスミ、私、そしてあの方で5人…。
5人の魔力を合わせればコサブロウ様を…」 |

サトコ「ヘッ!男がなんでぇ!
何があろうがオレは
プリティー セクシー サトコっちなんだよっ!」
サトコは開き直った。
エリカ「まさかサトコちゃんが男だなんて・・・
たしかに不自然だった気もするけど・・・」
|

ムサシの魔法攻撃は続いていた。
ムサシ「あーもうめんどい!
ピーリカ♪ピリララ♪
オマエら全員地獄へおちろ!」
ルビー「ええっ!?」 |

ムサシの魔法によって、
突然床が開いた。
サトコ「わぁ―――――!
落ちる━━━っ!!! 」
「たったすけてーーー!!」
|

キョウ「ルビー!!
助けに来たぞーーって、アレッ!?」
サトコ「助かったぜダイゴキ!さすが害虫!」
ダイゴキ「ボクにはまだ
帰れるところがあるんだ・・・♪」
キョウ「な…なんなんだあの害虫は・・・!!」 |

「えーい!このゴキがッ!」
「ギャー!!お助け〜!」 |

ルビー「お待ちください、師匠!!
ゴキは私たちの仲間なんです!!」
|

「ええ!?
どうしたのルビーちゃん!?」
「友達のサトコには
恥ずかしくてずっとだまってたんだけど、
実はアタイ忍者のバイトやってたんだ!」
「バイトかよ!」
|

「サトコ!
イブキとアザミはアタイと師匠でなんとかする!
今のうちにオマエは
オマエのやるべきことをやれ!」
「私…いや、オレのやるべきこと…。
そうだ!
ムサシおばあ様を元に戻さなくては!」
ミー「サトコちゃん!
ちょっと聞いて!」 |

「実は少し前から
サトコちゃんに異常なまでの魔力を感じるの」
「どういうこと!?」
「おそらく、男だとバレたことで、
サトコちゃんはオカマ魔女として覚醒したに違いないわ!
サトコちゃん!このステッキを使って!
今、おばあ様と対等に
わたりあえるのはサトコちゃんだけよ!」
「わかった!オレやってみるよ!」 |

「オカマ魔法
ステッキで撲殺!」
ムサシを倒した。
「グッジョブ!
サトコちゃん!」
|

だがその時。
カスミ「フフフッ!ムサシを返して欲しくば、
地下の大広間まできなさい!」
シュッ!
カスミはムサシを連れて大広間へワープした。
「ああっ!おばあ様!」
エリカ「サトコちゃん!
大広間へ急ぎましょう!」 |

ミー「そうだ!サトコちゃん!
このツボも持っていって!
きっと役に立つわ!」
「よ、よくわかんないけど・・・
わかったぜ!」
|

サトコは大広間の扉を開けました。
「ロケット団!
おばあさまを返せ!!」
ハーリー「待ってたわよサトコちゃん・・・」
大広間にはアンノーン五芒星が描かれていました。
|

「フフフ、威勢のいい男の子だこと。
だけど、それも今日でおしまい。
足元をご覧なさい!」
「なっ!?これは魔方陣!
あぶない!罠か!!」
エリカ「とかいいながら、
思いっきり踏み込んでるし!」
|

「あれーー!?なんでミーちゃん捕まってんのーッ!?
俺より後ろにいたのに!!」
ミー「え?いや、このニャースなかなか強くってぇ」
カスミ「そしてこのスーパーおてんば魔女、
カスミ様を忘れてもらっては困るわ!!」
「カスミ!それにおばあ様!」
ニャース「ニャーハハハッ!
これで全員そろったニャース!」
ハーリー「さぁこれで儀式の材料はそろったわ!!」 |

いっぽうそのころ。
イブキとアザミを倒した
ルビーとキョウは大広間へ急いでいた。
キョウ「さぁ、友達の元へ急ごう!」
「はい師匠!」 |

「ハッ!このロケット団リーダーの女…
どこかで見たような…。あっ!!」
そこにはミーという名前が書いてありました。
「こ、これはもしや…
サトコ達が危ない!!」 |

「クッ…どうすれば良い・・・このままじゃ・・・」
ミー「サトコちゃん、ステッキとツボを使ってよ!」
「そうだ!えい!」
サトコがステッキを振り回すと、
電流の流れたムチが飛び出し
体に巻きついてきた。
そして腰に着けていたツボからは、
ツボツボモドキが出てきた。
「うわっ、何これ・・・ってウギャァァァ!?」
「キャハハッ!作戦成功だね・・・」 |

