
2007年12月16日でポリゴンがアニメで大活躍してから10周年です。
その余りの大活躍ぶりに二度と再放送されないという伝説を作り幻のポケモンになってしまったポリゴンですが、10年たったことで間違った伝説が飛び交っているのも事実。 10周年を記念して「ポリゴンはブラウン管を通して全国に怪しい光を放った」みたいな誤解をされている方のために当時の伝説をふり返ります。
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1997年12月16日「でんのうせんしポリゴン」が放送されます。
当時は火曜6時半からでした。 |

ポケモン転送システムがトラブルを起こし、電話の応対に追われるジョーイさん。
そこへポケモンを預けに来たサトシ一行。 転送システム開発者の秋葉原博士は
不具合の原因を告げずに突然ポケモンセンターを飛び出して行きます。

トラブルの原因を突き止めるため、博士の家にやってきたサトシ達。
しかしサトシ達は博士によって巨大転送装置に閉じ込められてしまいます。

そこへ現れたヴァーチャル生命体のポリゴン。 アヒルっぽいデザインからか「クェーッ!」と鳴きます。
博士はポリゴンなら電脳世界を自在に行き来できることと、
以前ロケット団が別のポリゴン「ポリゴン 零号機」を盗んで電脳世界に消えていったことを伝えます。
つまり博士のポリゴンが悪党に利用されてるため、博士はそれを公表できないんですね。

今ワクチンプログラムを使えばデータ化しているロケット団まで抹消されてしまうため、
博士はサトシ達に電脳世界へ行きロケット団を捕まえてくるように指示します。
否応無しにサトシ達はデータ化されて電脳世界に飛ばされます。
こういう演出は映画にあるのですが、模範を繰り返すうちにテンプレ化してるんじゃないかなーと思います。
少なくともポケモンが元祖ではありませんね。

「ネットワークハイウェイ」の名前どおり道路のようなポケモン転送専用回線の世界。
巨大化したポリゴンを乗り物代わりにしてロケット団を探し当てます。

ロケット団は回線を通行止めにしてモンスターボールを横領中。 アーボックとマタドガスをだして応戦します。

毒ガスを浴びたポリゴンはテクスチャーで毒タイプになりマタドガスを撃破。
ムサシは盗んだポリゴン「ポリゴン零号機」をだします。 ムサシに零号機を使わせる小ネタですね。

ポリゴン同士が対決する中、サトシ達は封鎖された回線を元に戻してロケット団を退けることに成功します。

しかしその時ジョーイさんがポケモンセンターから転送専用回線に強力なワクチンソフトを打ち込んでしまいます。
救急車のデザインがアホくさくていいですね。

ワクチンプログラムが襲ってくる前に電脳世界から脱出することになったサトシ達。
ワクチンがミサイルを発射! ここからは電脳世界からの脱出劇になります。

ワクチンプログラムはX-ウイングのような形に変形。 ミサイル攻撃はさらに激しくなります。

更に強力なビーム攻撃を放つワクチンですが、強力すぎる攻撃は電脳世界にバグを引き起こし、
ロケット団は「バグの穴」に落ちてしまいます。

このダメージでポリゴン0号機はダウン。 自力では脱出不能になります。 サトシはロケット団の心配をしますが、カスミは我が身が大事なご様子です。
サトシ「ロケット団が穴に落っこっちゃったんだ、助けなきゃ!」
カスミ「何言ってんの! ワクチンに追いつかれたら私達も危ないのよ!」

結局ロケット団を助けるサトシ達。 しかしポリゴンの搭載重量をオーバーしたらしく、思うようにスピードが出ません。
タケシ「大丈夫か!? ポリゴン!」
カスミ「ダイジョブじゃないみたい! やっぱりコイツら落としてこうか?」

脱出ゲート目前で再びワクチンプログラムが追いつきミサイルが4発打ち込まれます。

間一髪ピカチュウが10万ボルトで2本のミサイルを相殺。 しかし残りのミサイルが迫ってきます。

脱出ゲートに逃げ込みますがミサイルもゲートに突入してしまい…

なぜか爆発します。 ミサイルも現実化してしまったのでしょうか? ギャグマンガのノリですね。

人間用転送装置は大破してしまい、ジョーイさんはサトシ達が電脳世界を冒険したことも知らず
回線が元に戻ったことを喜びます。 これでこの話は終わりです。
何の進展もなくポリゴンを交えてのドタバタ話でしたが、
放送直後に気分の不調やけいれんを起こす子供(一部大人も)が続出してしまいます。

原因は電脳世界上の演出が問題でして、ミサイルをピカチュウが10万ボルトで打ち落とすシーンで約4秒間赤と青の点滅が繰り返され、この光の刺激が目から脳(視神経から大脳皮質)に伝わり、発作を引き起こす脳波が出たと解明されてます。 また、この点滅がピンクがかった赤と水色に近い青という光の強い色であり2色が対照的な色だったこと(これはおそらくポリゴンの色に合わせてる)や、画面全体で点滅が起こった事も一因です。

