掲載日 06年04月04日
 「ヒッキーヒロシ」中編だよ!

もくじ前編中編後編



二人がはるかなるれいほうを目指して旅に出てから
しばらくしがたった。
「ぜぇぜぇ…、もうダメ…。ちょっと休もうよぉ…」
ヒロシは長い引きこもり生活のせいで
体力が落ちていた。

「まったく、ほんとひ弱よねぇヒロシは」
「やれやれ…、あの時は勢いにのって
 大役引き受けちゃったけど、
 やっぱりボクみたいな引きこもりが世界を救う勇者だなんて
 何かの間違いなんじゃないかな…」


「この森いつまで続くのかな…」 

「う〜ん、そうねぇ…。
 野生のポケモンに聞いてみましょうか!」
 

ポケモンの着ぐるみをきたブルーは
妙に楽しそうだった。


「あそこに見えるは野生のソーナンス!
 すみませ〜ん、
 ちょっとおたずねしたいことが〜」
 

「はい?」

「私たちはるかなるれいほうに…って、
 このソーナンス、人間!?」



「さよう!聞いて驚け!
 ボクこそこの森に住む着ぐるみ族のサトシ!
 俺はこの森の番人をしているのだ!」
 

「う、うさんくせーッ!!」 

「よし!オマエら!
 この森からでる道を教えて欲しければ
 この箱におさいせんを入れな!!」


サトシは金を要求してきた。

「う〜ん、今は先を急ぐし、
 しょーがないわねー、
 ネコジャラシでも渡しとこう…」

 
だが着ぐるみの野太いツメはなかなか思うように動かず
ウッカリとうめいなはねを落としてしまった。 
 
「あぁーーっっっ!!
 それはとうめいなはね!」
 


「ボクら着ぐるみ族の唯一神、エンテイ様が 
 予言していた東からの訪問者とは 
 まさかキミたちのことか…? 
 キミ達!この森の奥にボクらの村がある。 
 ついてきな!」


そういうとサトシは森の奥へ歩き出した。
だが・・・。 
 
「こ…これは!?」

「キヨ!!何があったんだ!!」 
「フ…フロンティア団だ…。 
 ヤツら…エンテイ様のチカラを手に入れようと、 
 村の宝であるメイドボールを奪っていった…」
 
「ゲットしたポケモンはメイドになってしまうと言われる 
 一族の宝玉がか!?」
 
「ヤツらはエンテイ様のところへ向かった…
 ガクッ!!」
 
「クソ…ッ。 すまないがボクは用事ができた。 
 キミ達はこの先の道を北に行き森を出ていけ!」
 
そういうとサトシは走って行った。 
「あ!ちょっと!」

「ど、どうしよう…、
 ボクらは言われた通り森から出ようか…」

「ダメよヒロシ!
 サトシくんを追いましょう!
 彼はきっとかたきを討ちにいったハズよ!」
 
「えっ!で、でもボクらが行ったところで…」 
「グダグダいわないの!」 
二人はサトシを追って走り出した。


そのころ…

「ほんと手ごたえなかったわねー」 
 
「フフ…リラが村の地形に詳しかったおかげで
 楽に攻略できたわ…。
 このメイドボールさえあれば、
 神のチカラをも手に入れられるのね…」
 

「リラ!
 エンテイはアンタらの神様だろう?
 コイツはオマエが使いな!」
 
「…」

「エニシダ団長、
 ポケモンを休ませるのはこの辺にして
 そろそろ出発しましょうぜ」
 
「そうだな…。
 きぐるみ族が言うには
 エンテイはこの先の火山に住むという」
 
 

「伝説のポケモンのチカラ…、
 必ず手に入れてみせる!!いくぞっ!」


フロンティア団はエンテイのいる火山へ向かった 

その頃ヒロシ達は…

「待ってサトシくん!一人では危ないわ!!」 
「オマエら!?まだこの森にいたのか!」 
「キミのやろうとしている事は想像がつく…。
 でもムリだよ!返り討ちになるだけだ!」

