■新綱島駅はたて坑、両側にシールド機発進
新綱島駅(仮称)は、東急東横線綱島駅の東側約200mほどの位置に設けられる深さ34.9m、幅19.7mの地下駅。ホームは幅8.2m、長さ約200mの島式1面2線となる計画だ。
工事については、2013年12月に施工者が安藤・間・不動テトラ・日本国土・奈良JVに決定。開削工法で建設する予定だが、まだ実際の工事は始まっていない。
新綱島駅は新横浜方面、日吉方面へのシールドトンネル掘削の発進たて坑ともなるため、駅工事の進捗が両トンネルの工事にも影響することになる。今後、相鉄・東急直通線の工事が順調に進むかどうかの一つのカギとなる場所だろう。
[左]新綱島駅(仮称)の新横浜方は鶴見川のほとりに位置する。写真手前は綱島街道(神奈川県道2号)の橋、その奥が東横線の鉄橋。相鉄・東急直通線は写真撮影位置付近の地下を通ることになる(写真:小佐野カゲトシ)
[右]新綱島駅(仮称)は深さ34.9mで、駅延長245mのうち180mを開削工法で建設する(資料:鉄道・運輸機構)
綱島といえば東京近郊の温泉地としてその名を知られる街だ。相鉄・東急直通線の建設に対しては地域住民らから温泉への影響を懸念する声があり、これまでに反対集会も開かれている。
しかし、鉄道・運輸機構によると「温泉が湧く層は地下100mから150m程度なのに対し、線路は地下30m程度なので直接影響しない」という。現場では水密性の高い鋼製地中連続壁を使った工事を行うなど、工法の面でも配慮するという。
■日吉駅付近、東横線止めずに高架受け替え
新綱島から東急東横線・目黒線の日吉駅までは約2.2km。このうち、日吉駅付近の600mほどが地表区間、ほかは地下区間となる。新綱島─日吉の「綱島トンネル」は大半の区間で東急東横線高架沿いを通るため、高架橋の基礎を避けて両側の側道の下に単線トンネルを2本並べた形となる。
シールド機は新綱島駅の東端からまず1本のトンネルを掘り進む。日吉駅の西600mほどに位置する東横線の「日吉第三架道橋」付近に設けられる仮設たて坑でUターンし、もう1本のトンネルを新綱島に向けて掘り進む。こうして2本の単線トンネルを掘削する。
この仮設たて坑を境に日吉駅側は東横線の高架を改築しながら工事を進める必要があることから、東急電鉄が鉄道・運輸機構から委託を受けて工事を行う。
既存の東横線高架の直下から地上に出た相鉄・東急直通線を高台の上にある日吉駅に接続させるため、東横線を運行しながら高架橋の拡幅・新設や受け替えなど「相鉄・東急直通線の地上部では最も難しい」(鉄道・運輸機構の担当者)工事が行われる区間だ。
[上]日吉駅付近の工事区間。4つの工区に分かれている
[下]4つの工区に分けられた日吉駅付近の縦断面図。箱形トンネル区間から2層高架区間、そして擁壁区間を経て日吉駅へとつながる(資料:いずれも鉄道・運輸機構)
工区は4つに分かれており、施工者は日吉駅部分の1工区が東急・西武建設JV、高架橋を拡幅し「2層高架」とする2工区が大林・大和小田急建設JV、トンネルから地上に出る部分の3工区が鹿島・鉄建JV、東横線高架橋直下の箱形トンネル区間である4工区が清水・京急建設JVとなっている。
工事には2014年1月から着手し、鉄道・運輸機構によると現在は掘削の準備やシートパイル工事を行っている段階だ。
■既設高架橋の下にトンネルを新設
綱島トンネルのシールド機が折り返す仮設たて坑から日吉駅側は箱形の複線トンネルとなり、東横線高架の直下に入る。この区間が「4工区」だ。
ここでは、現在の高架橋の基礎がある部分にトンネルを通すため、トンネルの上部を構築して高架橋を受け替え、従来の基礎の部分を撤去してトンネルを完成させる。
4工区は高架をトンネルで支える形になるため、高架の受け替えといっても地上から変化は分かりにくいが、相鉄・東急直通線がトンネルから地上に顔を出す区間となる「3工区」は地上からも見える形で工事が行われる。この区間では高架橋の下に相鉄・東急直通線の線路を敷設するが、既存の高架のままでは下に線路を通せないため、高架を支える柱を新たに造り直して受け替える。
東急電鉄、新横浜、日吉、綱島、相鉄線、工事
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