掲載日 05年11月05日
 みんなで作ったリレー小説
  「ディグダの野望」はじまるよ!

もくじ前編中編後編




それは…夏なのに虫の声も無く、 
薄ら寒い夜の出来事でした…。 
 
図書室の整理が終わった私は一人、 
真っ暗な闇の中、家路を急いでいました。

しばらく歩いていると 
コツコツと後ろから足音が聞こえてきました…。 
 
「やだ…誰かしら…?まさかストーカー? 
 それとも誘拐犯、通り魔!?
 …怖いっ逃げなきゃ!」

「あっ!」 


あわてた私は、
つまづき倒れ込んでしまいました。 
倒れた私がふと後ろを振り向くと…



「私の名前はディグダマン!
 メガネがステキな お嬢さん!
 私といっしょにディグダについて
 語りませんか!?」

「やめんか!!」
「ディグダグッ!?」 

「シュウ!」 
あやしい男を殴り飛ばしたのは同級生のシュウでした。
 
「やれやれ、こんな変態がいるとは世も末だな…
 キミも少し気をつけたまえ」
「あ、ありがとうシュウ・・・」 


こうして私は再び 
真っ暗な闇の中、家路を急いでいました。

しばらく歩いていると 
コツコツと後ろから足音が聞こえてきました…。 
 
「やだ…誰かしら…まさかまた
 ディグダマン!?…怖すぎっ逃げなきゃ!」
 
「あっ!」 


あわてた私は、
またつまづき倒れ込んでしまいました。 
倒れた私がふと後ろを振り向くと…


そこにはさわやかな顔で光り輝く
ねんりきポケモン フーディンが立っていました。 

「やぁやぁお嬢さん…、
 実は私、この先の神社の守護ポケモンでして…」

「か、関わりたくないのに…」 


「ウチの神社が数週間前から困った事になってしまいまして…
 そこでアナタ様のおチカラをお借りしたいと思い
 呼び止めたのでございます」 

ヒトミ「ちょっとまってよ!
 何でそれが私なの!?」
 


「そ…それはヒトミ先輩は
 分析とか得意らしいって聞いたもので…」


「し、シゲル君!」 


フーディンの後ろには
後輩のシゲル君が隠れていました。 


フーディン「実は少し前からウチの神社で、
 おさいせん箱のお金が無くなってるのです。 
 その原因をアナタに解明してもらいたいんですが…」


「えっ、私が!?
 いきなりそんな事言われてもねぇ」


「神社のために協力してください!
 お願いします!」

「え、えっと・・・」
  

 


断る理由が見つからず、
私は神社へと連れて行かれました。

「す、スゴイ神社ね…」  


神社へつくと、巫女の女の子がいました。 

ハルカ「あっ!お帰りフーちゃん!!
 ヒトミさんは連れてきた!?」


フーディン「はい。つれてまいりました。
 この方ならきっと神社を救ってくれるでしょう」

ヒトミ「本当に私でいいのかしら…」

ハルカ「だいじょうぶ、だいじょうぶ!
 んじゃ、まずは服を着替えてください!」


私は言われるがまま巫女衣装に着替え、
神社の調査をすることになりました。


ヒトミ「まずはともかく、
 さいせん箱を調べてみましょう。ヨイショ!」


「あっ!」

なんと、さいせん箱の下には
大きな穴が開いていました。 

「アンタたち、バカでしょ…」


穴をのぞいてみると、
たくさんのディグダとダグトリオがいました。 


「・・・」
 
私は少し後悔しました。


そのころ…
シュウ「ヒトミ君が家に帰ってないと聞いたが心配だ。
 …この神社に行ったみたいだが…すいませーん!」

 
ヒトミ「な!?誰かしら!?」 
シゲル「こんな時間に
 …もしかして、さいせんドロ!?」
ヒトミ「何ですって!
 うおりゃぁあっ!さいせんドロめ!かくごーー!!」

シュウ「うわぁああぁっ!!」


「ギャアア!」 

ヒトミ「…あらやだ!
 シュウじゃない!!大丈夫!?」


「なぁに大したことは無いさ。
 それより君はだれだ? 
 いやいや、ここはどこ?私は誰?」

 
シュウは記憶喪失になってました。


ヒトミ「ふむ…、どうやら
 さいせん箱が置かれた後に
 何者かが地面からさいせん箱まで、
 穴を開けたってことになるわね」 
シゲル「穴…。そう言えばこの神社の言い伝えに、
 思い当たる話があります!フーディン!」


