福島第1原発1号機:建屋カバー解体開始…来秋完了目指す

毎日新聞 2015年05月15日 11時50分(最終更新 05月15日 11時51分)

 東京電力は15日午前、福島第1原発1号機の廃炉に向けて、原子炉建屋全体を覆っているカバーの解体作業を始めた。来秋までに解体し、建屋内のがれきを撤去した上で、使用済み核燃料プールからの核燃料取り出しを目指している。

 1号機建屋の最上階には使用済み核燃料プールがあり、392体の核燃料が残っているが、周辺には原発事故によるがれきが散乱したままで、核燃料取り出しの障害となっている。そこで、事故後に放射性物質の飛散を防ぐために設置した建屋カバーを取り外し、がれきを撤去する。

 この日は、カバーの屋根に計12カ所の穴を開け、内部に飛散防止剤をまく作業を始めた。屋根は幅約7メートル、長さ約43メートルのパネルを6枚並べた構造。8月中旬ごろまでにパネルをすべて取り外し、その後、放射性物質飛散防止のため防風シートなどを取り付ける。放射性物質の飛散を防ぎながら作業を進めるため、解体には約1年半かかる見通し。

 計画によると、2019年度に使用済み核燃料プールから核燃料を取り出す作業を始め、25年度に原子炉内に溶け落ちた核燃料(デブリ)の取り出しにかかる。廃炉作業の終了は2040〜50年ごろになるという。【斎藤有香】

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