「ミ、ミーさん…。
これ、どうなってるんだ?」
「フフフ・・・
この儀式には高い魔力をもった魔女が必要だった…、
そこで私は子供の姿をかり、高い魔力を秘めた
魔女を探していたのよ!」
「・・・ま、まさか!?」
ミーの手から光が放った。
|

「これが私の真の姿…。
現、ロケット団リーダーのミー様よ!」
「ミーちゃんが
ロケット団のリーダー!!」 |

「今さら気付いてももう遅い!
今こそ史上最強の魔法使いであり、
先々代ロケット団総統、
コサブロウ様の復活よ!!」
「なんだこの強大な魔力は!
あんな男がこの世に復活したら、
世界は破滅するぞ!」
カスミ「もう遅いわ!
コサブロウ様復活の儀式は
すでに始まっているのよ!」 |

コサブロウの棺に魔力が送られ続ける
「クッ…
どうにかしようにも身動きがとれない…!
一体どうしたら…あれ?」
コサブロウを蘇らせるために出た
サトコの魔力が少しずつステッキに吸収されていく。
「こ、これは!!
ステッキの形がだんだん変わってきた!」 |

ハーリー「みなさい!!
ついにコサブロウ様がお目覚めになるわ!」
たがその時。
|
ルビー&キョウ「忍法爆裂雷撃波!!!」
ズゥゥゥン
ミー「なにッ!?」
キョウ「やったか!?」
|

ミー「コサブロウ様ッ!!
ご無事ですか…って誰!?」
コサブロウがいたところには
ナゼか細目がいました。 |

「えーい!コサブロウ様をどこにやった!」
キョウ「ファファファ!忍者を見くびってはならん!
煙にまぎれてコサブロウを
細目の者とすり替えたのでござる!」
「おのれぇぇ!
びみょうな嫌がらせを!」
|

「ギャァァーー!!!」
とつぜん細目は血を吐いて倒れました。
|

ルビー「なっ!
ヤツは私が捕まえていたハズなのに…!」
ミー「さすがはコサブロウ様!」 |

コサブロウ「ワハハハハッ!!
オマエらみんな皆殺しだぁ!心中してやるー!」
ミー「そ、そんなっ!
どうなされたのですコサブロウ様!」
コサブロウの周りに邪悪なオーラが漂ってきました。
サトコ「くそ!
まずはこのツボツボをなんとかしないと…!」
|

ダイゴ「サトコちゃん!」
サトコ「ダッ、ダイゴさん!?ゴキじゃなくなってる!」
「キモリのしっぽ魔法や
イマクニスーツは全てミーの魔法だったんだ!
おそらくヤツらが儀式に全魔力を使ったため、
ボクにかけられた魔法が解かれたんだよ!」
|

「とにかく、この事態をなんとかしなくては…!」
ダイゴはムサシに駆け寄り
魔方陣から彼女を抱き上げました。
「ナイス!ダイゴさん!あとはこの体が…」
その時、飛んできたクナイがツボツボに見事命中しました。
「ルビーちゃん!」
|

コサブロウ「まずはキサマらから皆殺しだ!」
ミー「そんな…コサブロウ様…
キャーーーッ!!」
「ヒヒャヒャヒャヒャ!
みんな死んでしまえ!」
サトコ「そこまでだ!
コサブロウ!!」 |

サトコはコサブロウにステッキを向ける。
「標的・・・コサブロウ!君に決めた!
くらいえ!
自慢のからげんきミサイル!」 |

「ふんっ! そんな攻撃、あたるものか!!」
「く、どうすれば・・・」
キョウ「からげんきは
状態異常でないと威力が小さいぞ」
キョウはサトコの耳元でボソッと言いました。
「キョ…キョウさん!いつのまに。」
キョウ「さぁ、コレをしょくし毒をさずかるが良い!」
「こ、これは、おばあ様が食べたゴクリンまんじゅう!
よーし、こうなったらイチカバチカだっ!!」 |

「くらいやがれーーーっ!!」
「ごがぁああ!」
キョウ「くわせるのかよ!」
(こ…この味は…そう…
あれはボクがロケット団二代目総統に
就任してからしばらくしたある日…)
「はぁ…朝から晩まで仕事仕事…」
「これじゃあ恋の一つもできやしないよ」
ムサシ「あら、恋なんていつどこで始まるか
誰にもわからないものよ、コサンジ君」
|

