安保法案:「丁寧な説明心がける」首相が答弁
毎日新聞 2015年05月15日 21時19分(最終更新 05月15日 23時51分)
安倍晋三首相は15日の衆院本会議で、安全保障関連法案について「多くの国民、与野党に法案の趣旨を理解いただき幅広い支持が得られるよう、分かりやすく丁寧な説明を心がける」と述べた。野党側は首相が4月の米国議会演説で法案成立を「夏までに実現させる」と表明したことを「前のめり」と批判したが、首相は「戦争法案とか無責任なレッテルを貼るのではなく、中身のある議論をしたい」とけん制した。
首相は自衛隊の活動範囲が拡大することについて「実際に派遣するには、国益、自衛隊の能力も踏まえ主体的に判断する」と説明した。自衛隊員の危険が高まる懸念に対しては「後方支援を部隊の安全が確保できない場所で行うことはなく、危険が生じた場合は業務を中止するなど明確な仕組みを設け、自衛隊員の安全に十分配慮している」と理解を求めた。
一方、首相は議会演説で表明した「先の大戦への痛切な反省」について「犠牲になった米国の方々に哀悼の意を表し、戦後の日本が先の大戦に対する痛切な反省を胸に歩んできたこと、自らの行いがアジア諸国に苦しみを与えた事実から目を背けてはならないことなどを明確に述べた」と強調した。【加藤明子、当山幸都】