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注目のNHKの記者会見 なぜフリーや雑誌記者は参加できないのか?

THE PAGE 5月15日(金)12時1分配信

 経営トップの会長による「問題」発言、クローズアップ現代の「やらせ」などを巡って、NHK問題が注目を集めています。ところで、NHKでも経営陣や幹部による記者会見が定期的に開かれているのをご存知でしょうか。NHKの会見は、他の多くの会見と同様、記者クラブ加盟社しか参加できません。公共放送でありながらフリーや雑誌記者を排除する記者クラブ問題を、NHK会見を通じて考えてみました。

 記者クラブは新聞やテレビなどの大手メディアでつくる任意団体です。官公庁や警察、経済団体ごとにさまざまな名称で設置され、記者のワーキングルーム「記者室」を独占的に使用しています。首相官邸の内閣記者会などが特に有名です。記者クラブへの加盟は規約上、「個人単位」とされていますが、マスコミ記者でない限りは新規入会が極めて難しく、事実上、「新聞社・テレビ局単位」の組織と言ってよいでしょう。

 従って記者クラブメンバーでない限り、記者会見への出席すらできないことになり、その「閉鎖的」「独占的」組織形態が長らく、国内外のメディア関係者から厳しく指摘されてきました。

 そうした記者クラブの一つにNHKの記者クラブがあります。

 NHKには「ラジオ・テレビ記者会」「東京放送記者会」という二つの記者クラブがあり、いずれも東京・渋谷のNHK放送センター内に拠点を置いています。メーンは「ラジオ・テレビ記者会」。主要な全国紙・テレビ局が所属し、記者室も建物内にあります。NHK関連の広報資料は各社にファクスなどで提供されるほか、主にこの記者室において配布されています。NHKと民放各社はライバル関係にありますが、競争相手に資料を提供したり、追及を受けたりといったことが渋谷の建物内で行われているわけです。

 ラジオ・テレビ記者に所属する記者は、文化部や学芸部の記者が中心です。番組に関するニュースが多いことが理由ですが、最近は経営問題も話題になることが多いことから、経済部記者を送り込んでいるメディアもあるようです。

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最終更新:5月15日(金)12時1分

THE PAGE

 

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