黒田日銀総裁:「10回近くの利下げと同じ効果」-緩和2年
2015/05/15 13:51 JST
(ブルームバーグ):日本銀行の黒田東彦総裁は15日昼、都内で講演し、導入して2年がたった量的・質的金融緩和について「10回近くの利下げを同時に行ったのと同等の政策効果を持っている」との見解を示した。
当面の金融政策運営については「2%の物価目標の達成に必要なら躊躇(ちゅうちょ)なく調整を行う考えに変わりない」としながらも、「今の時点でさらなる追加緩和が必要という考えは持ってない」と語った。
黒田総裁は量的・質的緩和導入から2年間で「中長期の予想物価上昇率は0.5%程度上昇、名目長期金利は0.3%程度低下し、実質金利は1%弱程度低下したと考えることは、おおむね妥当だろう」と指摘。
「欧米の研究などによれば、経済・物価に対して長期金利の低下は短期金利の低下の数倍の政策効果を持つとされている」と指摘。また、量的・質的緩和がイールドカーブ全体を下押ししている効果の実証分析を行ったところ、「同じ効果を短期金利の引き下げのみで得ようとすれば、2%程度の引き下げが必要になるという結果が出た」という。
その上で、「伝統的な短期金利誘導による金利政策が通常は1回0.25%ずつ行われることを踏まえると、量的・質的緩和は10回近くの利下げを同時に行ったのと同等の政策効果を持っている」と語った。
記事についての記者への問い合わせ先:東京 日高正裕 mhidaka@bloomberg.net
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更新日時: 2015/05/15 13:51 JSTニュース一覧
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