「だまれ!このままでは反逆者どもに
 エンテイ様まで奪われてしまう!
 オレは着ぐるみ族として
 反逆者からエンテイ様を守る義務があるんだ!」

「反逆者?…フロンティア団っていったい?」 
「…ヤツらはそれぞれの一族を守護する神に逆らい、
 村を追放された反逆者どもの集まりだ」
 
「一族の神…!?」 
「この森に存在する一族には
 みんな神ポケモンがついている」

「きぐるみ族にはエンテイが…」

「そう…そしてきぐるみ族にも反逆者はいた…」

「…今から数年前、
 オレの親友だったリラは
 エンテイのチカラを手に入れようとした。
 結局それは失敗に終わったが、
 アイツは一族から追放されることになったんだ…」


「サトシ…」

「もしもアイツがフロンティア団に入って
 一族を皆殺しにしたというのなら、
 オレはアイツを許さない!!」

そういうと、サトシは再び走り出した。

「あっ!まってよ!」

フロンティア団は火山のふもとに到着していた。
「ついた…。
 この奥にエンテイがいるハズだ」


「よし、リラと私は火山の奥へ行き
 エンテイを手に入れる!
 ジンダイ、ヒース、コゴミは
 いっしょ来て私たちのサポート。
 アザミ、ダツラ、ウコンはここで待機。
 日が暮れても戻ってこなかった場合、
 救助に来ること!」

「ラジャー!」

「リラ?アンタさっきから
 ぼーっとしてるよ?」
 
「う、うん…」 

その時、
メイドボールが光りだした。 

「なっ!?
 リラがメイドさんになっている!!」
 
「ご主人様ぁ〜♪」 

「…って、
 なんでボクがこんな格好に…うわぁ!」
 
リラはしりもちをついた。 

「こっコレはまさか
 ドジッ娘メイド!?」
 

「持ち主さえもメイド化してしまうとは… 
 恐ろしきメイドボール!」
 



一方そのころ、
火山の奥にいるエンテイは
メイドボールの接近を感知していた。 
「やっべ〜、大変なことになったぞ!!
 このままだとオイラもメイドさんにされちゃうよ!!
 この事をマブダチのライコウとスイクンに伝えないと…!」
 

エンテイはライコウとスイクンに電話をした。
だが二匹ともるすだった。


その頃ライコウとスイクンは…。 
「イヤッハー!!!
 今年のゲレンデはオレ様のものだぜぇーーッ!!」
 


「いいんだ・・・。滑れなくたって・・・、
 雪だるまだって・・・楽しいさ・・・」


エンシダ達が火山に突入してから数分後、
ヒロシ達もやっと火山のふもとに到着した。 
「…サトシくん、どうしたの?立ち止まって・・」 
「あれは…フロンティア団!気をつけろ!」

「フフ…どうやらさっそくジャマ者が来たみたいね…。
 行ってもらいます!ハブネーク!」


「サトシ!!危ない!」 

「ぎゃあああああああ!!」
「なにィ!?私のハブネークが!!」
「オ…オマエは…、クルーズ!?」 
「お久しぶりですヒロシさん!」
「クルーズ!!地球に戻ってこれたのか!!」
「ハイ!広大な宇宙空間でもあきらめないことで、
 ボクは地球に戻って来ることが出来ました!!
 ハブネークの相手はボクに任せてください!!」
 
 


「よし、今がチャンスだ…。
 サトシ!この場はボクとクルーズがなんとかするから、  
 君はブルーを連れて先へ行ってくれ!」
 
「ヒロシ…すまないがそうさせてもらう!」
「ああ…、オマエら!これを見ろ!」
ヒロシはバッグから本を取り出した
「これぞ糸目男児だけで構成されたアイドルグループ
 『糸目ーズ』の写真集、
 『おまえのハートを射止めるぜ』だーーーーーッ!」
 
