
それは…夏なのに虫の声も無く、
薄ら寒い夜の出来事でした…。
図書室の整理が終わった私は一人、
真っ暗な闇の中、家路を急いでいました。 |

しばらく歩いていると
コツコツと後ろから足音が聞こえてきました…。
「やだ…誰かしら…?まさかストーカー?
それとも誘拐犯、通り魔!?
…怖いっ逃げなきゃ!」
「あっ!」
あわてた私は、
つまづき倒れ込んでしまいました。
倒れた私がふと後ろを振り向くと…
|

「私の名前はディグダマン!
メガネがステキな お嬢さん!
私といっしょにディグダについて
語りませんか!?」 |

「やめんか!!」
「ディグダグッ!?」
「シュウ!」
あやしい男を殴り飛ばしたのは同級生のシュウでした。
「やれやれ、こんな変態がいるとは世も末だな…
キミも少し気をつけたまえ」
「あ、ありがとうシュウ・・・」 |

こうして私は再び
真っ暗な闇の中、家路を急いでいました。 |

しばらく歩いていると
コツコツと後ろから足音が聞こえてきました…。
「やだ…誰かしら…まさかまた
ディグダマン!?…怖すぎっ逃げなきゃ!」
「あっ!」
あわてた私は、
またつまづき倒れ込んでしまいました。
倒れた私がふと後ろを振り向くと… |

そこにはさわやかな顔で光り輝く
ねんりきポケモン フーディンが立っていました。
「やぁやぁお嬢さん…、
実は私、この先の神社の守護ポケモンでして…」
「か、関わりたくないのに…」 |

「ウチの神社が数週間前から困った事になってしまいまして…
そこでアナタ様のおチカラをお借りしたいと思い
呼び止めたのでございます」
ヒトミ「ちょっとまってよ!
何でそれが私なの!?」 |

「そ…それはヒトミ先輩は
分析とか得意らしいって聞いたもので…」
「し、シゲル君!」
フーディンの後ろには
後輩のシゲル君が隠れていました。 |

フーディン「実は少し前からウチの神社で、
おさいせん箱のお金が無くなってるのです。
その原因をアナタに解明してもらいたいんですが…」
「えっ、私が!?
いきなりそんな事言われてもねぇ」 |

「神社のために協力してください!
お願いします!」
「え、えっと・・・」
|

断る理由が見つからず、
私は神社へと連れて行かれました。
「す、スゴイ神社ね…」 |

神社へつくと、巫女の女の子がいました。
ハルカ「あっ!お帰りフーちゃん!!
ヒトミさんは連れてきた!?」
|

フーディン「はい。つれてまいりました。
この方ならきっと神社を救ってくれるでしょう」
ヒトミ「本当に私でいいのかしら…」
ハルカ「だいじょうぶ、だいじょうぶ!
んじゃ、まずは服を着替えてください!」
私は言われるがまま巫女衣装に着替え、
神社の調査をすることになりました。 |

ヒトミ「まずはともかく、
さいせん箱を調べてみましょう。ヨイショ!」
「あっ!」
なんと、さいせん箱の下には
大きな穴が開いていました。
「アンタたち、バカでしょ…」 |

穴をのぞいてみると、
たくさんのディグダとダグトリオがいました。
|

「・・・」
私は少し後悔しました。
|

そのころ…
シュウ「ヒトミ君が家に帰ってないと聞いたが心配だ。
…この神社に行ったみたいだが…すいませーん!」
ヒトミ「な!?誰かしら!?」
シゲル「こんな時間に
…もしかして、さいせんドロ!?」
ヒトミ「何ですって!
うおりゃぁあっ!さいせんドロめ!かくごーー!!」
シュウ「うわぁああぁっ!!」 |

「ギャアア!」
ヒトミ「…あらやだ!
シュウじゃない!!大丈夫!?」 |

「なぁに大したことは無いさ。
それより君はだれだ?
いやいや、ここはどこ?私は誰?」
シュウは記憶喪失になってました。 |

ヒトミ「ふむ…、どうやら
さいせん箱が置かれた後に
何者かが地面からさいせん箱まで、
穴を開けたってことになるわね」
シゲル「穴…。そう言えばこの神社の言い伝えに、
思い当たる話があります!フーディン!」 |

