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【ゴルフ】

川村昌弘が急浮上3位タイ

2015年5月16日 紙面から

3番グリーンでラインを読む川村昌弘。通算7アンダーで3位タイ=太平洋クラブ江南で

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◇日本プロ選手権<第2日>

 ▽15日、埼玉県熊谷市、太平洋クラブ江南コース(7053ヤード、パー71)▽晴れ、気温27・5度、風速3・8メートル▽賞金総額1億5000万円、優勝3000万円▽144選手▽観衆2618人

 34位から出た川村昌弘(21)=マクロミル=が5バーディー、ノーボギーの66で回り、通算7アンダーで首位と3打差の3位タイに急浮上した。首位は10アンダーのA・ブランド(オーストラリア)、2打差の2位にK・T・ゴン(韓国)が続いた。

 「謙虚にやりますよ」。開幕前日にそう言って向かった本番のティーグラウンドで、川村は大きな夢を膨らませ、ひそかに決意を強くしていた。

 「もっと海外に挑戦できる。自分の夢のためにも、ここで勝ちたい」

 勝者に5年シードが与えられる3大メジャー。「ゴルフで世界を旅したい」という異色の21歳が、目の前のご褒美を意識しないわけがなかった。

 4番パー4でチップインバーディーを奪って、勢いに乗った。独特のスイングで、淡々とピンを狙うショットに力があった。その制球力は見る者をうならせ、「毎日100点。無駄のないショットメーキング」と自賛する好調ぶり。だから、パットさえ決まれば、好スコアは必然だった。

 10番パー4。3打目はピンまで15メートルのグリーン上。「寄ればいいや」と何げなくパターを振った。軌道を見ながら歩き出した瞬間、自身も驚くカップイン。16番で7メートル、続く17番では2メートルを沈め、鮮やかにチャージした。

 昨季はインド、ロシアなど14カ国で計39試合を戦った。だが、国内ツアーの出場義務試合に追われ、故障を負い、自慢のショットから正確さが消えうせた。それでも、どんなに痛くても苦しくても、「いろいろな国に行くのがゴルフのモチベーション」と笑い、「旅人」は海を渡り続けた。

 今季もすでにアジアツアーなど6試合出場。先週は22カ国目としてアフリカ大陸東のインド洋に浮かぶモーリシャスに行き、モーリシャス・オープンで5位。ドバイ経由の計17時間のフライトで11日夜に帰国したばかり。それでも「旅が好き。行けるだけ行きたい」というタフネスさが、向上心の源にほかならない。

 勝って「西回りで世界(のさらに遠い国)へ」。ゴルフ界の「マー君」が見据える視線は、はるか先にある。 (松岡祐司)

 

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