「何このマニアックなグループ!? 
    100%気を引けないよ!」
 
「ウコンのジジイ、オレ達の知らない間に
 アイドル活動なんかしてたのか!?」


「ど〜だ〜!欲しいだろ〜!!
 はやいもん勝ちだぜ〜!」
 


フロンティア団があぜんとしている間に
サトシとブルーは先を急ぐことにした。

「フン、先にはコゴミ達がいる。
 どちらにしろオマエらはここまでだぜ!
 おいコラ!ウコン!昼寝してねぇで起きやがれ!」

「う〜ん、飯はまだかの〜」 
「…チッ!しゃあねえなぁ。
 おいバンギラス!オレのポケモンと勝負だ!」

「破壊光線!」 
「ってギャーーーー!」


「ギャーッ!!
 ダツラが黒コゲにー!!
 ちょっと ウコン!アンタも寝てる場合じゃ・・・」
 

「・・・逝ける!!」 
「行くなーーーーーー!!!」 
 
アザミは目の前がまっくらになった。

ヒロシは再起不能になった三人を後にして
洞窟の中へ入っていった。 
「このままじゃブルーが危ない…!」



そのころエニシダとリラは… 
「見えました!
 あれがエンテイのいる帝王の間です」
 


「よし、私が先にしかける。
 リラはスキを見てエンテイをゲットだ」


バン!
エニシダは勢いよく門を開けた。

「何か? 」
「ひ、ひぇーーーーーッ!」


「団長 落ちついてください!!
 これはエンテイではありません!」


「な、なんだって!?」



よく見るとエンテイは立体映像で
声はスピーカーから出ていた。


「こんなワナをしかけるとは…
 エンテイはよほどのビビリらしいな」
 


「帝王の間にいないとなると
 さらに奥の『引きこもりの間』にいると思われます。
 行きましょう団長!」


そのころ引きこもりの間では
エンテイが大きな体を震わせていた。 

「ヤバイよヤバイよ…
 このままじゃメイドエンテイになっちゃうよぉ…
 そんなのイヤだ神様たすけてぇ!」


「泣かないでパパ…。 
 パパを泣かせるヤツは
 ミーがやっつけてあげる!」
 
 
「ミー!?」


「ミーにはムリだ!
 オマエは隠れていなさい!」

「だいじょうぶ!ミーにはアンノーンがついているもん!
 それにパパをメイドにするのはミーだからね!!」
 
ミーの狙いはパパのメイド姿でした。 
「え…あぁ…。ミーが望むなら・・・」 

「パパ!ミーのことをご主人様と呼んでみて!」 
「ご…ご主人様…」 
バン!
「いましたっ!
 あれが本物のエンテイです!」
 
「ふふふ、ついに見つけたぞエンテイ!」 

「チッ…来たわね!
 いでよ!アンノーン!
 メイド姿にかけてヤツらからパパを守って!」
 
「な、ナニィ!?
 お嬢ちゃんのメイド姿!?」
 
アンノーンAはミーのメイド姿と勘違いして
気合を入れるのだった。


「くらえ!
 奥義アンノーン乱れ撃ち!!」
 


「ギャー!! 
 オイラのプラモデルが!!!」


そのころ、サトシとブルーは全速力で
エンテイのいる帝王の間を目指していた。 

「なんだか熱くなってきたわね・・・」 
「それだけエンテイ様のところへ
 近づいてきた証拠だ!急ごう!」
 
すると…

「なんだオマエらは!」
「あっ!」 


「フロンティア団か!」 

「オマエは着ぐるみ族の生き残りか」
 ここまでやってくるとはバカなやつらね。 
 ここまで来た以上、死んでもらうわ!」
 

「ボクの美技『マッハウインク☆』をくらうがいい! 
 レッツ☆エンターテインメント!!」

ヒースは高速でウインクをした。
「うわあああ!きゅ、急にめまいがーッ!!」 
サトシは倒れた。
「サトシ君!」 

「フフ…嬢ちゃん。
 そいつを置いて逃げるなら今のうちだぜ」
 
「くっ…、このままじゃやられる…」 
「ぎ、ぎもぢわるい〜」
「…やるしかなさそうね…」 

ブルーはリストバンドをはずした。 
落ちたリストバンドから重く鈍い音がした。 


「これで体が軽くなったわ…
 しゃーーんにゃろーーーーーー!」
 

ブルーは狂ったように叫びながら
ジンダイに向かってこぶしを投げつけた。 
そう、かつてのアイリーン女王の様に…。 

