1972年生まれが十代で読んだヤングアダルト系SF・ファンタジー・伝奇小説まとめ
大体四十歳前後から、発作的に昔を懐かしんで果てしなく思い出がよみがえる伝染病に罹り重体となる例が観測されますが、さっきから発病したようなので、勢いにまかせて中学・高校生のころに読んだSF・ファンタジー・伝奇モノ、ヤングアダルト小説のまとめ。
栗本薫「グイン・サーガシリーズ」
これは一巻読んだ時衝撃だったなぁ。中学生のときに一気に僕をファンタジー沼に引き摺り込んだ作品で、グイン・サーガを読む→グイン・サーガを読んでいることが知られる→TRPGの友達が出来る→毎週末はD&Dという中学時代の日常が確立されることに。瘴気が強すぎてグル・ヌーから帰還を果たすのにそうとう時間がかかったのである。なにげに西洋甲冑に興味を覚えたのもこの作品がきっかけで、その後西洋史に夢中になることに。なお、本編はシルヴィアがさらわれるあたりまでで読まなくなったなぁ。
マイケル・ムアコック「エターナル・チャンピオンシリーズ」
当時、TRPGにはまるともれなくみんな読み始めたのがマイケル・ムアコックのエターナル・チャンピオンシリーズだったと思うのですが、やっぱりエルリックから入った。思い返すとエルリックって人間性がクソだけど、当時はそれがすごく良かった。当時は「中二病」という名がついていなかったであろう中学生特有のアレの原因の一つだったと思う。エルリック実写化の話は結局どうなったのか、十年以上前だしたぶん頓挫したんだろう。そうだよね。まぁ、ストームブリンガーがショーン・コネリーとかケネス・ブラナーとかの声で喋らなければそれでいいです。
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ちなみにエターナル・チャンピオンはホークムーンが好きだ。
水野 良著「ロードス島戦記 灰色の魔女」
当時、コンプティークの誌上リプレイの方を読んでいて、小説化された方は最初の1、2巻を読んだだけという感じなのでどちらかというとリプレイの方に思い出が深い。ウッド・チャックが好きで、似たようなこすいキャラ作ってよくやったったなー。
高千穂遥「美獣」
高千穂先生がグイン・サーガに触発されて書いたという(ソースが思い出せない、確かあとがきかインタビューかだったような・・・)北欧神話題材のファンタジー。wikipediaの高千穂遥の項目には「『美獣』はやはり日本初の本格的ヒロイック・ファンタジーであり、栗本薫を刺激して『グイン・サーガ』を執筆させることとなった[要出典]。」ってあるけど、逆だよね。中学生のとき、ハードカバー版が新刊で並んでいるのを買ったもん。豹頭の仮面は79年、美獣は85年。筋肉がパンプアップする、などの筋トレ・ボディビル用語が異彩を放っていて、未だにパンプアップって言葉を唐突に思い出す。もう少し続けてもいいのよ、というところで終わった。
田中芳樹「アルスラーン戦記」
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まさか、2015年になってアニメ化されるとはなぁ。最近書店でパラパラとページをめくるだけであっという間に引き込まれた。1ページ目から情景が目に浮かぶようですごいと思うんですよこれ。アニメにラジェンドラ()はやくでないかなー。なお、第二部は仮面兵団までしか読んでいない。
田中芳樹「マヴァール年代記」
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ノベルズ版で読んでいたが、最近文庫で全話収録の一冊が出たようで。野心家たちの権謀術数にほぼ特化しててかなり好みでしたが、ぶっちゃけ主人公三人よりラザールが魅力的すぎて三人とも食われてた。
ポール・アンダースン「折れた魔剣」
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思い出というか、小~中学生の頃に読んですごく面白かった思い出だけが残っていてどんな話か記憶にないので、あらためて読み直したいと思っている一冊。
アン・マキャフリイ 「パーンの竜騎士シリーズ」
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これもひと通り読んだはずなんだけど、記憶がない。読み直したいけど絶版か。
高千穂遥「ダーティペアシリーズ」
小説読んだあとアニメが始まったんだか、アニメを見てから小説を読んだんだったか、いまひとつ記憶が曖昧なんですが、たぶん後者かな。大冒険と大逆転しか読んでいないけど、やたらテンポがよくてすごい面白かった覚えがあり、なんかすごい数死んでたなという覚えと未だに言えるワールドウェルフェアワークアソシエーション(WWWWA)の略称。この組織名とバオー来訪者のバオーリスキニハーデンセイバーフェノメノンは今でも諳んじることができるので子供の頃の勉強大事だと思います。あ、関係無いですがBAOHがバイオロジカル・アーマメント・オン・ヘルプの略という説も覚えているけど、これはたぶんジャンプ放送局かファンロードかOUTあたりの投稿だったと思う。個人的にはユリ派。女性キャラやアイドルのウェストが不自然な数値になったの、この二人と峰不二子からじゃないかと思うんですがどうなのかなー。クラッシャージョウはアニメは観た覚えがあるんですが小説を読んだかどうか記憶が定かでない。
