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shi3zの長文日記 RSSフィード

2015-05-16

隔離病棟

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 週刊アスキーの創刊編集長であり、弊社の監査役でもある福岡さんが法定伝染病になって隔離されているというのでお見舞いに行ってきた。

DAY18 結核のおくすりの話 : オレと雑誌とときどき初音ミク

http://blog.livedoor.jp/tikaram/archives/52147619.html

 

 隔離されてるといっても、結核はそれほど伝染りやすい病気ではないらしく、誰でも入り口で200円のN95マスクを買って装着すれば隔離病棟を自由に歩ける。結核菌は紫外線ですぐに死ぬので飛沫感染はするけど経口感染はしないらしい。

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 マスクが痒いけど。


 小一時間ほど世間話をしたり、病棟内を案内してもらったりする。


 今、彼にとってはこの敷地が宇宙の全てなのだ。


 まるで宇宙ステーションに住んでいるようではないか。

 運動しようにも走ることはできないので、ひたすらヒンズースクワットをしているという。


 結核はかつてのような不治の病ではなく、投薬治療で充分治るのだという。


 ただし最低6週間は隔離される必要があり、二週間に一度のテストを連続で三回パスしなければ退院することはできない。


 想像以上に大変だ。


 最大の敵は退屈ということらしい。

 今はインターネットとKindleがあるからちょっと前よりはだいぶマシなんだろうな。


 結核といえば風立ちぬ

 

 菜穂子も結核だった。

 菜穂子がサナトリウムでひなたぼっこをしてるのが不思議だったが、結核菌が紫外線で死ぬならまあ確かにひなたぼっこは有効なのかもしれない。


 当時に比べると薬が進化しているのでまず治らないということはないのだと思うが、今は病院の周囲に住宅地があり、窓が開かず風の音も喧騒も聞こえない病棟ということで、だいぶ気が滅入るようだった。


 食堂になぜか「カタンの開拓者」があり、「これ誰が遊ぶんだろう」と不思議になった。

 

 入院患者は年配の方や外国人が多い。

 誰がカタンを持ってきたのかなあ。


 しかし、東京にもどって「結核の友達をお見舞いに行ってきたよ」と言うと、みんな一度は「エッ」と言って身体を仰け反らせる。


 まあ僕だって結核菌の知識なんかないから同じ反応をしたかもしれないけど、21世紀になってもみんながこの反応じゃ、偏見みたいなものはまだまだ消えないんだな。

 


 あまりに退屈してるみたいだから、また行ってあげようと思った。

カタンの開拓者たち スタンダード版

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