「ぬぅ この小娘・・・・できる! 
     俺も本気を出さないといけないようだな!」
 
 
そう言うとジンダイは
どこぞの拳法の構えをとった。 

「…面倒な事になりそうだわね。 
 ならば波導弾で片付けるわ!」
 
実はブルーは密かにアイリーンから 
波導弾を伝授されていた。
 
「ちょ?!ちょっと何かやばくない? 
 ジンダイ、コゴミ!何とかしてよーって、逃げてるし!」
 
 
「波導弾!!」 



「ハギャーーッ!!」 
 
ヒースはブルーの波導弾に当たり
どこかへ飛ばされて行きました。 
 
「ブ、ブルー…」
 
サトシは横で震えていた。


その頃、引きこもりの間では… 
「ぐうう…、この小娘、
 思ったより強いぞ…」
 
「しっかりしてください団長!」

すると、コゴミとジンダイがやってきました。 
「大変です!エニシダ様!
 って何コレ!?」
 

「…チッ!
 アンタ達もパパを狙ってるのね!覚悟!」

ミーはコゴミ達に攻撃し始めた。
「イヤーッ!助けてーッ!」
「ハッ!今がチャンスだ!」
 


「リラ!メイドボールを使え!」
「ハイ! いっけぇー、メイドボール!」
「しまった!!」 
リラはエンテイに向かってメイドボールをブン投げた。
だが、ドジっ娘メイドの投げたボールは
あさっての方向に飛んでいった。 

「ゲッ!こっちにきたー!?」

「ああぁーーーっ!!
 どっ、どけえぇーー!!」
 


「メイドになんてなってたまるかよーッ!」

ジンダイは必死でメイドボールを避けると
ボールは破壊された壁をすり抜け
そのままヒロシのところへ飛んでいった。


「…ハッ!?な、なんだアレは…」


「…って、ホワァァーーーーーッ!!」 

ヒロシは奇跡的な動きにより
メイドボールを回避した。

「こ、これはサトシが言っていたメイドボール!?
 なんでこんな物が…?」
 
ヒロシはメイドボールが飛んできた方向へ走った。 

「リラーッ!
 どこに投げてるんじゃい!」
 
「ごごご、ごめんなさ〜いっ」 


「エンテイ様ーッ!ご無事ですか!? 
 ハッ…!オマエはリラ…!?」
 
「サトシ…!!」 

一方、雪山の2匹は・・・
「…ハッ!スイクンのあんちゃん!
 ボクのシッポがエンテイ君の身に
 危険が迫っていると伝えてるよ!」

「なに!?ていうかオマエ、
 そんな能力隠し持ってたのか!」

「イェス!あんちゃん!」
「我らの兄弟がピンチということは
 助けに行かないとならないな!」

「うん!どうせヒマだし、あんちゃんを助けに行こう!」
「そうだな、ヒマつぶしにはいいな」
「うん、ヒマつぶしだね!」


二匹は自家用トラックで火山へ向かったが…。
「あんちゃんこの道であってんの?
 どんどん遠ざかっていくような・・・」
 
「心配するな。
 オレのカンではこの道であっている!…多分…」
 
「…まよったな…」 

「リラ…どうしてキミがフロンティア団なんかに… 
 キミは着ぐるみ族の中でも一番信仰心の深い
 女の子だったじゃないか!」
 
「フッ…、確かにそうだったね。
 でも、エニシダのオヤジに
 エンテイをメイド姿にしてゲットしてみないかって
 誘われちゃってね…。
 ボクは着ぐるみも好きだけど、
 メイド服も好きだったのさ!」
 




「なによそれ・・・・。
 それだけのために一族を裏切って
 メイドボールを盗むなんて…!」 
 私もメイドコスしたいわよーーーッ!」



ブルーは年頃の女の子だった。 

「サトシそこをどいて!
 そいつブン殴ってやる!」
 

「ブルー、キミは下がっててくれ… 
 これはオレたち着ぐるみ族の問題なんだ…」

「サトシ…」

「リラ…オレ達着ぐるみ族につたわる 
 デュエルで決着をつけよう」 

「フッ…、今までボクとキミがデュエルして
 キミが勝った事は無い。
 それでもやるのかい?サトシ」
 

「当然だ!いくぞ!」 



「ううっ!あ、あれは…っ!」 
「卓球しながら山手線ゲーム!」 
「しかもお題はポケモンのワザよ!!」 
「この勝負… 
 この後どうなるのか予想できないぜ!!」

