安保関連法案:国会に提出…野党、性急審議に難色

毎日新聞 2015年05月15日 11時35分(最終更新 05月15日 14時22分)

安全保障関連法案の閣議決定後、記者会見で法案について説明する安倍晋三首相=首相官邸で2015年5月14日午後、宮間俊樹撮影
安全保障関連法案の閣議決定後、記者会見で法案について説明する安倍晋三首相=首相官邸で2015年5月14日午後、宮間俊樹撮影

 政府は15日午前、集団的自衛権の行使容認を含む安全保障関連法案を衆院に提出した。これを受け、与党は衆院議院運営委員会理事会で、同法案審議のため19日に衆院に特別委員会を設置し、名称を「我が国および国際社会の平和安全法制に関する特別委員会」(略称・平和安全特別委)とするよう提案。21日審議入りの日程も示したが、野党側は「性急すぎる」と難色を示した。与野党は26日審議入りの方向で調整している。自民、公明両党は7月末までの成立を目指す。

 関連法案は武力を行使する他国軍を支援するための「国際平和支援法案」と、既存の10法を一括して改正する「平和安全法制整備法案」の2本。安倍晋三首相は15日の衆院経済産業委員会で、10法を一括改正することについて「今回の法制は(武力攻撃に至らない)グレーゾーンから集団的自衛権の一部行使容認に至るまで、切れ目のない対応を可能にするものだ。かつての有事法制の際には、野党から『すべてまとめて法案を出すべきだ』との意見をもらった。その趣旨も踏まえた」と説明した。菅義偉官房長官は記者会見で「懇切丁寧に説明し、国民にご理解いただけるよう全力で取り組んでいきたい」と述べた。

 防衛省は同日午前に安全保障法制整備検討委員会を開き、中谷元防衛相兼安保法制担当相は国会答弁に向けた準備を進めるよう指示。その後の記者会見では「非常に難しい法律の言葉が出てくる。事態の概念も、正確性を損なわない範囲で、できるだけ分かりやすい表現で答弁に努め、国民に理解しやすい説明をしたい」と語った。

 一方、与野党国会対策委員長会談が国会内で開かれ、自民党は特別委設置について「慎重審議をするという意思だ」と協力を求めた。これに先立ち、野党5党の国対委員長が会談し、安保関連法案について徹底的に審議を尽くすよう与党に求めることを確認。特別委の委員数も、与党側が45人と主張しているのに対し、野党側は50人とするよう求めることで一致。生活、社民など少数政党にも委員を確保するよう配慮を求めることとした。

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