「コサブロウだよ!
それにボクのことは
総統と呼ばないといけないんだぞ!」
「あらそう。
ごめんなさいねコサンジ君」
それがボクたち二人の出会いだった。彼女はムサシ。
先月から団員に魔法を教えるためやって来た魔法教師だ。
その日から僕は彼女に心を奪われ、
いつしか二人は深く愛し合うようになっていた。
だが初代総統である父、ラッタは
ボクとムサシの関係を引き裂こうとした。
ラッタ「ラーッタッタッタッタ! オマエの婚約者は
東ロケット団総統の娘、 ヤマト嬢と決められてるラッタ!」
息子を惑わす雇われ教師は昨夜、
怒りの前歯の刑に処してラッタ!」
「!!ムサシが…!!そ…そんな…!」 |

「ああムサシ…!
君がいない世界なんて、ボクには耐えられそうに無い!」
「な、何をするラッタ!?」
「カイリュー!げきりんだ!!」
「は、はやまるなラッタ!
ムサシはまだ死んでは…うぼわぁー!」
「ヒヒャヒャヒャヒャ!
こうなったらカイリューのげきりんで心中してやる!
げきりん心中だ!」
「げきりん心中…げきりんしんじゅう…
ゴクリンまんじゅうーッ!!!」
サトコ「な、なにィーーーーッ!」
コサブロウの長いリアクションだった。 |

「ムサシー!
ボクはコサンジじゃなく
コサブロウなんだってばーッ!!」
コサブロの強大な魔力が暴走し、
メタコサブロウと化した!
「うわー、建物が崩れるー!!」 |

「ハッ!!そうだっ!
ムサばあをコサブロウに会わせれば、
なんとかなりそうな伏線を感じる!!
ダイゴさん!おばあ様は!?」
|

しかしダイゴはサトコの
からげんきミサイルが命中し、
黒コゲになっていた。 |

ダイゴ「ゴホッ…。お、おばあ様は…
ボクがかばって安全な所へ・・・」
「そうだったのか!ありがとうダイゴさん!
この恩は必ずカウンターで倍返しにするよ!」
|

「…サトコちゃん
…もうボクにできること無いのか…」
エリカ「いいえ、まだ私達でもできる事があります!」
「エリカちゃん?」
「私は今から魔女ハンター上層部に連絡して応援を呼んできます!
その間、ダイゴさんはサトコちゃんを手伝ってください!!
いくら魔女に覚醒したといっても、
サトコちゃん一人ではできない事もありますわ!」
ダイゴ「…分かった、ボクは行くよ!」
ダイゴはサトコの元へ走り出した。 |

そのころ…
サトコ「うおおおおおおおお!!
ばぁちゃんはどこなんだ!
くっそースカートうっとおしー!!」
サトコはスカートをまくりあげて走っていた。
新品のスイカ柄のパンツがあらわになっていた。 |

サトコがスイカ柄のパンツをあらわにしながら
ものすごい形相で走っていると…
サトコ「あっそうだ!
例の本におばあ様を元に戻す方法が書いてるかも
…こ、これはっ!?」 |

ダイゴ「あっ!いたいた!
おーい!サトコ君!」
「あ、ダイゴさん!ちょうど良いところに来た!
実は例の本に魔法効果解除の魔法がのってたんだ!
でもこの魔法はダイゴじゃないとできないんだよ!!」
「ああ・・・エリカちゃんの言ったとおりだ…。
やっぱり強くてすごいボクにしかできない事ってあるんだね!
で、その魔法の使い方って?」
本を見たダイゴさんの脳裏を、
微妙なトラウマがよぎりました。 |

「あはは〜、もうどうにでもなれてんだ〜」
ダイゴはプライドをかなぐり捨てて、
ヤドンのしっぽを自分のお尻につけました。
するとダイゴの姿はみるみるとヤドンの姿になり、
ひとあくびしました。 |

すると雨が降り始め、
今まで倒れていた人たちが起き上がりました。
ダイゴ「そうか・・・、これは「あまごい」。
しかもただの雨ではなく、生命の雨だ。
そして魔法の効果を打ち消す役割もあるんだ。
サトコ「ということは、
おばあ様もコサブロウも・・・」
ムサシ「ワシは…
今までいったい何をやっとたんじゃ?」
「おばあ様〜〜〜!」
「おやサトコ。これはいったい…」 |

