[PR]

 沖縄の本土復帰から43年を迎えた15日、沖縄県の翁長雄志(おながたけし)知事は米軍基地の負担が続く復帰後の歴史を訴えた。米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移設を認めない姿勢も改めて示した。安倍政権からは沖縄の負担軽減に取り組む発言が相次いだが、辺野古移設を推進する方針は変わっていない。

 「沖縄の今日までの歴史を本土の皆さんに理解いただけるか、大変重要な節目だ」。翁長知事は15日の定例会見でこう語った。知事就任からまもなく半年を迎えるに当たり、重要日程を立て続けに組んでいる。

 5月だけでも、普天間飛行場の名護市辺野古への移設阻止を掲げる県民大会に出席。その後は上京し、国内外メディアにアピール。さらに、訪米して米政府高官らと会談する意向だ。

 背景には、「できれば夏ごろにも」(中谷元・防衛相)という安倍政権の辺野古埋め立てスケジュールをにらんだ戦略がある。東京でのメディア会見と訪米は翁長氏自身が事務方に実現を命じた。県の担当者は「この機会に沖縄の現状や訪米の意義を広く発信する必要がある」と説明する。

 翁長氏は15日の会見で「沖縄の気持ちをしっかり伝え、沖縄における理不尽なあり方を含めて話をさせてもらいたい」と強調した。移設反対の考えを本土と米国の世論に訴えていく姿勢を鮮明にした。