フーディン「はい。今から約千年前、向かいの山には
妖怪穴掘り男という化け物が住んでいまして
時々村へ降りてきては、
食べ物や村娘を奪っていったのでございます。
そこでシゲル様のご先祖である
オーキド・ユキナリ様が大穴に妖怪を落とし、
妖怪めを封印したのでございます」 |

ヒトミ「妖怪穴掘り男…!?
まさかそれってディグダマン!?」
シゲル「えっ!?ご存知なのですか!」
「ええ。ヤツは自分をディグダマンと名乗ってたわ」
「ふむ…原因はよくわかりませんが、
どうやらその妖怪が現代になって
再び目覚めたのは間違いありません!」
ハルカ「みなさん!
この穴を追っていけば
ディグダマンの手がかりをつかめるはずです!
行きましょう!」
こうして私達はディグダの穴へ入ることになりました。 |

ヒトミ「でも、
ディグダマンがまた出てきたらどうしよう…」
シュウ「お嬢さん…ボクの名前を知りませんか…?」
「…シュウ、許してっ!」
「ウワァアアァ!?」
とりあえず私はシュウを先頭にする事にしました。
「さぁ、彼に続いて!!」 |

ディグダの穴はとても細くて
果てしなく長い道が続いていました。
「この穴どこまで続いているのかしら」
ハルカ「!!ヒトミさん!あれ!」
「どうしたのハルカちゃん?」 |

「ギャアー−−!巨大ディグダマンだー!!」
シゲル「おちついて下さい!
これは作り物です!」
一同の前にあらわれたのは
巨大ディグダマンの像でした。
「なんなのコレ…
やけにピカピカに磨かれているわね…ん?
像の腕にボタンがついてる。フーディンさん!」
フーディン「はい!おまかせください!」
私は特に何も考えず
フーディンにボタンを押すよう命じました。
|

すると像が上へ持ち上がり、
フンドシがめくれて、
奥へ進む道がでてきたのです。
私は自分のしたことを心底後悔しました。
フーディン「おや!?
あそこにいるのはまさか!?」
|

「やぁしょくん!
ボクは細目ディグダマン!」
「で、でたーーーーーー!!!」
|

私は、恐ろしさをこらえながら、
なんとか話しかけてみることにしました。
「ディグダマン!
アナタが神社の地下に穴を…」
しかし私が言い終わらないうちに、
奥から他のディグダマンが現れましたのです。
シゲル「ディ…ディグダマンは
ひとりじゃないのか!?」
|

細目「なあに、恥ずかしがることはない!
ここに来たからは、もうボク達は仲間だ!」
なんとそこでは、
たくさんのディグダとディグダマンが穴を掘っていました。 |

シュウ「と言うと、ボクは君たちの仲間なのか!?」
細目「そういうことだ!!!」
シュウはまんまと細目にダマされてしまいました。 |

「ざけんなー!!!」
細目「アンギャーーー!!」
ハルカはクギバットを持ち出し、
ディグダマンを殴りました。 |

「何をするんだ!ボクは美人なお姉さんは好きでも、
君みたいな乱暴な子は嫌いだな!」
「ディグダマンになんて好かれたくないっての!
シュウくんを変態世界へ引きずり込むな!」
「へ…変態って、失敬だなキミは!しかたない!
初心者のキミ達に、
ディグダマンの素晴らしさ教えてあげよう!」
|

「こ…これは…!?」
奥の部屋へ行くと、巨大な木が植えられていました
「このディグダの樹こそ、
我らディグダマンの夢である!!」
「ディグダの樹!?」
「そう、このディグダの樹が完全生長し、
地下を突き抜け地上に現れたとき…
世界はディグダマンのものとなるのだ!」 |

シゲル「そうか!わかったぞ!
妖怪穴掘り男は封印が解けた後、
地上へ出ては人間をさらい、
地下世界でディグダの樹を育てる
ドレイにしていたんだ!」
細目「ドレイではない!
マスター・ディグダマンこそ、
我らが神であり全て!」
|

