【コラム】朴大統領訪米は「歴史問題外交合戦」の舞台ではない

【コラム】朴大統領訪米は「歴史問題外交合戦」の舞台ではない

 しばらく前から外交消息筋の間では、米国の視点から見た「韓日比較論」が広まっている。日本は「頼もしく愛嬌(あいきょう)たっぷりの愛人」に例えられる。好みも合うし、望んだものをてきぱきと出してくれる。一方の韓国は「無愛想な古女房」のイメージだ。長年一緒に過ごしてきたが、なぜか心地いいばかりではいられない。

 先月末に日米間の「新蜜月関係」がクローズアップされたのに伴い、新バージョンが登場した。日本は「愛嬌もある妻」で、韓国は「無愛想な愛人」になろうとしているという。70年前は米国の敵だった日本が、いつのまにか愛人を通り過ぎて妻のように振る舞っているということだ。笑い話だが、心の片隅に引っ掛かるのは致し方ない。

 6月の朴槿恵(パク・クンヘ)大統領訪米を前に、韓国外交当局は悩みが多い。「韓日比較論」の話が出るだけでひきつけを起こしそうなくらいだ。安倍晋三首相訪米時に韓日間で繰り広げられた「歴史認識問題の外交合戦」で、いいところがなかったという無念さがあるからだろう。6月訪米を「歴史認識問題の外交合戦第2ラウンド」と考える一部の人々の視線もプレッシャーになる。また、外交部(省に相当)の尹炳世(ユン・ビョンセ)長官など外交高官らがこれまでにしてきた「問題発言」も少なくない。日米中に挟まれた韓国の状況を「祝福」と表現、「心配することはない」と言ったことだ。外交当局は韓米同盟についても「光が漏れるすきはない(No daylight)」としてきた。

 だが、状況はそれほど容易ではない。米国が歴史認識問題で韓国にどれだけ手を差しのべてくれるかは不透明だ。安倍首相と競い合う「式典合戦」も容易ではない。安倍首相はワシントンのリンカーン記念館でオバマ大統領と肩を並べる「プレゼント」を得た。朴大統領がこれを上回る象徴的な場面を演出するのは難しそうだ。

 外交当局者は「頭を痛めているが妙案が出てこない」と語った。外交消息筋からは「光が漏れるすきのない韓米同盟を再確認することも容易ではないだろう」との見方が出ている。少し前に非公開で行われた外交専門家懇談会でも「今の韓米関係は至る所で穴だらけになっている」と懸念の声が上がった。米国の外交シンクタンク関係者は「韓米同盟が韓中関係に比べどれだけ優先されているか疑問だ」と語った。

 今回の朴大統領訪米で成果を挙げるには、戦略的な選択と集中が必要だ。最優先課題は韓米間の信頼と同盟強化だ。米国に行き、日本と「歴史認識問題の第2ラウンド」をやるのは賢明ではない。まかり間違えば「韓国疲労症」ばかりひどくなる可能性がある。「安倍式のイベント」が必要かどうかも慎重に検討しなければならない。朴大統領は2年前、すでに米議会演説やホワイトハウスのローズガーデン散策など象徴的な儀式を行っている。

 韓米の「共同利害」を模索し、実質的同盟水準を引き上げることが重要だ。米国にとって最大の関心事は韓米日を含む北東アジア共同安保体制の強化だ。それに対する答えを用意しなければならない。北朝鮮の潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)や戦域高高度防衛ミサイル(THAAD)の導入問題をはじめ、北朝鮮情勢や南北統一問題でも共同の解決策を見いだす必要がある。環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)を通じて共同で経済の垣根を築くことも重要だ。今、韓米間に必要なのは、美辞麗句や対日競争外交ではない。「60年以上の血盟」である韓米間の共同利益と信頼性を高める実質的な成果だ。

政治部= ペ・ソンギュ次長
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