有原　プロ初登板初先発初勝利

　日本ハムが競り勝った。０−２の６回、ハーミッダの適時二塁打とレアードの６号２ランで逆転した。有原が６イニング２失点でプロ初登板勝利。その後は４投手の継投で逃げ切った。オリックスは７回２死満塁を逃すなど攻め切れなかった。

　勝利の瞬間、硬い表情が一気にほどけた。ドラフト１位・有原が、初登板初勝利。球団の新人初登板初星は早大の先輩でもある斎藤以来だ。リーグ新人一番乗りの初星を手に、お立ち台に上がった右腕は、ウイニングボールを握り締めながら「温かい声援のおかげで投げやすかったです。素直にうれしいです」と笑顔を見せた。

　「緊張した」。立ち上がりは足が震えた。１回に先制適時打を許し、２回２死から山崎勝に死球。にらみつけられ、少し動揺もしたが、ベンチに戻ると同郷広島の先輩中田から「このままバンバン行け！」とゲキを飛ばされた。３回以降は安定投球。最速１５１キロの直球と多彩な変化球で６イニング２失点とまとめた。昨秋に右肘を痛めた影響が長引き、開幕２軍スタート。「投げられなくてもどかしい気持ちだった」。出遅れた悔しさを初マウンドでぶつけた。

　４球団競合の末入団した有原が初勝利を飾り、球団は初勝利記念Ｔシャツの発売を決定した。有原フィーバーは加熱するばかりだが「初回に失点した。これからはもっといい投球をしたい」と、謙虚なドラ１はさらなる活躍を冷静に口にした。　

　　（水足丈夫）