他にも電脳世界を意識した規則的なループや発光、点滅といった演出が多かったこと、それらが画面全体を覆っていたことなど、直接の原因ではないにしろ視聴者の発作を引き起こす一因を作ったといわれてます。 さらに、視聴者の大半が発作を引き起こしやすい子供だったこと、ポケモンがブームまっただなかでありほとんどの子供が画面から目を離さず観ていたことも原因であるといわれてます。 このように複数の問題が偶然重なったことで、事件は起きてしまいました。
ポケモン放送後、夜のニュースで「ポケモンを観た子供が倒れて病院に送られた」という内容で報道されます。 TV東京も記者会見を開き、原因は調査中であることを伝えます。 翌日17日では新聞やニュースで取り上げられますが「ポケモンを観た子供が倒れた」という結果しかわかっていないため、「ピカチュウ子供を襲う」みたいな記事の見出しも飛び交い、ポケモンという子供達の流行に対して理解しないままアニメやゲームに問題があるのではないかといった推測を交えた報道がされます。 ちなみに17日の「おはスタ」ではいつもの愉快なBGMが一時停止して山ちゃんが「昨日録画したポケモンのビデオは絶対に観ないでね!」とマジで注意してきたので強烈に印象に残っています。 TV東京は今後38話を放送しないこと、また提供しないこと、提携局は38話を放送しないことを決定。 ここで38話の封印が決まります。

18日、TV東京と提携局は事件の原因が解明され安全が確保されるまでポケモンの放送を中止することを決定し、レンタルビデオも回収されることになります。 火曜6時半は10月からおはスタで始まった同じ小プロ作品「学級王ヤマザキ」が再放送されることになります。 ちなみにおはスタ内では月〜金曜まで五等分に分割して放送されていたので意外な形でオリジナル版が放送される事になりました。 ポケモン大人気で年末にいきなりやることになった特番はやっぱりやらなくなり、アニメ誌の予定表頼りだった当時はもう何がなんだかワケわからなくなりました。 (ちなみに年末はポケモンと同じ小プロ・OLM制作の「モジャ公」の再放送。 当初は月曜7時のモジャ公枠の後にポケモンが来る予定だったが局の都合でバラエティ枠になったためポケモンは火曜の夕方になったらしい)

↑アニメージュの予定表98年1月号。 年末が休止扱いの謎。 「イワークでビバーク」は!?

↑アニメージュの予定表98年2月号。 事件後で放送日が未定になっているものの内容は決まっている。
「ポケモンようじんぼう」は「たいけつ!ポケモンジム!」の仮題。
「ピカチュウのもり」は復活用の新規エピソードなんだねん。
事件後、調査チームは映像制作に対する新しいガイドラインを作るため海外へ渡ります。 またTV東京も更に厳しい独自のガイドラインを作り、2月には昨年回収されたビデオの過剰な映像を抑えた今のバージョンで再リリースします。 確か再リリースされた際のPOPには「ピカチュウにあいたい…」とキャッチコピーが添えられていたと記憶してます。
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そして1998年4月、民法とNHK、テレビ東京が二つのガイドラインを発表し、ポケモンは4ヶ月ぶりに木曜7時からのゴールデン枠で再出発します。 39話は「ピカチュウのもり」に差し替えられ、ビデオ版や海外版でも「メタモンとものまねむすめ」→「ピカチュウのもり」の順番で収録され本放送で予告された「ルージュラのクリスマス」は後日番外編として放送される事になります。 |

かくして永久封印された38話ですが、ポリゴンもTV本編から封印されてしまいます。 ポリゴンは悪くないのですが、エピソードを象徴するメインキャラクターとして、責任を被ったような形になるのでしょうか。 それとも視聴者への配慮なのか、あまり触れて欲しくないのか、とにかく進化系も含めてポリゴンは名前すら出てこなくなります。 |

ちなみに映画の冒頭にはコッソリ出てきました。 ここは廃れた発電所でしょうか…、博士のポケモンだったポリゴンがなぜこんな廃墟に…。 ポリゴンに重なったフェンスや険しい表情で爆発寸前のビリリダマとマルマインから、彼が負った深い心の傷を感じますね。 きっと悲しいことがあったのでしょう。 |

また「ポケモンスナップ」ではテクスチャーで地面タイプになっているポリゴンを発見しました。 向こうが初号機ならこちらは零号機ですかね。 背景との同化を試みるなんて、よほど自分の存在意義に疑問を持っているのでしょう。 カメラから必死に背を向けるところに、メディアへの不信感のようなものを感じます。 離れ離れになった兄弟が再開する日は来るのでしょうか…。 Wiiでも遊べます。 |
この事件、後に「ポケモンショック」と呼ばれる出来事ですが、10歳前後の子供達の間で流行っていたポケモンが社会人に認知されるキッカケになったのも事実です。 もしゲストにポリゴンがでずに、ピカチュウが出演禁止になったりしたらどうなっていたでしょうね。 己を差し出し全てのポケモンを救った電脳戦士に合掌。 チーン。 |
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