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島根「松江城天守」国宝に指定へ5月15日 17時46分
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島根県の「松江城天守」が新たに国宝に指定されることになりました。城が完成した年を裏付ける祈とう札が最近になって見つかるなどしたためで、天守が国宝に指定されるのは63年ぶりです。
これは、15日、開かれた文化庁の文化審議会が下村文部科学大臣に答申しました。
島根県松江市にある松江城の天守は外観は4重、内部は地上5階、地下1階の形式で、中国地方に唯一残る「四重五階」の天守です。高さ2階分の通し柱を多用するなど独自の建築的特徴があります。創建の際に平和を願って奉納されたと伝えられる2枚の祈とう札が3年前、75年ぶりに見つかり、慶長16年(1611年)に城が完成したことが裏付けられるなど新たな事実が明らかになったことで文化史的な価値が高まったと評価されました。
天守が国宝に指定されるのは昭和26年の兵庫県の姫路城、昭和27年の長野県の松本城、愛知県の犬山城、滋賀県の彦根城に続いて5件目で63年ぶりとなります。
また、昭和8年に建てられた東京・港区の「旧朝香宮邸」や、福岡県大刀洗町のレンガ造りの教会、「今村天主堂」など10件の建造物が国の重要文化財に指定されることになりました。
島根県松江市にある松江城の天守は外観は4重、内部は地上5階、地下1階の形式で、中国地方に唯一残る「四重五階」の天守です。高さ2階分の通し柱を多用するなど独自の建築的特徴があります。創建の際に平和を願って奉納されたと伝えられる2枚の祈とう札が3年前、75年ぶりに見つかり、慶長16年(1611年)に城が完成したことが裏付けられるなど新たな事実が明らかになったことで文化史的な価値が高まったと評価されました。
天守が国宝に指定されるのは昭和26年の兵庫県の姫路城、昭和27年の長野県の松本城、愛知県の犬山城、滋賀県の彦根城に続いて5件目で63年ぶりとなります。
また、昭和8年に建てられた東京・港区の「旧朝香宮邸」や、福岡県大刀洗町のレンガ造りの教会、「今村天主堂」など10件の建造物が国の重要文化財に指定されることになりました。
国宝指定までの経緯
松江城の天守は昭和25年に施行された文化財保護法で重要文化財となりました。松江市は国宝に指定されることを目指して国に繰り返し陳情を行うなど早くから活動を続けてきました。平成21年には「松江城を国宝にする市民の会」ができ、平成22年には市が「国宝化推進室」を設置しました。市民の会は12万人を超える署名を集め文化庁に提出するとともに、市は専門家に依頼して天守の詳しい構造の分析や城がつくられた経緯の解明を進めました。
さらに、昭和12年から所在が分からなくなっていた2枚の祈とう札を捜すため最高500万円の懸賞金をかけて調査を始めます。祈とう札は城が創建された際、城の平和を願って奉納されたと伝えられ、国宝の指定につながる貴重な史料になると期待されていました。そして、3年前、平成24年5月に、市の教育委員会が城の敷地内にある松江神社の倉庫を調べていたところ、この札が見つかりました。「慶長十六」などと書かれていて慶長16年に城が完成したことが裏付けられたほか、札が城の中心的な柱に打ちつけられていたことなどが分かりました。札が見つかった神社は所有権と懸賞金を辞退し、現在、松江市が所有しています。
文化庁によりますと、祈とう札の発見のほかにも、専門家の調査で天守の建築的な特徴や歴史的な経緯が新たに明らかになったため、今回の国宝の指定につながったということです。
さらに、昭和12年から所在が分からなくなっていた2枚の祈とう札を捜すため最高500万円の懸賞金をかけて調査を始めます。祈とう札は城が創建された際、城の平和を願って奉納されたと伝えられ、国宝の指定につながる貴重な史料になると期待されていました。そして、3年前、平成24年5月に、市の教育委員会が城の敷地内にある松江神社の倉庫を調べていたところ、この札が見つかりました。「慶長十六」などと書かれていて慶長16年に城が完成したことが裏付けられたほか、札が城の中心的な柱に打ちつけられていたことなどが分かりました。札が見つかった神社は所有権と懸賞金を辞退し、現在、松江市が所有しています。
文化庁によりますと、祈とう札の発見のほかにも、専門家の調査で天守の建築的な特徴や歴史的な経緯が新たに明らかになったため、今回の国宝の指定につながったということです。