リラの天才的な神速スマッシュに
サトシは防戦一方だった。

「ハァ…ハァ…、
 まだまだ、ここから逆転だ!」
 
「…サトシ、ボク達の実力差は明確だ。 
 いいかげんあきらめたらどうなんだい?
 これ以上あがくのはやめてほしい…」
 
「いいや、やめないね。
 そして決して諦めない! 
 リラがこんなことを辞めない限り諦められないんだ……。 
 オレは、リラ……君が好きだっ!!」 」
 
「……!!!」


「い、意外な展開っ!?」 

「けど、こんなメイド姿のボクなんか・・・」 

「きぐるみ姿のリラも可愛かったけど、
 メイド姿も可愛いよ!」
 
「サトシ…実はボクも
 サトシくんのことが好きだったんだ」



「ええーーーー!?」 


「何この展開…」

その時ヒロシがひきこもりの間に到着した。 

「みんな!!無事か!?
 ・・・・・・?・・・・・・!・・・・・・、ふぅ…」
 
 
「誰か今の状況を
 30文字以内で説明してくれ」
 
 
ヒロシは目の前で起きている状況に困惑していた。 


「ヒロシ!オレはリラと付き合うぜ!」 
「サトシ、だーい好きッ!」 

「なるほど、大体は理解した
 …ワケね−だろ!!」


ヒロシの突っ込みチョップが
見事サトシに命中した。 
 


「ボクたち運命の糸で結ばれてるんだもん!
 ねー!」


「ん・・・?
 キミが手に持ってるものは…メイドボール!?」
 


「ヒ…ヒロシご主人様。
 何なりとご用をお申し付けください」
 
「えっ?」
「これは…!説明しよう!
 メイド化してしまったメイドボールの持ち主は、
 新たな持ち主の専用メイドになってしまうのだ!」

「あー、んじゃ
 そこにいるフロンティア団なんとかしてよ!」
 
「かしこまりました! とぅっ!」 

「うわーーーッ!」

「くらえ!
 メイド真剣奥義、三色パーンチ!!」

「ひ、ひえー!萌え好きの団長!!
 何とかしてくださ〜い!」
 

コゴミは無理やり団長を身がわりにした。 

「うわーーーー!!」 


「仲間を盾にするなんて・・・・まさに外道! 
   開け!夢のトビラ!」


「はぎゃああああ!」 

ミーの不意打ちが炸裂した。 

「ぐはぁ!!ずがい骨が開く…ッ!」 
「コ、コゴミまでやられてしまった!
 オレはどうすりゃ・・・ハッ!!」


ジンダイの目にうつったものは、
横たわったリラとその無傷の団長だった。

「リラーーーッ!!」 
「団長・・・それは、三色パンチ・・・!?」 
「ふ・・・部下にやられるようじゃ団長はつとまらないよ。 
 スキルハンターでリラの技をいただいたのさ」
 
「団長カッコイイ!」  

「さて、次はメイドボールをいただこう!!
 少年少女よ!私の三色パンチで粉々になりたくなければ
 すなおにメイドボールを渡すだ!!」


「よくもリラを…!」
「コイツが団長…!
 コイツさえ倒せばフロンティア団は崩れる!」

「団長!許すまじ!!」 

「くらえ!波導弾ーッ!!」 

「フン!その波導弾とやらも盗んでやる!!」

だがスキルハンターのPPが切れていた。 

「ハッ!スキルハンターの
 最大PPが1だったことを忘れていた!
 うわ―――――!!」
 

その時。
「ヒュー!!
 北風の化身、おでましだぜーッ!!」

「ギャーーーー!!あんちゃん前っ!!」 
「うわーーーーーー!!!」 
エニシダは波導弾とトラックの衝撃で、
火山を突き抜け雲の向こうへふっ飛ばされた。
「だ、団長がやられたーー!!」
「やべえ、逃げろー!」

「・・・」 

後編へ続くよ!



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