【ワシントン=芦塚智子】米下院は15日の本会議で、国防予算の大枠を定める2016会計年度(15年10月~16年9月)の国防権限法案を可決し、上院に送付した。日米同盟に関する条項で日本の防衛政策の転換への支持を明記した。
法案は「集団的自衛権の行使容認や新たな日米防衛協力の指針(ガイドライン)を含め、日本の防衛政策の最近の変更を支持する」と明記した。さらに「地域および世界の平和と安全により積極的に貢献するとの日本の決定を歓迎する」とも表明した。
また米軍普天間基地(沖縄県宜野湾市)の移設については、名護市辺野古が「引き続き唯一の選択肢」と明記した。「海兵隊のグアム移転は辺野古での普天間代替施設建設の進展と切り離されたものの、両方で継続的な進展がなくてはならない」と日本政府に対応を促した。
法案が認める国防予算は総額約6120億ドル(約73兆円)。大半の共和党議員のほか民主党議員の一部も賛成し、269対151の賛成多数で可決した。オバマ政権が求める歳出の強制削減措置の停止を認めず、戦費の増額分で穴埋めしていることなどを理由に、オバマ政権は法案に反対する姿勢を示している。上院の採決後、両院協議会で調整する。