【陸上】桐生、男子100決勝棄権…ボルト初対決へ温存

2015年5月16日6時0分  スポーツ報知
  • 男子100メートル準決勝で全体3位に入った東洋大・桐生だったが、決勝には姿を現さなかった

    男子100メートル準決勝で全体3位に入った東洋大・桐生だったが、決勝には姿を現さなかった

 ◆陸上 関東学生対校選手権第2日(15日、神奈川・日産スタジアム)

 男子1部の100メートル決勝が行われ、日本初の公認9秒台が期待された桐生祥秀(東洋大2年)は左太もも裏のけいれんにより決勝を棄権し、2連覇はならなかった。ケンブリッジ飛鳥(日大4年)が10秒33で初優勝した。準決勝は10秒37と2組1着で、全体3位で通過したがレース中に違和感を感じ大事を取った。世界記録保持者のウサイン・ボルト(28)=ジャマイカ=と初対決が予定されるダイヤモンドリーグ(DL)ニューヨーク・グランプリ(6月13日、米国)を見据え、故障のリスクを回避した。

 決勝を前に、ため息が会場を包んだ。大会2連覇を目指した桐生の挑戦は、あっけなく幕を閉じた。同日の準決勝レース中に起こした左太もも裏のけいれんにより棄権。3月の米テキサス・リレーは追い風参考で9秒87をマークし、期待が膨らんだ公認9秒台はまたもお預けだ。「痛みはないけど、いつも決勝ではスピードが出すぎるので大事を取った。これでまた、国内ではダメと言われちゃいます…」と悔しげだ。

 東洋大の土江寛裕コーチ(40)は「準決勝の30~50メートル付近で、つった感じになった。この状態で10本走ったら1回けがする程度のリスクがある」と説明した。トレーナーがけいれんの影響を調べた結果、左脚で出せる力が右脚の8~9割程度に弱まり、両脚のバランスを崩していることが判明。決勝直前まで患部のマッサージなどで出場を模索したが回復せず、無念の決断となった。

 6月に実現するボルトとの夢対決へ故障のリスクを避けた。今大会の200メートル(16~17日)も参加せず休養を取ることを決めた。「まずは(北京世界陸上参加標準の10秒)16を切らないと。日本選手権(6月26~28日、新潟・デンカS)も、優勝しか狙ってない」と桐生。19歳は、どこまでも前向きに高みを目指す。(細野 友司)

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