フーディン「はい。今から約千年前、向かいの山には
 妖怪穴掘り男という化け物が住んでいまして 
 時々村へ降りてきては、
 食べ物や村娘を奪っていったのでございます。 
 そこでシゲル様のご先祖である
 オーキド・ユキナリ様が大穴に妖怪を落とし、
 妖怪めを封印したのでございます」

ヒトミ「妖怪穴掘り男…!?
 まさかそれってディグダマン!?」

シゲル「えっ!?ご存知なのですか!」
「ええ。ヤツは自分をディグダマンと名乗ってたわ」
「ふむ…原因はよくわかりませんが、 
 どうやらその妖怪が現代になって
 再び目覚めたのは間違いありません!」 

 
ハルカ「みなさん!
 この穴を追っていけば
 ディグダマンの手がかりをつかめるはずです!
 行きましょう!」

こうして私達はディグダの穴へ入ることになりました。


ヒトミ「でも、
 ディグダマンがまた出てきたらどうしよう…」

シュウ「お嬢さん…ボクの名前を知りませんか…?」
「…シュウ、許してっ!」
「ウワァアアァ!?」

とりあえず私はシュウを先頭にする事にしました。
「さぁ、彼に続いて!!」


ディグダの穴はとても細くて
果てしなく長い道が続いていました。 

「この穴どこまで続いているのかしら」

ハルカ「!!ヒトミさん!あれ!」
「どうしたのハルカちゃん?」


「ギャアー−−!巨大ディグダマンだー!!」 
シゲル「おちついて下さい!
 これは作り物です!」
 
一同の前にあらわれたのは
巨大ディグダマンの像でした。
「なんなのコレ…
 やけにピカピカに磨かれているわね…ん?
 像の腕にボタンがついてる。フーディンさん!」

フーディン「はい!おまかせください!」

私は特に何も考えず
フーディンにボタンを押すよう命じました。


すると像が上へ持ち上がり、
フンドシがめくれて、
奥へ進む道がでてきたのです。 

私は自分のしたことを心底後悔しました。

フーディン「おや!?
 あそこにいるのはまさか!?」



「やぁしょくん!
 ボクは細目ディグダマン!」


「で、でたーーーーーー!!!」


私は、恐ろしさをこらえながら、 
なんとか話しかけてみることにしました。 
「ディグダマン!
 アナタが神社の地下に穴を…」

 
しかし私が言い終わらないうちに、 
奥から他のディグダマンが現れましたのです。

シゲル「ディ…ディグダマンは
 ひとりじゃないのか!?」


細目「なあに、恥ずかしがることはない!
 ここに来たからは、もうボク達は仲間だ!」


なんとそこでは、
たくさんのディグダとディグダマンが穴を掘っていました。 


シュウ「と言うと、ボクは君たちの仲間なのか!?」

細目「そういうことだ!!!」


シュウはまんまと細目にダマされてしまいました。 


「ざけんなー!!!」
細目「アンギャーーー!!」


ハルカはクギバットを持ち出し、
ディグダマンを殴りました。


「何をするんだ!ボクは美人なお姉さんは好きでも、
 君みたいな乱暴な子は嫌いだな!」
「ディグダマンになんて好かれたくないっての!
 シュウくんを変態世界へ引きずり込むな!」 

「へ…変態って、失敬だなキミは!しかたない!
 初心者のキミ達に、
 ディグダマンの素晴らしさ教えてあげよう!」


「こ…これは…!?」

奥の部屋へ行くと、巨大な木が植えられていました
「このディグダの樹こそ、
 我らディグダマンの夢である!!」
「ディグダの樹!?」
「そう、このディグダの樹が完全生長し、
 地下を突き抜け地上に現れたとき…
 世界はディグダマンのものとなるのだ!」


