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iPhone商標の使用許諾元の「アイホン株式会社」の歴史が、意外と感慨深かった

iPhone5s/cも発売され、各キャリアの料金表とにらめっこして購入を検討する初秋、いかがお過ごしでしょうか。


自分もご多分にもれず、情報収集の一環として某スレを眺めていたら、以下のようなレスがあった。



このiPhone下取りのページみてたんだけど
http://www.nttdocomo.co.jp/iphone/campaign/shitadori/index.html
一番下の
iPhoneの商標は、(別ウインドウが開きます)アイホン株式会社のライセンスに基づき使用されています。

リンク先 アイホン株式会社
http://www.aiphone.co.jp/

なにこれなめてるの?
俺が無知だったの?
iPhoneってアイホン株式会社の商標なの?wwwwwwwwwwwwww


んー。知らなかった。
「iPhone」って、「アイホン株式会社」の商標なんすね。
アイホン、iPhoneの商標問題でAppleと「友好的合意」(2008/3/24の記事)


んで、「アイホン株式会社」は、1億円/年のロイヤリティーをAppleからもらってると。
アイフォーンの商標使用料は年間1億円?


「アイホン株式会社」、大勝利だな、おい。
とか思って、興味本位でどんな会社かググってみたワケですが、、、


すんません、「アイホン株式会社」は東証一部、昭和からある由緒ある会社のようで。
しかも「インターフォン」でトップシェアの大企業なんすな。
・・・ググらなくても知ってないとダメなレベルじゃん。
いやー、知らなかった。
米ホワイトハウスにインターフォンを納入しているとか、ハンパないっす。


それにしても。
社名が「アイホン」になったのは1954年のようなんだけど。。。
戦後10年も経ってない時期の「アイホン」ってどういう意味だっただろう?
なんかの略語?


社名の由来はwiki先生や会社HPにも載ってなかったので、調べてみまして。


創業者系の話はどうか?、と探してたら、GoogleBookで読めた。
素顔のけいざいじん 5(中部経済新聞社 編集)


ちょっと読んでみると、ダイナミックな人生だなぁ、と感心してしまう。
んー、昭和は遠くになりにけり。
来歴をかいつまんで言うと、


・愛知で生まれる
・小学校を出てから名古屋の従兄弟の会社で働く。ラジオや無線関係の仕事。
・「名古屋がこんな都会なら、東京はもっとすごいに違いない」と上京、新宿の工場で働く
・軍隊にとられ、浜松で通信兵として過ごす
・近くにあった日本蓄音機商会(現日本コロムビア)の工場長と親しくなり、除隊後に入社
・終戦
・日本コロムビアのサービスマンとして、金持ちや外国人宅に訪問する中で、インターフォンの存在を知る
・1948年、名古屋に戻って会社設立
・ラジオを作ろうと思ったが、三洋が発売したラジオの完成度の高さをみて断念
・大企業がやらないニッチを目指すべき、とインターフォン製造へ


ここまでで、社名の由来なし。


しかし、この後の流れは、以下に詳しかった。
http://sogo-v.cocolog-nifty.com/blog/cat21194819/


「愛知で興した高声電話機(インターホン)の会社」という意味で「愛興高声電話機」という社名にした


インターフォン「テータホン」(TETAはギリシャ語で「対話」)を売り出して成功

産業技術史資料データベース


業務用インターホン。
製材所などの事業所をはじめ旅館など、業務用連絡機器として広く普及した、真空管を使用した拡声同時通話インターホン。
当時としては機器を通じて相手と話をする事自体が画期的であり、業務用インターホン市場発展の礎となった。


しかし商標ゴロに商標をとられて、金で解決を迫られる
これは「テータホン」の商標をとられたのか?
商標DBみても分からなかった。。。


しょうがなく、商標を「アイホン」(愛知の「愛」+インターホンの「ホン」)にして、社名も変更


商標DBみたら、昭和30年に「アイホン」で登録されてた。


【商標】 アイホン
【登録番号】 第460472号
【登録日】 昭和30年(1955)2月16日
【出願番号】 商願昭29−8949
【出願日】 昭和29年(1954)4月9日



ということで、、、
商標ゴロにからまれて痛い目にあい、泣く泣く作った商標が「アイホン」だったですな。


それが平成の今、Appleからロイヤリティ収入にも結びついて。。。
会社もグローバル企業に成長して。。。
んー、ええ話や。



「スマホ」と「スマフォ」。なぜ「スマホ」なのか分かんない、という話のメモ。 - やじり鳥