■地下駅開削に「CSM工法」
新横浜駅の工事は開削工法で行われ、施工者は清水・竹中土木・熊谷・松尾JV(共同企業体)。円形歩道橋付近の76.5mについては、鉄道・運輸機構が横浜市交通局に委託しており、こちらは鹿島・鉄建・不動テトラ・NB建設JVが施工者となっている。
本格的な工事は2013年12月に始まった。現在行われているのは掘削の際に周囲の土が崩れないよう壁を設ける土留め工事で、回転カッターで地面を掘削し、土とセメントを混ぜ合わせる「CSM(カッターソイルミキシング)工法」を採用。そこに「NSボックス」と呼ばれる継ぎ手の付いた鋼製の芯材を並べて壁とする鋼製地中連続壁を造る作業が進んでいる。
鋼製地中連続壁は土留め壁としてだけでなくそのままトンネル本体の壁として使えるため、土留め壁の内側にコンクリートで躯体(くたい)をつくる工法と比べて全体の幅を抑えることができるという。
現在は円形歩道橋より東側で鋼製地中連続壁をつくる作業が行われており、「世界に4台しかない」(鉄道・運輸機構新横浜鉄道建設所の中西孝治所長)という、ドイツ・バウアー製の4つの回転カッターを備えた掘削機が、地中深くを掘り進めている。
現場近くにある市営地下鉄の第6出入り口はこの壁を設ける位置に当たるため、2014年8月上旬に閉鎖された。同出入り口の西側にある第5出入り口も、2013年1月から移設工事が行われている。環状2号線の車線規制とともに、一般利用者にも相鉄・東急直通線の工事が「見える」部分だ。
■新横浜を境に変わるトンネル断面
新横浜から次の新綱島(仮称、港北区)までは約3.6kmで、引き続き全区間が地下線となる。この「新横浜トンネル」は複線シールドトンネルとなり、うち約1kmは東急東横線の直下を通る。施工者はまだ決まっていない。
新横浜トンネルの断面は、羽沢─新横浜間の「羽沢トンネル」より狭くなる。理由は、東急と相鉄で車両の幅が異なるためだ。
相鉄の車両は最大幅2.95mで、鉄道・運輸機構によると車両限界は3m。対して東急の車両限界は2.82mとやや狭い。新横浜までは幅の広い現在の相鉄車両が入線する可能性を考慮しているが、新横浜から先は東急線に乗り入れできるサイズの車両のみ入線できるトンネル幅となる。
相鉄の車両は最も古い7000系を除くと全て幅2.9m以上と大柄だ。 写真の8000系は幅2.93m。最も広い11000系は2.95mある(左)。東急の車両は相鉄に比べると車体幅が狭い。写真の3000系は幅2.77m。車両限界は2.82mで、幅の広い現在の相鉄車両だと入線できない(写真はいずれも小佐野カゲトシ)
計画では、相鉄線から東急線方面への直通列車はラッシュ時10~14本、その他の時間帯は4~6本の運転が想定されている。 現在の相鉄車両では東急線への乗り入れができないことになるが、相鉄によると車両については今のところ未定という。
東急電鉄、新横浜、日吉、綱島、相鉄線、工事
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