横田順彌「宇宙ゴミ戦争」他ハチャハチャSEシリーズ
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小学校高学年から中学生にかけて、公共図書館で読んで夢中になったシリーズ。下品なギャグとダジャレとお色気がひたすら続いて爆笑に次ぐ爆笑だった思い出があるが、たぶん思い出補正。しかし、思い返すと表現うんたら煩い時期によく図書館にこのシリーズあったな・・・。横田先生今じゃ文壇の大御所だけど、この頃は若手として勢いがすごかったっぽい。wikipediaによると、「ハヤカワJA版『宇宙ゴミ大戦争』の小松左京による解説によれば、メチャクチャと言おうにも笑いすぎて息が切れ『ハチャ…ハチャ…』としか発音できない、といったところとされる。ハチャハチャという言葉自体は、東大将棋部内部で使われていた用語に由来するもので、同部にも出入りしていた、東大SF研の小谷善行が一の日会などファンダムに広めたりしたものと言われている[2]。」のだそうだ。
田中芳樹「銀河英雄伝説」
歴史好きになったのと紅茶好きになったのは大体ヤン提督のせい。
荒俣宏「帝都物語シリーズ」
これも当時、各巻の発売が待ち遠しかったシリーズで、オカルト、民俗学的な知識への興味もこれの影響が大きいな。加藤保憲が実在の人物だと勘違いしていた人が僕ですはい。幸田露伴とか寺田寅彦とか泉鏡花とかクソ強かった。あと北一輝と三島由紀夫も応援してたぜ・・・読んだ当時は昭和編未来編はいまいちアレだったけど、今読み返したらまた違った発見がありそう。ということで、もろもろ歴史上の人物が登場するけど結局角川春樹がtypemoon世界における遠坂凜みたいなポジションで最強だったあたり、アラマタ先生のただのオタクではない世渡りの妙を思い知らされました。
菊地秀行「トレジャー・ハンター八頭大シリーズ」
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エイリアン秘宝街から始まるエイリアンなんちゃらシリーズ。おそらく俺つえー系主人公の初期の一人でしょうかね。大富豪でトレジャー・ハンターでモテモテな高校生がとりあえず気持ちいいぐらいに毎回無双していくシリーズ。朝日ソノラマの看板の一つで何故か惰性で毎回買ってしまう謎の魅力がありました。エイリアン魔神国が長くてな、たしか下が出たあたりまでで読まなくなった。(その後完結編上中下と続いたらしい・・・)
他、菊地秀行先生はやたらめったら多作でメディアミックス展開もしまくってて、小説で読んだのかアニメでみたのかマンガで読んだのかがすごく曖昧なことが多い・・・
ほか菊地秀行作品
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朝日ソノラマ
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魔界都市シリーズはマンガの方で先に読んでいたなぁ。マンガも面白かった。
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ヴァンパイア・ハンターDは天野先生の絵がすごいインパクトだったなー。というか菊池作品に限らず天野先生の絵は一世を風靡していて、この記事で上げた本の八割ぐらいは天野先生の挿絵という・・・
朝日ソノラマ系作品
朝日ソノラマ
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朝日ソノラマ
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あとこのあたりか。ベルゼルガとメロウリンクは熱かった。なにげに夢枕獏作品は十代の頃不思議と縁がなくて、読んだのキマイラぐらいだった。ARIELもすごい面白くて当時何度も読んだけど、四十過ぎてアニメを見るようになったときに、モーレツ宇宙海賊の原作がARIELの笹本先生だと知って息なげーと驚嘆。
藤川桂介「宇宙皇子シリーズ」
河出書房新社
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当時公開されたウィンダリアを観ていのまたむつみさんの絵に惹かれて。帝都物語とコンボで日本古代史沼に引き摺り込んでくれたがこれも内容もう覚えてないなぁ。アニメ版は観ていないのだった。
新井素子「グリーン・レクイエム」
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これまた読み直したい衝動がふつふつと・・・
他にも挙げたい本多数だけど、とりあえずこんなあたりで。