細目「さぁ!キミ達も
ディグダマンになろうではないか!」
ハルカ「いやーーー!
来ないでー!」 |

ヒトミ「ハルカちゃん!
これを使って!」
「え!?」
|

ハルカ「こ…これは!?」
ヒトミ「これは伝説のアイテム、強盗マスク!
これをかぶってディグダマンをおどかせば
ビビって命ごいをするハズよ!」
「わかりました!やってみます!」
|

「オラオラこのド変態がーッ!
死にたくなかったら、おとなしくしやがれ!」
細目「ひええええっ!
い、命だけはーーー!」
「やったぜ!ハルカちゃん!」 |

「…って
なに勝手にストーリィ考えてんだよ!
クソギツネ!」
|

ヒトミ「とにかくハルカちゃん!
この強盗マスクを使って!」
「ホントに持ってるのかよ!!」
|

「これをかぶってディグダマンをおどかせば…」
|

シュウ「美しい・・・」
ハルカ「な、なにぃーーー!?」 |

「やぁだぁ。シュウ君ったら!
でもどうせなら
マスクをはずした時に言って欲しいわ」
そう言って二人はいちゃつき始めました。 |

「オラオラオラオラオラオラーッ」
その時、シゲルくんのオラオラパンチが
細目ディグダマンを圧倒しました。
「てめーはオレを怒らせた」 |

「ふぅ、すっきりした…。
ところでヒトミさん!
今のシュウとハルカを見て、
例の伝説で思い出したことがあるんです」
ヒトミ「えっ!?」
|

シゲル「僕の先祖には、お弟子さんがいました。
ところがある日、その恋人が
穴掘り男にさらわれてしまったのです。
そして妖怪が封印された後、
弟子は恋人を助けに行ったのですが
彼女にはナゼか変なマスクが付けられていて、
外す事も出来ない状態でした。
しかし弟子はそれでも彼女を愛し続けたそうです」
ヒトミ「フム…妖怪と変なマスク…
気になるわね」
|

細目「オイ!さっきはよくもやってくれたな!」
ヒトミ「ほ、細目!生きてたのか!」
「オマエらは牢獄へ行き、
最高幹部に処分してもらう!ボチッとな!」
ヒトミ「キャーーーッ!!」
ディグダマンがスイッチを押すと
地面に穴が開き、まっさかさまに落ちてしまいました。 |

ヒトミ「…う〜ん、ここは…」
シゲル「どうやら牢屋みたいですね」
ハルカ「見て!また別のディグダマンが来たわ!」
「ボクは子分ディグダマン!これからオマエらは
最高幹部、コゴミ様によって処罰が下されるのだ!」
|

周りが急に暗くなり 一人の女が出てきました。
コゴミ「牢屋から出なさい!
侵入者であるアナタ達は全員、
ディグダの間でディグダ漬けになってもらうわ!」
ヒトミ「ディグダ漬けですって!!」
ディグダ子分はヒトミ達を牢屋からだしました。
そのときです。
|

タケシ「細目フラーッシュ!!」
コゴミ「キャー! 何がおこったの!?
まぶしくて何も見えない!」
「さあみんな!
今のうちに!!」
|
私達はナゾの男に導かれ洞窟を走りました。
ヒトミ「あの…どなたか存じませんが感謝します」
「ボクはタケシ。少し前まで細目ディグダマンだった男だ」
シゲル「ディグダマンだと!」
タケシ「さっきはすまなかった。
実は君に殴られたとき、
その衝撃でボクの洗脳は解けていたんだ。
だが他のディグダマン達がいる中、
ああするしかなかった、許してくれ」
「そうだったの…」
「この道をまっすぐ行けば、ディグダの樹がある部屋につく。
樹を破壊すればディグダマンの野望はついえるハズだ!」
?「そんなことは させないぞ!」 |

「オ…オマエは
マスターディグダマン!!」
マスター「フフフ…タケシ君!
キミなら私の理想を
理解できると思っていたが、残念だよ!
反逆者には死、あるのみ!
キミとはここでお別れだね!」 |

ディグダの野望
中編へ続くよ! |