シゲル「そうか!わかったぞ!
 妖怪穴掘り男は封印が解けた後、
 地上へ出ては人間をさらい、
 地下世界でディグダの樹を育てる
 ドレイにしていたんだ!」


細目「ドレイではない!
 マスター・ディグダマンこそ、
 我らが神であり全て!」



細目「さぁ!キミ達も
 ディグダマンになろうではないか!」



ハルカ「いやーーー!
 来ないでー!」


ヒトミ「ハルカちゃん!
 これを使って!」
「え!?」


ハルカ「こ…これは!?」
ヒトミ「これは伝説のアイテム、強盗マスク!
 これをかぶってディグダマンをおどかせば
 ビビって命ごいをするハズよ!」

「わかりました!やってみます!」


「オラオラこのド変態がーッ!
 死にたくなかったら、おとなしくしやがれ!」


細目「ひええええっ!
 い、命だけはーーー!」

「やったぜ!ハルカちゃん!」


「…って
 なに勝手にストーリィ考えてんだよ!
 クソギツネ!」

ヒトミ「とにかくハルカちゃん!
 この強盗マスクを使って!」


「ホントに持ってるのかよ!!」


「これをかぶってディグダマンをおどかせば…」


シュウ「美しい・・・」


ハルカ「な、なにぃーーー!?」


「やぁだぁ。シュウ君ったら!
 でもどうせなら
 マスクをはずした時に言って欲しいわ」 

そう言って二人はいちゃつき始めました。 


「オラオラオラオラオラオラーッ」

その時、シゲルくんのオラオラパンチが
細目ディグダマンを圧倒しました。

「てめーはオレを怒らせた」


「ふぅ、すっきりした…。
 ところでヒトミさん!
 今のシュウとハルカを見て、
 例の伝説で思い出したことがあるんです」


ヒトミ「えっ!?」


シゲル「僕の先祖には、お弟子さんがいました。
 ところがある日、その恋人が
 穴掘り男にさらわれてしまったのです。
 そして妖怪が封印された後、
 弟子は恋人を助けに行ったのですが
 彼女にはナゼか変なマスクが付けられていて、
 外す事も出来ない状態でした。
 しかし弟子はそれでも彼女を愛し続けたそうです」

ヒトミ「フム…妖怪と変なマスク…
 気になるわね」



細目「オイ!さっきはよくもやってくれたな!」

ヒトミ「ほ、細目!生きてたのか!」


「オマエらは牢獄へ行き、
 最高幹部に処分してもらう!ボチッとな!」


ヒトミ「キャーーーッ!!」

ディグダマンがスイッチを押すと
地面に穴が開き、まっさかさまに落ちてしまいました。


ヒトミ「…う〜ん、ここは…」
シゲル「どうやら牢屋みたいですね」
ハルカ「見て!また別のディグダマンが来たわ!」

「ボクは子分ディグダマン!これからオマエらは
 最高幹部、コゴミ様によって処罰が下されるのだ!」


周りが急に暗くなり 一人の女が出てきました。

コゴミ「牢屋から出なさい!
 侵入者であるアナタ達は全員、
 ディグダの間でディグダ漬けになってもらうわ!」

ヒトミ「ディグダ漬けですって!!」

ディグダ子分はヒトミ達を牢屋からだしました。
そのときです。



タケシ「細目フラーッシュ!!」

コゴミ「キャー! 何がおこったの!?
 まぶしくて何も見えない!」


「さあみんな!
 今のうちに!!」


私達はナゾの男に導かれ洞窟を走りました。 
ヒトミ「あの…どなたか存じませんが感謝します」 
「ボクはタケシ。少し前まで細目ディグダマンだった男だ」 
シゲル「ディグダマンだと!」 
タケシ「さっきはすまなかった。
 実は君に殴られたとき、 
 その衝撃でボクの洗脳は解けていたんだ。 
 だが他のディグダマン達がいる中、
 ああするしかなかった、許してくれ」 

「そうだったの…」

「この道をまっすぐ行けば、ディグダの樹がある部屋につく。
 樹を破壊すればディグダマンの野望はついえるハズだ!」 

?「そんなことは させないぞ!」

「オ…オマエは
 マスターディグダマン!!」

 
マスター「フフフ…タケシ君! 
 キミなら私の理想を
 理解できると思っていたが、残念だよ! 
 反逆者には死、あるのみ!
 キミとはここでお別れだね!」



ディグダの野望

中編へ続くよ!



もくじ前編中編後編