TPP:初の一般向け説明会 政府、都内で開催
毎日新聞 2015年05月15日 20時28分
政府は15日、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)交渉について、一般向けの説明会を東京都内で開いた。これまで農業など関係団体向けには開いてきたが、一般向けは初めて。交渉が大詰めを迎える中、情報公開を求める声が高まっており、政府は説明会開催で幅広い理解を得たい考え。ただ、約1時間半のうち、質疑は10分程度で質問は4人で打ち切られ、情報開示の姿勢に疑問も残した。
一般から約180人、農協など関係団体から約220人の計約400人が出席した。
TPP政府対策本部の渋谷和久内閣審議官が交渉の現状を「最終局面に近づいている。ただ、残された課題はまだ結構あり、いずれも難しい」と説明。特に知的財産分野の新薬データ保護期間について、製薬会社を抱える日米と、価格の安い後発医薬品の利用を広げたい新興国の間で溝が深いと指摘した。また、日本のコメなど農産品の重要5項目について「(関税維持要求を決議した)国会で承認がもらえるような内容にしようと交渉しているが、交渉は非常に複雑で(自動車などを含めた)パッケージで議論しないとならない」と述べた。
参加者からは「TPPで食の安全に関する基準が緩和されることはないのか」といった疑問や「説明会を東京以外でも開催したり、インターネット上でも情報公開を進めるべきだ」といった意見が出た。【横山三加子】