「実はこれこれこういう事で…」
「なんと…ワシともあろうものが極悪魔女になっていたとは…」
コサブロウ「ボクはコサンジじゃない〜!
コサンジじゃない〜!」
サトコ「ええっ!?
コサブロウの姿が元に戻ってないっ!?」
ダイゴ「きっと、あまごいでは
コサブロウの強大な魔力を流しきれないんだ!」
「あの怪物は…コサンジくんかい!?」
「ボクはコサブロウだーッ!!」
|

ムサシ「!!」
サトコ「ああッ! おばあ様っ!!」
連絡を終えて戻ってきたエリカ「はぁはぁ…
どうやら今のコサブロウを説得するのは
むずかしそうですね」
サトコ「ど、どうしよう!?」 |

ムサシ「しょうがない子ね。
私が元に戻してあげるわ、コサンジ君!」
ミー「む、ムリよ!
いくらなんでも1人じゃ
コサブロウ様の魔力は止められないわ!」 |

サトコ「たしかに1人ではムリかもしれない…。
でもおばあ様にはオレがいるぜ!」
エリカ「そうね。
今のあなたならできるかもしれない。
ううん、きっとできるわ!
さぁ、おばあ様といっしょにコサブロウを元に戻すのよ!」
「OK!まかせてくれ!」 |

サトコ「なんだろう、この感じ。
どうすればいいかが自然と思い浮かんでくる…。
そう、これだ!
波動は我にあり!!」
ムサシ「戻りなさい・・・お願い、戻って!
コサンジーーーッ!!!」 |

コサブロウ「うわぁぁぁぁぁっ!!!」
魔法のチカラでコサブロウの体が朽ち果てていく。
「キミは…キミはムサシなのか…?
でもキミは死んだんじゃ...」
「コサンジ君…実は私、死んでなかったの!
怒りの前歯の刑はHPが半分になるだけだったのよ!」
刑の後、私はアナタの前から消えて、
遠い場所でひっそりと暮らすことにしたわ…。
アナタがげきりん心中したことを知ったのは
それからずいぶん後だった…。
「…なんだ、そうだったのか…。
全てはボクの早とちりがいけなかったんだ…。
…あぁ…、やっと会えたけど、
またお別れみたいだな…。」
コサブロウの体は崩壊し始めた。
「そんな!せっかく会えたのに!」 |

「コサンジ君…」
「泣くなよムサシ…
ボクはキミが生きていたってこと、
それがわかっただけで本当に嬉しいんだ…。
じゃあな…、天国でオマエが来る日を気長に待ってるぜ…。
「ダメよコサンジ君!
目を閉じちゃダメ!!」 |

「目を開けたまま死ぬのも
なんかイヤー!!」 |

サトコ「おばあ様!この数珠とお札を!!
コサブロウにお経を唱えてください!!
そうすればきっと成仏…いや、
ミラクルパワーでコサブロウは復活します!…かも」
サトコはコサブロウを成仏させる気だった。
ムサシ「おぉ、そうなのかい!!
よし今すぐ唱えよう!」 |

ジラーチ「えーん、えーん!
ボクのおふだ、
どっかいっちゃったよーって、
ボクのおふだが
すっごくイヤな使われ方してるーー!」
勢いあまってジラーチは
体の中に溜まったエネルギーを二人に放射した。 |

サトコ「なっ!?
お二人さんどうしたの!?」
コサブロウ「ジラーチからミラクルエネルギーをもらったら
急に元気がわいてきたよ!」
ムサシ「なんだか私も
イケイケなあの頃に戻ったみたいだわ!」
サトコ「んなアホな!?」
エリカ「ステキ!まさに愛が生んだキセキですわ!」
ルビー「まぁこれで丸く収まったし、
結果オーライなんじゃない?」
大団円を迎えた一同がロケット団本部をあとにすると
夜が明けてきた。
|

朝日に包まれながら
一同はそれぞれの思いにふけた。
エリカが呼んできた魔女ハンター部隊により
ロケット団員は一斉逮捕され、エリカは進級を約束され喜んだ。
元に戻れたダイゴと、おふだを取り戻したジラーチは
感動で涙を流した。
愛を取り戻したムサシとコサブロウを見つめるサトコは
女装がバレたことなどどうでも良くなりただほほ笑んでいた。
幸せそうな友達をルビーとキョウは静かに見守っていた。
コジロウと細目にはお墓を作ってあげた。
魔女っ娘ムサシ 完 |

「誰かーー!
ここから出してくれぇーーー!!!」
細目は死んでいなかった。 |