■50-60代のハウスプア、膨らむ債務
特に住宅価格の高騰時に住宅を担保に資金を借り入れ、元金返済を据え置いてきた50-60代のハウスプア(無理なローンで住宅を購入したが、ローン返済で貧困に陥っている人)は、所得が増えない中で、借金だけが膨らみ続けており、危険な状況に陥る可能性が懸念されている。
現代経済研究院が同じデータを利用し、50-60代のハウスプアの負債状況を分析した結果、可処分所得に占める負債比率は408.8%で、40代以下のハウスプア(255%)、ハウスプアではない50代以上の人(273%)に比べ圧倒的に高かった。金利低下で、他の年齢層やグループは可処分所得に占める負債比率はいずれも低下したが、50-60代のハウスプアだけは2012年の359%から昨年の408%へと49ポイントも上昇した。負債規模も50-60代のハウスプア世帯では平均1億3206万ウォン(約1446万円)で、他の年齢層やグループよりも多かった。
現代経済研究院によれば、韓国の50-60代のハウスプアは36万世帯を超えると推定される。同院のシミュレーションでは、金利が現在よりも1%上昇すれば、50-60代のハウスプアの可処分所得に占める負債比率は11ポイント上昇し、420%に達するとみられ、ローン返済はさらに難しくなる見通しだ。 他のグループでは、負債比率が3-5ポイント上昇するにとどまるとみられる。米国が利上げを行い、韓国もそれに追随すれば、50-60代のハウスプアが発端となり、韓国の金融システムに衝撃を与える可能性は無視できない。